キョウジ・カッシュ

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キョウジ・カッシュは、テレビアニメ機動武闘伝Gガンダム』中に登場する、コロニー国家ネオジャパン出身・所属の架空科学者

本編の主人公ドモン・カッシュの実兄であり、彼がデビルガンダムと共に失踪したことが物語の発端となるなど、作品の根幹に深く関わる人物。堀秀行

本稿では、その分身的存在であるシュバルツ・ブルーダーについても併せて述べる。

人物[編集]

身長:194cm 体重:81kg

初登場は第6話「闘えドモン! 地球がリングだ」。地球再生のためにアルティメットガンダムの開発に父親のカッシュ博士と共に関わっていた技術者で、父親の補佐をしていた。ドモンがそんな父と兄に反発したことが彼が格闘技の道へ走る要因の一つでもあった。また、コミックボンボンで連載された漫画ではドモンは格闘技を始めた理由に「何をやっても敵わなかった世界一の兄を超えてみたかった」と語っている[1]。キョウジ自身は本来優しい性格であり、幼いドモンに人を信じる心を説いたり、幼馴染みであるレイン・ミカムラも温かみのある人物と認識していた。

しかし、第42話の回想シーンで、ウルベ・イシカワミカムラ博士の陰謀でアルティメットガンダムが軍事兵器として狙われる。 キョウジはカッシュ博士の命令により、アルティメットガンダムを守るため、コクピットに乗り込む。この時自分を拘束していた軍人2人を素早く倒している。また乗り込もうとする彼を母親であるミキノ・カッシュが庇い、ウルベに射殺される。アルティメットガンダムは地球に降下したものの、落着の衝撃で異常をきたして暴走しデビルガンダムとなり、キョウジを取り込み生体コアにしてしまう。これが「デビルガンダム事件」の真実である。ドモンが第6話でネオジャパン政府に見せられた幻覚による「デビルガンダム事件」はウルベ・イシカワの狂言であった。この幻覚では、キョウジは己の欲望のために不敵な笑みでデビルガンダムに乗って地球へ逃亡する様子が描かれ、偽のキョウジ像が作り上げられた。そのためドモンは長い間キョウジへの強い敵意を持っていた。

その後ガンダムシュピーゲルと交戦した際、すでに意識も失いかけていた彼は最後の力を振り絞り、死亡したシュピーゲルのパイロットの肉体を素体としてDG細胞を用いたアンドロイドを生み出す。そして自らの記憶と意識を託して、自らの分身(アンドロイドのシュバルツ・ブルーダー)とし、デビルガンダムを倒すための策とする。

新宿でドモンと対峙した際には、もはや彼はキョウジとしての意識を失った完全な生体部品となっており、肉体が傷つくたびにDG細胞によって修復が繰り返されるのみの存在であった。人格も殆どなく、ドモンを見るなり不敵に笑ったり、狂気を帯びた高笑いをするようになる。

ギアナ高地にて再度出現し、ドモンを再び攻撃するが、明鏡止水を会得し真のスーパーモードになったシャイニングガンダムの攻撃によりデビルガンダムは完全に破壊され、キョウジは生死不明となる。

その後デビルガンダムは回収され、ランタオ島での決戦では彼の肉体はすでに限界を超えてボロボロになっていたため、マスター・アジアはドモンを新たな生体ユニットにしようとするが、ドモンがキョウジとシュバルツの命と引き換えにデビルガンダムを破壊し、マスター・アジアの陰謀を挫く。最期の瞬間、彼の意識は戻ったかのような描写がされており、ドモンに感謝の言葉を告げ、最終奥義・石破天驚拳の閃光の中に消えていった。

その後は東方不敗共々、最終回でドモンを叱咤する幻影として現れ、弟を導いた。

スーパーファミコン用『機動武闘伝Gガンダム』ではストーリーモードのボスキャラクターとして登場。普通に会話しているが、真意などは不明のまま終わっている。

一部ゲーム作品では、正気のキョウジがガンダムシュピーゲルに乗っていることがある(戦闘台詞などはシュバルツの流用)。

シュバルツ・ブルーダー[編集]

  • 国籍:ネオドイツ
  • 生年月日:F.C31年5月20日
  • 年齢:28歳
  • 身長:194cm
  • 体重:81kg
  • 血液型:O型
  • 星座:おうし座

