キョウチクトウ
| キョウチクトウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Nerium oleander L. var. indicum (Mill.) O.Deg. et Greenwell[1] |
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| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| キョウチクトウ(夾竹桃) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| oleander |
キョウチクトウ(夾竹桃、学名: Nerium oleander var. indicum)とは、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木である。
和名は、葉がタケに似ていること、花がモモに似ていることから。
目次 |
分布・生育地[編集]
インド原産。日本へは、中国を経て江戸時代中期に伝来したという。
特徴[編集]
葉は長楕円形で、両端がとがった形。やや薄くて固い。葉の裏面には細かいくぼみがあり、気孔はその内側に開く。
花は、およそ6月より残暑の頃である9月まで開花する。花弁は基部が筒状、その先端で平らに開いて五弁に分かれ、それぞれがややプロペラ状に曲がる。ピンク、黄色、白など多数の園芸品種があり、八重咲き種もある。
日本では適切な花粉媒介者がいなかったり、挿し木で繁殖したクローンばかりということもあって、受粉に成功して果実が実ることはあまりないが、ごくまれに果実が実る。果実は細長いツノ状で、熟すると縦に割れ、中からは長い褐色の綿毛を持った種子が出てくる。
有毒な防御物質を持つため、食害する昆虫は少ないが、日本では鮮やかな黄色のキョウチクトウアブラムシが、新しく伸びた枝に寄生し、また、新芽やつぼみをシロマダラノメイガの幼虫が、糸で綴って内部を食べる。九州の一部や南西諸島では、キョウチクトウスズメ(スズメガ科)の幼虫が、葉を食べて育つ。
毒性[編集]
キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが、経口毒性があり、野外活動の際に調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう注意が必要である。花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性がある。生木を燃した煙も毒[2]。腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意を要する。
中毒症状としては、摂取した1時間後辺りに、疝痛、下痢、頻脈、運動失調、食欲不振などがある。
中毒事例[編集]
- 枝を箸代わりに利用し、中毒した例がある[2]。
- フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある[2][3]。
- 1980年に、千葉県の農場で牛に与える飼料の中にキョウチクトウの葉が混入する事故があり、この飼料を食べた乳牛20頭が中毒をおこし、そのうちの9頭が死亡した。混入した量は、牛1頭あたり、乾いたキョウチクトウの葉約0.5g程度だったという[4]。家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる。致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛、経口)という報告がある[5][6]。
- 福岡市では、2009年12月、「毒性が強い」として市立学校に栽植されているキョウチクトウを伐採する方針を打ち出した[7]が、間もなく撤回している[8]。
アレルギー[編集]
利用[編集]
乾燥や大気汚染に強いため、街路樹などに利用される。神奈川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯死したりする中で、キョウチクトウだけはよく耐えて生育したため、現在に至るまで、同市の緑化樹として広く植栽されている。高速道路沿いにもよく見られる。
さらに、広島市はかつて原爆で75年間草木も生えないといわれたが、被爆焼土にいち早く咲いた花として原爆からの復興のシンボルとなり広島市の花に指定された。
薬用[編集]
キョウチクトウには、オレアンドリンなど様々な強心配糖体が含まれており、強心作用がある。ほかに利尿作用もある。しかし、同種は非常に毒性が強いため、素人は処方すべきでない。
オレアンドリン(oleandrin、C32H48O9)は、キョウチクトウに含まれる強心配糖体で、分子量576.73、融点250℃、CAS登録番号は465-16-7である。ジギタリスに類似の作用を持つ。 ヒトの場合、オレアンドリンの致死量は0.30mg/kgで、青酸カリをも上回る[10][11]。
文化[編集]
市町村の花・木[編集]
このほか、佐世保市でも市の花に指定されていたが、毒性を理由として指定を取り消されている[8]。
近似種[編集]
日本には同属は分布していない。琉球諸島には別属のミフクラギ(別名オキナワキョウチクトウ、Cerbera manghas)が分布する。花は白くて、ややキョウチクトウに似ているが、多肉質の葉や大きな実をつけるので、印象はかなり異なる。
キョウチクトウ属[編集]
キョウチクトウ属(キョウチクトウぞく、学名: Nerium)は、キョウチクトウ科の属の一つ。
- セイヨウキョウチクトウ Nerium oleander
- キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
- ヤエキョウチクトウ Nerium oleander var. indicum 'Plenum'
- キョウチクトウ Nerium oleander var. indicum
脚注[編集]
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年3月28日閲覧。
- ^ a b c 嶋一徹. “野外活動(野外調査)における安全について (ppt)”. 岡山大学農学部生態系保全学講座土壌生態管理学. pp. 12. 2009年12月12日閲覧。
- ^ 身の回りに潜む植物毒の恐怖!Research Request No.0230 2002/4/21 日本テレビ、特命リサーチ [リンク切れ]
- ^ 柳田岩男 『死に至るモノ百科 : 動植物、細菌から殺虫剤まで… あなたの身近に潜む恐怖』 雄鶏社〈On select〉、1994年。ISBN 4-277-88075-4。
- ^ Namera A.、et al.「Rapid quantitative analysis of oleandrin in human blood by high-performance liquid chromatography」、『日本法医学雑誌』第51巻第4号、日本法医学会、1997年、 315-318頁、 ISSN 0047-0087、 PMID 9366138。
- ^ 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム (2004年5月10日). “キョウチクトウ”. 写真で見る家畜の有毒植物と中毒. 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所. 2009年12月11日閲覧。
- ^ 鈴木美穂; 門田陽介 (2009年12月11日). “キョウチクトウ:「毒性強い」と学校の木すべて伐採 福岡”. 毎日jp. 毎日新聞. 2009年12月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “学校のキョウチクトウ伐採 福岡市教委、一転見送り 「安易に切らないで」指摘受け”. 西日本新聞 (2009年12月17日). 2009年12月17日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 花粉症保健指導マニュアル-2007年3月改訂版- - [1] (PDF)
- ^ “毒草:キョウチクトウ”. 深山毒草園:毒草一覧. 2012年3月28日閲覧。
- ^ 古泉秀夫 (2007年12月10日). “夾竹桃(Oleandere)の毒性”. 医薬品情報21. 2012年3月28日閲覧。
参考文献[編集]
- 茂木透写真 『樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』 高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2001年、306頁。ISBN 4-635-07005-0。
- 林将之 『葉で見わける樹木 増補改訂版』 小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、2010年、158頁。ISBN 978-4-09-208023-2。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- “Nerium oleander L.”. ITIS. 2012年3月28日閲覧。 (英語)
- Nerium oleander - National Center for Biotechnology Information (NCBI) (英語)
- Nerium oleander - Encyclopedia of Life (英語)
- 波田善夫. “キョウチクトウ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学総合情報学部. 2012年3月28日閲覧。
- 佐藤治雄. “キョウチクトウ”. 大阪百樹. 2012年3月28日閲覧。