クラウス・シュルツェ
クラウス・シュルツェ(Klaus Schulze, 1947年8月4日- )はドイツ・ベルリン出身の作曲家である。主にシンセサイザーやシーケンサーを使用したミニマルかつ大作的な楽曲で知られる。分類的にはプログレッシブ・ロックの延長線上の電子音楽、クラウト・ロックとも見なされるが、後のテクノ(「テクノポップ」ではなく)やエレクトロニカ、アンビエント・ミュージック、トランス・ムーブメントにも影響を与えた。
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概要・来歴 [編集]
初期にはタンジェリン・ドリーム(1969年~1970年)とアシュ・ラ・テンペル(1970年~1971年)にドラマーとして参加していたが、「イルリヒト(Irrlicht)」でソロ・デビュー。これと二作目の「サイボーグ(Cyborg)」は、オルガン、および電気的な変調を駆使しつつオーケストラのストリングスを単音で延々と鳴らし続けさせるという変則的な曲調で、一曲あたりの時間が非常に長い大作志向であることを除いて後の作品とは一線を画している。三作目「ブラックダンス(Blackdance)」、あるいは「ピクチャー・ミュージック(Picture Music)」以降はシンセサイザーをメインに据えた現在に通じるスタイルに転向、 以後は、30年以上に渡ってソロ活動を続け、多くの作品を発表し、初期のシンセサイザー音楽、電子音楽のパイオニアの一人と見なされている。また、ソロ作品では本名以外に、リヒャルト・ヴァーンフリート(Richard Wahnfried)という変名も用いて、平素とは全く異なる方向性の電子音楽の制作を行っていたこともある。
ソロ・アルバムにおいては、ディレイ(エフェクター)を伴うシンセサイザーのシーケンス・パターンを基本に、ストリングスや宇宙的なイメージの効果音がしばしば多用され、即興的なシンセサイザーのソロ・パートが重なっていくというタイプのミニマル・ミュージック的な楽曲が特徴であり、一つの独自なスタイルを確立している。ただしすべてシンセサイザーのみで構成された作品は意外に少なく、他の奏者による生楽器やドラムなどの人力による演奏との共演が多いことも特徴。 この点ではタンジェリン・ドリームと共通点があるが、タンジェリンの方がよりミニマル色が強く、シュルツェは(ワーグナーからの影響を指摘されるように)古典派の影響を受けた重厚で壮大な「楽曲」としての側面が強い。
2005年には病気で倒れ、一時は生死の境をさまようほどの事態となったが、完治。2007年、音楽活動に復帰した。
他アーティストとのコラボレーション活動としては、ピート・ナムルックと共に制作した「The Dark Side Of The Moog」シリーズやツトム・ヤマシタの「GO」、自身のアルバム(例えば「In Blue」など)等でのマニュエル・ゲッチングやハラルド・グロスコフの共演等が挙げられる。
また、日本の作曲家である喜多郎は1975年にヨーロッパでシュルツと出会い、その元でシンセサイザーについて学んだ。喜多郎が当時に所属していたバンド「ファー・イースト・ファミリー・バンド」のレコーディングのプロデュースをシュルツが行なっていたという関係がある。
ちなみに日本では過去、「クラウス・シュルツ」という表記が一般的であった。
作品 [編集]
スタジオ及びライブアルバム [編集]
- 1972年 Irrlicht
- 1973年 Cyborg
- 1974年 Blackdance
- 1975年 Picture Music
- 1975年 Timewind
- 1976年 Moondawn
- 1977年 Body Love (映画『絶頂人妻 Body Love』のサウンドトラック)
- 1977年 Mirage
- 1977年 Body Love Vol. 2
- 1978年 X
- 1979年 Dune
- 1980年 ...Live... (ライヴ盤)
- 1980年 Dig it
- 1981年 Trancefer
- 1983年 Audentity
- 1983年 Dziekuje Poland Live 1983 (ライヴ盤)
- 1984年 Angst (サウンドトラック)
- 1985年 Inter*Face
- 1986年 Dreams
- 1988年 En=Trance
- 1990年 Miditerranean Pads
- 1990年 The Dresden Performance (ライヴ盤)
- 1991年 Beyond Recall
- 1992年 Royal Festival Hall Vol. 1 (ライヴ盤)
- 1992年 Royal Festival Hall Vol. 2 (ライヴ盤)
- 1993年 The Dome Event (ライヴ盤)
- 1994年 Le Moulin de Daudet (フランス映画『ドーデの水車小屋』のサウンドトラック)
- 1994年 Goes Classic
- 1994年 Totentag (オペラ作品)
- 1994年 Das Wagner Desaster - Live (ライヴ盤)
- 1995年 In Blue
- 1996年 Are You Sequenced?
