クロサイ

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クロサイ
クロサイ
クロサイ Diceros bicornis
保全状況評価[a 1][a 2]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 CR.svgワシントン条約附属書I
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウマ目 Perissodactyla
: サイ科 Rhinocerotidae
: クロサイ属
Diceros Gray, 1821
: クロサイ D. bicornis
学名
Diceros bicornis
(Linnaeus, 1758)
英名
Black rhinoceros
Hooked-lipped rhinoceros

Leefgebied zwarte neushoorn.JPG

クロサイ(黒犀、Diceros bicornis)は、哺乳綱ウマ目(奇蹄目)サイ科クロサイ属に分類されるサイ。本種のみでクロサイ属を構成する。

分布[編集]

ケニアタンザニアから、カメルーン、更にナミビアジンバブエ南アフリカに渡るサハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広範に分布する。

形態[編集]

体長280-305センチメートル[1][2]。尾長60センチメートル[1]。肩高140-160センチメートル[2]体重350-1,300キログラム[2]。雌はこれよりもやや小さい。頭部や胴体は長く、頸部は太い[2]。成獣では耳介や尾の先端を除いて体毛で被われない[2]。頭にケラチンでできた2本の角が直列してついており、前方の角がより大きく、長さ70cmほどになる。時には小さな3本目の角ができることもある。体色は灰色や灰褐色で、生息地の土の色によって異なる[1]。むしろ、口の幅が広く、wide rhinoceros とされるべきところのサイが誤記されて white rhinoceros、つまりシロサイとされてしまったため、それと対照的なもう一方のアフリカのサイをクロサイとしてしまったというのが実情であると考えられている。

耳介は長く筒状[2]。頭部には2つの角がある[2]。属名Diceros、種小名bicornis ともに「2つの角」の意。前角長42-135センチメートル、後角長20-50センチメートル[1]。 吻端が尖り、上唇がよく動く[2]。これにより木の葉を口元に大量に引き寄せて食べることができる[1]門歯がない[1]。クロサイは頭部と耳がシロサイよりも小さく、額がはっきりとしている[要出典]。また、クロサイはシロサイのようなはっきりとした肩の瘤を持たない。

出産直後の幼獣は体重22-45キログラム[2]

適応[編集]

クロサイは生息地に適応して、次のような特徴を有している。

  • 鋭い草や棘のある低木から身を守るために、皮膚は厚く、層状になっている。
  • 足の裏は厚くなっていて、衝撃を吸収し、脚を保護する
  • 若葉や新芽が食べやすいように、上唇は物をつかむのに適応した形になっている。
  • 大きな耳は回転することができ、音の来る方向が分かる。
  • 大きな鼻は捕食者の臭いを敏感に察知する。
  • 2本の大きな角は防御や威嚇に用いられる。

分類[編集]

  • Diceros bicornis bicornis

ナミビアアンゴラ南部、ボツワナ西部、南アフリカ西部の乾燥・半乾燥地帯のサバンナによく適応している。

  • Diceros bicornis longipes

最も希少であった亜種。以前はアフリカ西部のサバンナの大部分に生息していた。最後の個体群がカメルーン北部に生き残っていたが、その後の生息地の調査では発見されず、2005年に絶滅が宣言されている。

  • Diceros bicornis michaeli

古くはスーダン南部、エチオピアソマリアケニアタンザニア中北部に分布していたが、今日では主にタンザニアに限られている。

  • Diceros bicornis minor

最も数が多く、かつてはタンザニアの中央部から、ザンビアジンバブエモザンビーク南アフリカ北東部にわたって分布していた。

生態[編集]

藪地に生息するが、山地の森林に生息することもある[2]。ンゴロンゴロの個体群ではオス26,000ヘクタール、メス259-4400ヘクタールの行動圏内で生活する[2]薄明薄暮性で、昼間は木陰などで休む[2]。単独で生活するが、以前は約10頭からなる小規模な群れを形成することもあった[2]。水浴びを好むが、乾季には泥浴びも行う[2]。危険を感じると突進し威嚇することもある[2]。走行速度は時速50キロメートルに達する[2]。時には母娘で集団をつくっていることもある。

食性は植物食で、主に低木の葉を食べるが、も食べる[2]。彼らの皮膚の隙間には多数の寄生虫が住み着いているが、サイと共生しているウシツツキサギがこれを食べる。

交尾は季節によらず行われるが、出産は雨季の終わりの乾燥した環境で行われることが多い。妊娠期間は15か月[1][2]。1回に1頭の幼獣を2-3年に1回だけ産む[2]。授乳期間は1年だが、幼獣は母親が次の幼獣を産む前まで一緒に行動する[2]。子供はハイエナライオンの絶好の標的となる。オスは生後7-9年、メスは生後3-4年で性成熟し、寿命は40年以上と考えられている[2]

人間との関係[編集]

角は薬用になると信じられていたり、イエメン北部などではジャンビーヤ(短剣)の柄に用いられる[1][2]

角目的の乱獲により生息数は激減している[1][2]1996年における生息数は2,408頭と推定されている[2]。地域別ではジンバブエでの1980年代における生息数は1,400-1,754頭、1990年における生息数は1,700、1993年における生息数は381頭、1996年における生息数は315頭と推定されている[2]。またタンザニアでの1980-1984年における生息数は3,130-3,795頭、1996年における生息数は32頭と推定されている[2]

国際サイ基金によると、クロサイの数は徐々に回復しつつあり、2003年には3610頭、2007年には4180頭、2013年には5055頭となっている。しかし、上記の通り依然としてサイの密猟は横行しており、現在も決して楽観できる状況ではない。

世界中の動物園等の飼育施設では、飼育下での繁殖によって個体数を増やす努力が続けられている。

  • D. b. longipesD. b. michaeliD. b. minor

CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1(2001))[a 2]

Status iucn3.1 CR.svg
  • D. b. bicornis

VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1(2001))[a 2]

Status iucn3.1 VU.svg

参考文献[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社1986年、46、48-51頁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社2000年、46-47、157頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ a b c The IUCN Red List of Threatened Species
    • IUCN SSC African Rhino Specialist Group 2008. Diceros bicornis. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC African Rhino Specialist Group 2008. Diceros bicornis ssp. bicornis. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC African Rhino Specialist Group 2008. Diceros bicornis ssp. longipes. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC African Rhino Specialist Group 2008. Diceros bicornis ssp. michaeli. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC African Rhino Specialist Group 2008. Diceros bicornis ssp. minor. In: In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.