クルマエビ亜目

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クルマエビ亜目(根鰓亜目)
Dendrobranchiata
Penaeus monodon.jpg
ウシエビ Penaeus monodon
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱(エビ綱) Malacostraca
亜綱 : 真軟甲亜綱 Eumalacostraca
上目 : ホンエビ上目 Eucarida
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 根鰓亜目(クルマエビ亜目)
Dendrobranchiata
Bate, 1888
下位分類群
2上科9科(本文参照)
化石種 Aeger tipularisドイツゾルンホーフェン

クルマエビ亜目、学名 Dendrobranchiata は、十脚目(エビ目)を二分する分類群の一つ。根鰓亜目(こんさいあもく)とも呼ばれる。

もう一つの分類群・エビ亜目(抱卵亜目)より原始的とされている。十脚目は外見上の違いから「エビ」「ヤドカリ」「カニ」に分けられるが、クルマエビ亜目は全て「エビ」に属する。

目次

[編集] 特徴

成体のは細かく枝分かれした羽毛状の構造で、根鰓(こんさい)Dendrobranch と呼ばれ、分類名もここに由来する。ただしユメエビ類の成体は鰓が無い。成体の大きさは数mmほどのユメエビ類 Lucifer から、30cmを超えるウシエビ Penaeus monodonオオミツトゲチヒロエビ Aristaeopsis edwardsiana まで大きな差がある。

生殖腺はオスの第5歩脚基部、メスの第3歩脚基部にある。また、オスの第1腹肢内側には雄性生殖器(Petasma : ペタスマ、ペタズマとも)、メスの第4・第5歩脚の内側に雌性生殖器(Thelycum : セリカム)がある。特に多くの種を抱えるクルマエビ科同定する際は、生殖器の形状は重要な手がかりとなる[1][2][3]

[編集] 生活史

クルマエビ亜目は受精卵を保護せず水中に放出し、放出された受精卵はプランクトンとして水中を浮遊しながら発生する。卵を保護しない分は小卵・多産で個体数をカバーする傾向があり、一般的にエビ亜目よりも一度の産卵数が多い。大型種のクルマエビでは産卵数が数十万に達する。また、子が卵から孵化する段階ではノープリウス幼生の形態である(エビ亜目はそれより一段階進んだゾエア幼生、または直達発生で孵化)。

幼生プランクトンとして海中を遊泳し、脱皮を繰り返しながらノープリウス Nauplius - プロトゾエア(前期ゾエア)Protozoea - ゾエア Zoea - ポストラーバ Postlarva(マスティゴプス Mastigopus)計4段階の変態を経て稚エビになる。なおクルマエビ科のゾエア期をミシス Mysis、サクラエビ科のプロトゾエア期をエラホカリス Elaphocaris、同じくサクラエビ科のゾエア期をアカントソーマ Acanthosoma と呼ぶこともある[2]

[編集] 分類

2上科9科だけが分類され、うち2科は化石種のみで構成される。ジュラ紀の地層から化石が発見されていて、十脚類の中でもエビ亜目より原始的なグループとされている。科は少ないが種類数は多く、主に熱帯・温帯の浅海から深海に分布する。原則として生だが、中には汽水域に生息するもの、さらには淡水域まで進入するものもいる。

下位分類群の和名、ラテン語名、記載者、記載年、おもな種類を以下に示す[1][2][3][4]

[編集] クルマエビ上科

Penaeoidea Rafinesque-Schmaltz, 1815

大きさは体長数cmほどのものから20cmを超えるものまで種類によって異なる。5対の歩脚はいずれもよく発達する。漁業資源となるものが多い。

(和名なし)Aegeridae Burkenroad, 1963
化石種の2属25種のみを含み、現生種はいない。
チヒロエビ科 Aristeidae Wood Mason, 1891
10属28種、うち1属1種は化石種。現生種は水深数百-数千mの深海底に生息する。ツノナガチヒロエビ、ヒカリチヒロエビなど
オヨギチヒロエビ科 Benthesicymidae Wood Mason, 1891
5属43種、うち1種が化石種。深海に生息する。中層遊泳性で、日周鉛直運動を行うものが多い。ソコチヒロエビ、シンカイエビなど
(和名なし)Carpopenaeidae Garassino, 1994
1属3種。化石種のみ。
クルマエビ科 Penaeidae Rafinesque-Schmaltz, 1815
49属289種、うち25属65種が化石種。底生で、浅海から水深数百mまでの深海まで生息する。種類によっては汽水域や淡水域に進入する。
クルマエビウシエビクマエビシバエビヨシエビサルエビアカエビシロエビホッコクエビなど
イシエビ科 Sicyoniidae Ortmann, 1898
属はイシエビ属 Sicyonia のみ、53種からなる。うち化石種は1種。太く短い体型で棘や毛が多い。底生で、浅海から深海まで生息する。イシエビ、ヤマトイシエビ、サルイシエビなど
クダヒゲエビ科 Solenoceridae Wood Mason, 1891
9属86種。深海底生。第1触角鞭2つのうち片方が角状に発達するものが多い。ヒゲナガエビナミクダヒゲエビ、ヒゲナガクダヒゲエビなど

[編集] サクラエビ上科

Sergestoidea Dana, 1852

大きさは体長数mm-数cm程度だが、10cmを超えるオオサクラエビ Sergia tenuiremis (Krøyer, 1855) という種類もいる。5対の歩脚のうち後ろの第4・第5歩脚が退化している。海中を群泳する習性を持ち、生息海域は外洋・内湾、深海・表層など種類によって異なる。地域や種類によっては食用に漁獲される。

ユメエビ科 Luciferidae De Haan, 1849
属はユメエビ属 Lucifer のみ、8種が分類される。成体は小型で鋏脚が第3歩脚のみ、鰓も無い。プランクトン中に見いだされる。
サクラエビ科 Sergestidae Dana, 1852
13属104種、うち2属2種が化石種。第二触角が長く、中ほどで一度折れ曲がる。サクラエビ、オオサクラエビ、アキアミなど

[編集] 参考文献

  1. ^ a b 内海冨士夫・西村三郎・鈴木克美『エコロン自然シリーズ 海岸動物』1971年発行・1996年改訂版 ISBN 4586321059
  2. ^ a b c 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』1982年 保育社 ISBN 4586300620
  3. ^ a b 林健一『日本産エビ類の分類と生態 I 根鰓亜目』1992年 生物研究社 1992年 ISBN 4915342077
  4. ^ Sammy De Grave, N. Dean Pentcheff, Shane T. Ahyong et al. (2009)"A classification of living and fossil genera of decapod crustaceans (PDF)"Raffles Bulletin of Zoology, 2009, Supplement No. 21: 1–109, National University of Singapore
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