※第13回ガンダムファイト委員会に提出された登録データより

初登場は第16話「最強最悪! デビルガンダム現わる」。ネオドイツのガンダムファイターで、GF13-021NG ガンダムシュピーゲルに搭乗。ゲルマン忍術の達人で、第13回大会屈指の強豪である。トレンチコートに身を包み、2本の角が付いたドイツカラーの覆面を被っている。ドモン・カッシュの前にたびたび現れては彼を時に導き時に諭す、いわば第2の師匠のような存在であり、ドモンだけでなくレイン・ミカムラや他のファイター達をも導く度量を備えている。ギアナ高地でドモンに「明鏡止水」の境地を体得させた。

また、東方不敗マスター・アジアデビルガンダムに対する知識も豊富であるほか、戦略家としても優秀で、ギアナ高地から新シャッフル同盟が脱出する際の手引きを行ったのも彼である。

ファイティングスーツは先述の覆面と同じ、ドイツの国旗と同じ配色の物を使用[2]

その正体はデビルガンダムに生体ユニットとして取り込まれたドモンの兄キョウジ・カッシュが作り出した、DG細胞製のアンドロイド。ただし、人間の死体をベースにしているので正確にはサイボーグである。キョウジと同一の容姿をしており、声も同じく堀秀行が担当している。

素体となったのはガンダムファイト初期にデビルガンダムと遭遇し、交戦の末に死亡した本物のシュバルツ・ブルーダーで、既にデビルガンダムの生体部品になりかけていたキョウジは、デビルガンダムを止める最後の手段として、DG細胞を構成するナノマシンに自分の意識と記憶をインプットし、死亡したシュバルツの肉体と技量を継承したもう一人の自分を作り出した。またオリジナルのキョウジのことは名前で呼ぶことから別の存在と認識している。

元々のシュバルツのゲルマン忍術を駆使して、壁抜けや他人の陰に潜んだりできるほか、武道家しての技量も高く、マスターに「出来る」と言わしめるほど。頭部のアンテナは投げつけ手裏剣のように使用できる。

ドモンと同様、ガンダムシュピーゲルを呼ぶ際は「ガンダーム!」の言葉と共に、フィンガースナップをして呼ぶ。

なお、シュバルツ・ブルーダーは独語で「黒い兄弟」という意味である。

劇中での活躍[編集]

シュバルツは自らの正体を隠して弟のドモンを導き、彼やその仲間をデビルガンダムを倒すべく鍛えつつ、デビルガンダムの動向を監視していた。正体を隠していたのは、再会した時点のドモンは逆上していたため、正体を明かしても信用しないだろうと思ったことと、父の命がウルベに握られているため、迂闊なことはできないと考えたためであった。それを聞かされたドモンは「間違いなく俺の兄さん」と認めている。

新宿地下でデビルガンダムの配下であるゾンビ兵に襲われるレイン・ミカムラ一行を救い、ドモンにデビルガンダムに止めを刺すように言うが、ドモンはキョウジへの感情から僅かに頭部を外し失敗。エネルギーを吸収したデビルガンダムは逃亡してしまう。その後、マスターを追うドモンに引き上げるように命令するが、逆上したドモンにガンダムファイトを挑まれる。シュバルツは自在にシャイニングガンダムのスーパーモードを発動できないドモンに圧倒的な実力を見せ、一本の刀を渡してその場を去る。

ドモンがギアナ高地で修行している間も彼を監視し、デビルガンダムの恐怖に脅えるチボデー・クロケットをドモンに差し向けるきっかけも与えたり、ジョルジュ・ド・サンドを立ち直らせるために助言するなどしていた。その後1人洞窟で修行するドモンにガンダムファイトを挑み、「明鏡止水」の境地を説くが、後一歩で修行が完成するところにマスター・アジアが現れ、失敗。ドモンも負傷し、シャッフル同盟達はデビルガンダムの配下に包囲されることになる。4機のガンダムが時間を稼ぐ中、シュバルツは滝に突撃して水の流れによりデスアーミーを押し流して、崩れた一角からチボデー達の脱出に成功させる。シャッフル同盟脱出後、デビルガンダムが再び出現。激昂するドモンを退避させるが、ドモンはデビルガンダムを倒すことを優先。シュバルツは一度去るが、マスターガンダムの攻撃から身を挺してドモンを救う。マスターの拳がガンダムシュピーゲルのコクピットに命中し、シュバルツは負傷。傷ついたシュバルツを見たドモンは遂に明鏡止水を会得する。真のスーパーモードを発動させたシャイニングガンダムはマスターガンダムを圧倒し、デビルガンダムを破壊する。その光景を見て、絶叫するマスター・アジアの諦めの悪さを指摘。その際、覆面が破れてキョウジと同じ頭髪が覗いていたためマスター・アジアはこれを見て狼狽していた。

