クラシックダンジョン 〜扶翼の魔装陣〜

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クラシックダンジョン 〜扶翼の魔装陣〜
クラシックダンジョンX2
ジャンル アクションRPG
対応機種 1:PlayStation Portable (PSP)
2:PlayStation Portable (PSP)、Windows
開発元 システムプリズマ
発売元 日本の旗 日本一ソフトウェア
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗 NIS America
メディア UMD、ダウンロード販売
発売日

1:
日本の旗 2010年2月18日
アメリカ合衆国の旗 2010年9月20日
欧州連合の旗 2010年11月17日

2:
日本の旗 2011年3月24日 (PSP)
アメリカ合衆国の旗 2011年8月30日 (PSP)
欧州連合の旗 2011年9月21日 (PSP)
世界の旗2012年8月14日 (Windows)
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRB:T
売上本数 日本の旗 2:5,760本[1]
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クラシックダンジョン 〜扶翼の魔装陣〜』(クラシックダンジョン ふよくのまそうじん)は、2010年2月18日日本一ソフトウェアから発売されたPlayStation PortableアクションRPG。2011年3月24日に発売された続編『クラシックダンジョンX2』(クラシックダンジョンエックスツー[2])についても記述する。

以下、『クラシックダンジョン 〜扶翼の魔装陣〜』を『1』、『クラシックダンジョンX2』を『2』と表記する。

概要[編集]

レトロなドット絵とBGMが特徴のアクションRPG。BGMはZIZZ STUDIOによるもので、「レトロ」と「リアル」を切り替えることができる。ステータスをある程度任意で設定できる「魔装陣」や、キャラクターの顔を自分で描ける「おえかきエディタ」など、自由度が高いカスタマイズ性を持ち、入るたびに構造が変わるダンジョン「ランジョン」や、アクションRPGという特性上どんなに能力が低くても時間をかければ敵を倒せる[3]など、豊富なやり込み要素を備えている。

2010年4月8日からPlayStation Storeにて『1』の体験版が配信開始された。製品版『1』のセーブデータをこちらでロードすると高難易度のダンジョンや新たなダンジョン「ニュージョン」がプレイ可能となる。

2011年2月24日からPlayStation Storeにて『2』の体験版が配信開始[4]。体験版を利用したドット絵コンテストも開催され、上位入賞者の作品は公式サイトからダウンロード可能。

2012年8月14日からSteamで『2』のMicrosoft Windows版が配信開始。

ゲームシステム[編集]

キャラクターメイキング[編集]

名前・性別・職業の他、キャラクターの顔、酒場で話しかけると返してくれる台詞、クリア後に出現するダンジョンに出現するキャラクターごとのラスボスも決めることができる。

エディット機能[編集]

顔グラフィックは前・右・左・後ろの4つをそれぞれ18×18のドットで描くことができる。髪型のパーツもある程度用意されている。作成すれば自動でアニメーションする。

『2』では表情やアニメーション部分を自作可能な「アドバンスドモード」が追加[5]。武器・防具の見た目や説明文[5]、キャラクター同士の相関図を作ることもできる[5]。BGMもMMLでの自作が可能となり、同社の『DOT DEFENSE』で作成したものをそのまま流用できる。『2』の公式サイトではパソコン上でBGMを作成・再生可能なツールが配信されている。『1』で作成したグラフィックデータを読み込むことも可能。

職業[編集]

レベルが10以上になると転職ができるようになり、レベルは1になるがそれまでに覚えた技・魔法、魔装陣、転職前のある程度の能力を引き継ぐ。

『2』では職業ごとに様々な効果を発揮する「ジョブスキル」が追加されている[6]

『2』ではイラストレーターのモタがイメージイラストを描いている[7]

