クロストリジウム筋壊死

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クロストリジウム性筋肉壊死(クロストリジウムせいきんにくえし)とは、壊死性筋膜炎の一つで、嫌気性グラム陽性桿菌Clostridium septicum、特にClostridium perfringens[1] (ウェルシュ菌) を起因菌とした感染症で進行性にが破壊され壊疽に陥る。

臨床上では、ガス壊疽が筋組織に及んだ状態である。

症状[編集]

戦争闘争その他の外傷、あるいは手術や筋肉注射後に発症することがある。貫通銃創では少ないが、散弾榴弾の破裂では良くみられる。ほかに一般社会では交通事故や強い外傷でも起きうる。災害では阪神・淡路大震災東日本大震災でも報告がみられる。

受傷後24時間から3日以内に発症する。症状の進行は極めて速く、放置すると毒素により全身血圧低下、心機能低下、腎不全やDICなどをきたし、予後は極めて悪い。

診断、治療[編集]

創部限局の激痛、高度の壊死性変化、顕著なむくみ、血性漿液の分泌物、握雪感(触った際にを握ったような感覚を感じる)など。X線画像では筋肉内にガス像を認める。菌の培養試験など。

治療は抗菌剤投与、高圧酸素療法などが適用検討される。症状に応じデブリードマン外科的切断(en:Amputation)が必要なことがある。

出典・脚注[編集]

  1. ^ 麓祥一、野口剛、明石雄一 ほか、虚血性回腸炎の腸壁内Clostridium perfringens感染による門脈ガス血症の1例 ] 日本消化器外科学会雑誌 2006年 39巻 2号 p.243-246, doi:10.5833/jjgs.39.243
  • 井上治 ほか、「Clostridium性ガス壊疽,壊死性筋膜炎,Fournier壊疽など致死性軟部感染症に対する高気圧酸素療法(HBO)--国内外の主要な文献から (PDF) 」 日本高気圧環境・潜水医学会雑誌 45(2), 49-66, 2010, NAID 40017245962

関連項目[編集]

外部リンク[編集]