その後肉体とシュピーゲルをDG細胞により蘇生させて、ネオホンコンにいつの間にか到着しドモン達の前に再び現れる。ネオホンコンではデビルガンダムの動向を探りつつ、ドモンに幾度も助言を送っていた。リーグ戦ではシャッフル同盟を含め全勝で勝ち進んでいたが、最終試合となるドモンのゴッドガンダムとの試合は、ウォンの企みにより完全決着の電流爆破デスマッチとなる。この試合でシュバルツのパートナーとなっていたレインは闘いの中でドモンへの想いに気づき、ドモンもまたレインへの想いに気づく。シュバルツは2人の想いを受け止めるかのように、石破天驚拳により敗れる。病院に搬送される際、救護班によりマスクを剥がされ明らかとなったシュバルツの素顔はキョウジと同じであり、ドモンにランタオ島に気をつけるよう警告し、意識を失う。

病院に搬送されたシュバルツは、ネオドイツ宇宙軍により面会謝絶にされる。そこにレインの父であるミカムラ博士が現れ、シュバルツがDG細胞で作られたアンドロイドであることが判明する。ミカムラ博士はシュバルツをデビルガンダム事件の真相を知る者の一人として始末にかかるが、看護師に変装し潜入していたレインにより止められる。シュバルツはレインにデビルガンダム事件の真相を話し、電気ショックによる荒療治を施すよう頼む。治療を終えたシュバルツは、ドモンを助けるためにランタオ島に向かう。

ドモンと合流したシュバルツは自分の正体をドモンに明かし、重傷を負いつつもデビルガンダムのコクピットに侵入し、キョウジと共に自らを消滅させるようドモンを叱咤。最期の瞬間、意識を取り戻したかのようなキョウジと共にドモンに感謝の言葉を告げ、石破天驚拳の閃光の中に消えていった。その後はマスター・アジアやキョウジ共々、ドモンを叱咤する幻影として現れた。

ガンダムファイト歴[編集]

その他の媒体での活躍[編集]

  • コミックボンボンに連載された漫画版ではRound5「シャッフル同盟 VS.マスターガンダム連合」より登場。ギアナ高地での戦いの際、マスターガンダムに自爆を試みたり、レインに「ドモンの心の支え」になるように発言する場面が追加。その反面、グランドマスターガンダム戦でドモンを励ます霊たちにシュバルツは登場しなかった(アニメ本編には登場している)。
  • CDドラマ「世界高達骨牌拳」では劇中劇にのみ登場。歌舞伎調の登場をしたり、自分の行動を説明したり、マスター・アジアの言動に呆れて倒れたりとコミカルな役回りが多い。また作中のドモン達からは正体をマスター・アジアの息子、愛人、ドモンのお袋、キョウジの双子の兄と予想された。

テーマソング[編集]

ゲルマンブルース
作詞 - 安藤芳彦、作曲・編曲 - 保刈久明、歌 - 堀秀行

補足[編集]

本物のシュバルツ・ブルーダーに関してはネオドイツのガンダムファイト委員会ですら素性を把握しておらず、クルーも同行していなかった。第7回大会で優勝したウォルフ・ハインリッヒがその正体であったとの説もある。ハインリッヒもゲルマン忍法の使い手であり、「未熟」を口癖としていた。また作中僅かに見られた素顔は老人のようであった。

シュバルツを演じた堀秀行は、シュバルツの覆面でくぐもった声の雰囲気を出すために、マイクの前に紙を一枚置いて演じた。

脚注[編集]

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  1. ^ ときた洸一「Round8 美少女ファイター・アレンビー」『機動武闘伝Gガンダム 2』講談社、1995年2月6日、ISBN 4-06-321732-9、116頁。
  2. ^ ただし、色の順番は覆面の物と異なる。

関連項目[編集]