  • 『1』からの職業
    • 戦士 - 平均的な職業。どの能力も満遍なく成長する。覚える魔装陣も平均的。
    • ドラグナー - 戦闘に特化した職業。ATKが高い。覚える魔装陣はATK重視。
    • ガーディアン - 防御特化の職業。DEFが高く、回復魔法「ヒール」が使える。覚える魔装陣は成長ボーナスがあるものが多い。
    • 魔術師 - 魔法特化の職業。SP、マナが高い。覚える魔装陣はSP重視でHP、DEFが低い。
    • 商人 - どの能力も低め。覚える魔装陣はテクニカルなものが多い。
  • 『2』から登場の職業
    • セイント - 回復魔法を使える。不死型モンスターにとどめを刺せる[7]
    • レンジャー - 草地などの地形で素早く移動可能[7]
    • 忍者 - 移動速度が速い[6]
    • 魔法剣士 - 肉弾戦・魔法戦の両方をこなせる[8]
    • 呪術師 - 攻撃魔法に特化している[8]

魔装陣[編集]

マスの上に「主役」と「脇役」を配置し、主役の能力強化を行えるシステム。職業ごとに様々な魔装陣を習得できる。

主役を中心とし、その周りに脇役を配置していく。脇役は主役の盾となり、敵の攻撃を主役に代わって受ける。脇役マスには何もないマスと、配置すると主役の成長率が上がる「ボーナスマス」が存在する。脇役マスの横には、アイテム「アーティファクト」を配置することで主役のさらなる能力強化を行える「アーティファクトマス」、何も置けず「脇役のHP減少」「受けたダメージを他の脇役に分散」などの効果を持つ「固定マス」が存在する。アーティファクトはキャラクターが持つパラメータ・マナによってどの程度置けるかが決まる。

主役の状態でレベルアップするとHPとマナが、脇役の状態でレベルアップするとATK、DEFが大きく上がる。

装備品[編集]

装備品にはそれぞれ称号が付いており、これによって装備品の能力が変化する。『1』では1つ、『2』では最大4つまで付く[7]

  • 武器
    • つるぎ - 通常攻撃を3連続で出せる。
    • どんき - 叩属性を持ち、ヒビの入ったブロックを破壊できる。また溜め攻撃により、広範囲の敵にまとめてダメージを与えられる。武器を振る速度は遅い。
    • つえ - 遠距離を攻撃できる魔力弾を放てる。魔法の消費SPを半減させられる。
  • 『2』で追加された武器
    • 弓 - 威力が低いが、離れた敵に攻撃できる[7]
    • たんけん - 攻撃のスキが短い[7]
    • ヤリ - 攻撃範囲がやや広いが、敵が近すぎると当たらない[7]
  • 盾 - 盾を構えた際のDEFを上げる。構えたまま攻撃を受け続けるとDEFは減っていく。
  • 鎧 - DEFを上げ、属性耐性を変化させられる。

わざ・魔法[編集]

「わざ」は装備している武器を生かした攻撃技、「魔法」はダメージを与えたり能力を下げたりと様々な効果を持つ。どちらも「SP」を消費する。

『2』では威力は高いが暴発することもある魔法「禁呪」が登場[9]

拠点[編集]

ダンジョンに向かうための拠点には、様々な施設が存在する。

  • 『1』
    • ショップ - アイテムの売り買いが可能。
    • 酒場 - 作成したキャラクターが集まる。
    • 木の洞穴(西) - 転職やステータスの評価が行える。
    • 木の洞穴(南東) - バッドエンディングを見ることができる。

ダンジョン[編集]

  • ダンジョン - ストーリー攻略で進むことになるダンジョン。
  • ランジョン - ストーリーには関係のないダンジョン。全99階層で、降りるたびにフロアの構造が変わり、敵が強くなっていく。また、様々な「ゲート」が存在し、通過すると「モンスターのレベル」「アイテム・レアな称号装備の出やすさ」が変化する。クリアすると魔装陣が手に入る。
  • ニュージョン - 無限に続くダンジョン。ここでしか使えない「必殺技」がある。
  • 『2』
    • ネオジョン - 5種類のゲートを通り地下99階を目指すダンジョン。くぐるゲートによって敵の強さなどが変化する[10]
    • サンジョン - 普通の「ノーマル」、強い敵が出現する「カオス」、レアな装備品が手に入りやすい「ヘブン」の3つのダンジョンを行き来し地下99階を目指すダンジョン[10]

名声[編集]