- 1997年 Dosburg Online
- 2001年 Live @ KlangArt 1 (ライヴ盤)
- 2001年 Live @ KlangArt 2 (ライヴ盤)
- 2005年 Moonlake
- 2007年 Kontinuum
- 2009年 La Vie Electronique 3 (アウトテイク集のシリーズ企画)
ボックスセット [編集]
基本的に全てがライブや別バージョンなどの蔵出し音源。
- 1993 Silver Edition (10枚組)
- 1995 Historic Edition (10枚組)
- 1997 Jubilee Edition (25枚組)
- 2000 The Ultimate Edition (上記3つを含む50枚組 - ただしJublee Editionの19、21枚目の一部を除く)
- 2000 Contemporary Works I (10枚組)
- 2002 Contemporary Works II (5枚組)
Wahnfried [編集]
- 1979 Time Actor
- 1981 Tonwelle
- 1984 Megatone
- 1986 Miditation
- 1994 Trancelation
- 1996 Trance Appeal
- 1997 Drums 'n' Balls (The Gancha Dub)
他アーティストとの共演 [編集]
初期タンジェリン・ドリームやアシュ・ラ・テンペルといった、バンドの一員としての作品は除く。
- 1973年 Lord Krishna von Goloka (with Sergius Golowin)
- 1984年 Aphrica (with Rainer Bloss and Ernst Fuchs)
- 1984年 Drive Inn (with Rainer Bloss)
- 1984年 Transfer Station Blue (with Michael Shrieve and Kevin Shrieve)
- 1987年 Babel (with Andreas Grosser)
- 2000年 Friendship (アシュ・ラ・テンペル)
- 2000年 Gin Rosé at the Royal Festival Hall (アシュ・ラ・テンペル)
- 2008年 Farscape (リサ・ジェラルド)
The Dark Side of The Moog [編集]
ピート・ナムルックとの出会いは不明であるが、10年以上の長期に渡って活動、10作をリリースし一度完結宣言が出されたが、 2008年4月に第11作目が何の前触れも無く突然発表された。
再発とそれに伴う問題 [編集]
2005年より、ドイツのSPVレーベル内、Revisitedよりそれまでのアルバム作品(Wahnfriedやボックスセットのばら売りを含む)をリマスタリング、およびボーナストラックを追加しての再発が開始され、これまでに30作品以上がリリースされた。オリジナルでは収録時間の都合でカットされた部分の復活や、同時期に収録された特別な音源、DVDによる貴重なライブ映像など、内容としては充実したものになる筈であった。しかし、これらはLe Moulin de Daudetなどごく一部を除いてほぼ全てでリマスタリングの段階で、素人でも気付くような通常ではありえないミスを多く犯し、中にはMirageのようにCDの交換に至るほどの致命的な欠陥すら発生していた(それすら完全には修正されていない)。
- 録音レベルに異常なリミッターをかけたことによる歪み、音割れ (ほぼ全て)
- 全編にわたるノイズ (Mirageほか一部作品)
- ブツリ、と一瞬音が途切れる (Mirage)
- 無理矢理なクロスフェイド編集 (Dreams)
- ボーナストラックを収録する為に曲順を入れ替える (Audentity)
2005年の第一回再発に比べれば、現在はある程度改善されてきたものの、いまだリマスタリング技術は満足できるレベルには達していない。
2007年11月から、ディスクユニオン系列のレーベル、アルカンジェロより、そのうち12作品を紙ジャケットを用いて当時のパッケージを再現したものを発売する予定であるが、CD自体はこれら再発盤のものをそのまま流用するということである。