ダンジョンのタイムアタックでハイスコアを出すと増える数値。これが一定以上の時に拠点にいるキャラクターに話しかけると様々な恩恵を得られる。

通信機能[編集]

最大4人までで共にダンジョンを攻略したり、キャラクターを戦わせることができる。

ストーリー[編集]

登場人物[編集]

『1』
プティング
お宝を求めてマノアカズにやってきた少女。
強欲かつ自己中心的で暴力的な手段もいとわないハタ迷惑な性格。適当なことを言ってココやシャーベットを魔装陣に引き込んだり、デスピナの家の壁を破壊したりしているが全く気にする様子はない。デスピナをして殺しても死なぬと言わしめるほどの凄まじさだが実は不治の病に冒されている。
ソウマ
プティングと共にマノアカズへ迷い込んできた少年。
プティングとは幼馴染であり彼女をプー子と呼ぶが本人は非常に嫌がっている。心配性で暴走しがちなプティングに散々振り回されつつも常に彼女の身を案じている。
ココ
どこからかマノアカズに流れ着いてきた女性口調で話す商人の少年。
途轍もない不幸体質で日常的に何らかのトラブルに見舞われており、元いた街もそれがもとで追い出されているが、本人は気にせずいたって前向きである。
マノアカズでは商店を開き、武具やアーティファクトの売買を行っている。
バトルブロー
最強の盾を求めてマノアカズにやってきた男。
盾こそ最強と信じて疑わずサンデーに度々戦いを挑んでいるが戦績は一向に振るわない。
サンデー
最強の剣を求めてマノアカズにやってきた女剣士。
腕は立つが人と対面すらできないほどの極度の人見知りで、そのことを密かに悩んでいる。
ドドヒゲ
クロスティヌに連れられてマノアカズにやってきた髭面の男。
酒場のマスターをしており豪快な口調で話すが何故か時々しとやかな女性口調が混じる。
その正体はとある国の王女で、王位継承の重圧に耐えられず自ら呪いで姿を変えマノアカズに逃げてきた。
彼の酒場ではキャラメイクが可能。
シャーベット
ドドヒゲを付け回す女性。
ドドヒゲからはストーカーだと思われている。
実際は王女護衛の任務を受けた王国の兵士であり、ドドヒゲとその周辺人物に対して目を光らせている。任務には忠実だが融通の効かない堅物で、誰かに命令を受けないと何も出来ない。
ボブ
ヒップホップのような独特の口調で話すアフロヘアーの男性。
デスピナとは顔見知りであるが、あまりの珍妙ぶりにデスピナからは人間ではなく動物のような扱いを受けている。
ヘアスタイルに強いこだわりがあり彼に話しかけるとキャラの髪色を変えることが出来る。
デスピナ
自称大魔術師の少女で本作の舞台となるマノアカズを作った張本人。
俗世間との関わりを嫌ってマノアカズに来たため、プティングをはじめとする来訪者たちを快くは思っていないが追い出すことはしない。長期間引きこもっていたため対人恐怖症気味である。
クロスティヌ
人語を話す黒猫で自称由緒正しき家柄。
ドドヒゲをマノアカズに導き、他の人物に対してもマノアカズに来るよう仕向けていた節がある。デスピナは彼を疎ましく思っているが、何らかの魔力が働いているらしく追い払えずにいる。
仮面
マノアカズの各所で見かけられる謎の仮面。
元々はデスピナの持ち物であり彼女によって幾度となく捨てられるが、その度に何故か戻ってきている。意思を持っているらしく、浮遊したり言葉を喋ったりする。
『2』
主人公
ゲーム開始直後に作成されるプレイヤーキャラ。
囚人としてマノアカズにやってきたが、当人には犯したとされる罪に関する記憶が全くない。マノアカズから出るためパルシュマンに協力し、ダンジョンを攻略していくこととなる。
見た目や性別などを自由に設定できるためイベント時に一切の台詞はなく、また、複数のキャラを作成していた場合はイベント発生時に主役を務めていたキャラクターが主人公として扱われ、イベント内容が変化することはない。
パルシュマン
流刑地マノアカズの管理人である隻眼の青年。
流行のものと強い者とを好む。主人公の強さを見込んで便宜を図る代わりにデスグラトン退治を持ちかけた。
元々は他の3人もデスグラトンと戦わせるために呼び込んだのだが、一向に戦いに出ない3人に失望している。
ペコラ
ムートンやラムと共に主人公より先にマノアカズに居た少女。
気ままなマノアカズでの生活を満喫しており、囚人であることは全く気にしていない。
おっとりとしていて争いを好まない性格で、ダンジョンへ出ることはもちろん仲間内での喧嘩も極力避けたがっている。そのためか、言動に他者の顔色を伺うような傾向が見られる。
ムートン
メガネを掛けた本好きの少年。
連日多くの本を読み漁っているため知識は豊富だがそれを鼻にかけることがあり、また本の情報を鵜呑みにしがちである。
ラム
中性的な容貌の女剣士。
他者に責められることを喜ぶ特殊な性格の持ち主。責任感が強く、事あるごとに自らの責任を感じて罰を受けたがる。
剣士としての役割を果たすため三人の中では唯一ダンジョンに行くことがあるが、過去のトラウマから武器を持つことが出来ず、毎回丸腰で出かけてはボロボロになって帰ってくる。
ヴィッダー
言葉を喋る黒犬。
ムートン曰く善良なモンスターだが、パルシュマンの片目を奪っているため、彼からは敵視されている。
主人公に対してダンジョン攻略をやめる様警告するがその真意は不明。
デスグラトン
流刑地マノアカズのダンジョン内で生まれた最強最悪のモンスター。
死と絶望を求めて戦い歩くと言われ、数多くの犠牲の上現在は封印されている。パルシュマンはこれを倒すために主人公たちを呼び寄せた。

主題歌[編集]

『1』
オープニングテーマ「キミが宝物」
歌 - 江幡育子
エンディングテーマ「絆はここに」
歌 - A.m.u.
『2』
オープニングテーマ
歌 - いとうかなこ
エンディングテーマ
歌 - A.m.u.

コラボレーション[編集]

サウンドトラック[編集]

  • クラシックダンジョン 〜扶翼の魔装陣〜 オリジナルサウンドトラック(2010年3月25日発売)

脚注[編集]

  1. ^ 『週刊ファミ通 No.1166』13ページ。
  2. ^ あけましておめでとうございます”. クラシックダンジョンX2 オフィシャルブログ (2011年1月5日). 2011年4月11日閲覧。
  3. ^ クラシックダンジョンが目指したものの話”. クラシックダンジョンX2 オフィシャルブログ (2010年2月2日). 2011年4月11日閲覧。
  4. ^ a b 『クラシックダンジョンX2』体験版配信! ドット絵コンテストも”. 電撃オンライン (2011年2月24日). 2011年4月11日閲覧。
  5. ^ a b c 大幅なボリュームアップを遂げた続編が3月に登場! 『クラシックダンジョンX2』”. 電撃オンライン (2010年12月27日). 2011年4月11日閲覧。
  6. ^ a b 新要素満載のランジョンに挑み称号で強くなる連鎖! 『クラシックダンジョンX2』”. 電撃オンライン (2011年3月3日). 2011年4月11日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g 大幅なボリュームアップを遂げた続編が3月に登場! 『クラシックダンジョンX2』”. 電撃オンライン (2010年12月27日). 2011年4月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e f 『軌跡』シリーズなどの人気作に……長谷川明子さんともコラボ!! 『クラダンX2』”. 電撃オンライン (2011年3月17日). 2011年4月11日閲覧。
  9. ^ 新要素満載のランジョンに挑み称号で強くなる連鎖! 『クラシックダンジョンX2』”. 電撃オンライン (2011年3月3日). 2011年4月11日閲覧。
  10. ^ a b 新要素満載のランジョンに挑み称号で強くなる連鎖! 『クラシックダンジョンX2』”. 電撃オンライン (2011年3月3日). 2011年4月11日閲覧。
  11. ^ クラシックダンジョンX2 インフォメーション”. 日本一ソフトウェア. 2011年4月11日閲覧。

外部リンク[編集]