キャプテン・マーベル (DCコミック)

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キャプテン・マーベル (DCコミック)
出版の情報
出版者 フォーセントコミック
DCコミック
初登場 『ウィズ・コミックス』第2号(1940年2月)
クリエイター チャールズ・クラレンス・ベック
ビル・パーカー
作中の情報
本名 ウィリアム・ジョセフ・"ビリー"・バットソン
種族 人間
出身地 フォーセット・シティ
所属チーム マーベル・ファミリー
ジャスティス・リーグ
ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ
スクアドロン・オブ・ジャスティス
パートナー マリー・マーベル
著名な別名 キャプテン・サンダー
能力
  • ソロモンの叡智
  • ハーキュリーズの剛力
  • ゼウスの全能
  • アキレスの勇気
  • マーキュリーの神速

キャプテン・マーベル(Captain Marvel)は、DCコミックから発行されるアメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーローであり、初期においてはコミックのタイトルでもあった[1]

スーパーマンと並ぶ、地上最強の男[2]。和訳表記については「キャプテン・マール」などの表記ゆれもある[3]

本項では、マーベル・ファミリーのメンバーであるマリー・マーベル[4][5](Mary Marvel)とキャプテン・マーベル・ジュニア(Captain Marvel Jr.)についても説明する。なお、『マーベル・ファミリー』(The Marvel Family)[6]もコミックのタイトルである[7]

設定[編集]

初登場は1940年2月発行の『ウィズ・コミックス』第2号[8]。出版社はフォーセットコミック。1939年に、C. C.ベック(C. C. Beck)とビル・パーカー(Bill Parker)によって創造された。

思春期の幻想を生かす、という前提に基づき、ビリー·バットソン(ウィリアム・ジョセフ・"ビリー"・バットソン)[9]少年のオルター・エゴ(別人格)として、キャプテン・マーベルは設定された。フォーセット・シティに住むビリーの職業は、ウィズ・ラジオのアナウンサー[10]である。時空を超えた永遠の岩(ロック・オブ・エターニティ[11])に住む魔術師シャザムにより、善の戦士に選ばれた若者ビリーは、「シャザム」という呪文を唱えると魔法の稲妻に打たれ、6人分のスーパーパワーを持った大人のスーパーヒーローに変身する。

マリー・マーベルとキャプテン・マーベル・ジュニアのように、幾人かの友人や家族もビリーの能力を共有しており、マーベル・ファミリーという仲間を有している。マリーも変身の際には同じキーワードを使用するが、ジュニアの場合は「キャプテン・マーベル!」である。

なお、『キャプテン・マーベル』、『マーベル・ファミリー』とも、「スーパーマンに似ている」とDCコミックから訴えられ、1950年代には売り上げが落ち、廃刊となった。DCが版権を買い取ったのは1970年代であり、この時『Shazam!』に改題された[12]

S.H.A.Z.A.M(6つの能力)[編集]

キャプテン・マーベルの能力は、彼ら6人の神々に由来する(頭文字を並べると「SHAZAM(シャザム)」となる)。なお、叡智、剛力といった形容は『DCキャラクター大事典』(70頁)による。

Solomonソロモン)の叡智
科学や、既知の言語の大半などを膨大に収録している学術知識へ、即時にアクセスする。
卓越した映像記憶能力と、鋭敏な知力を発揮できる。象形文字を読んで解読し、学んだことを全て思い出し、長い数学の方程式を解くことができる。
(この世での)神による現象をよく理解する。
必要な時には、助言と忠告をもたらす。
初期の物語では、催眠能力もあった。
Herculesハーキュリーズ)の剛力
著しく強大なパワーを有する。容易に鋼鉄を曲げ、パンチで壁を貫き通し、巨大な物体(南アメリカ大陸の大きさのものまで)を持ち上げることができる。
Atlasアトラース)の体力
スタミナの根源。ほとんどの種類の極端な物理的攻撃に耐えて生き残り、攻撃の痛手を治すことができる。さらに、食事や睡眠、呼吸などの必要がなくなり、宇宙空間で独力で生き残ることができる。
いくつかの物語では、危機の前に、この能力により彼が不死身だと暗示された。
Zeusゼウス)の全能
変身時に、魔法の稲妻に火をつける。
稲妻から身をかわして、それを相手やターゲットにぶつける(稲妻を武器として使用する)。
肉体および精神的能力を高め、あらゆる魔法の呪文や攻撃に抵抗できるようにする。
魔法の稲妻には、このほかにいくつかの用途があり、例えば、ビリーに毒が盛られた場合には、キャプテン・マーベルに変身すると、ビリーは生き残ることができる。
いくつかの物語では、危機前に、この能力により彼が不死身だと主張された。
魔法の稲妻は、マーベル・ファミリーにぶつけると彼らの変身を解くことができる。そして、永遠の岩で次元間の旅を支援する。
Achillesアキレス)の勇気
勇敢さの源。大抵の精神的な攻撃に対して、不屈の精神を発揮する。
ある物語では、彼に戦いの技能を与えていると主張されている。Trials of Shazam!というミニシリーズでは、この点はアキレスのほぼ不死身なことに変更された。
Mercuryマーキュリー)の神速
超人的なスピードで動き、飛ぶことができる(古い漫画では、長い距離を跳ぶことができるだけだった)。
光の速度よりも速く飛び、永遠の岩まで飛行する能力を与える。

パワーを得るまで[編集]

ビリーの両親は考古学者であった。二人は、ビリーとマリーという幼い双子を連れ、エジプトラムセス2世の墓を調査していたが、助手のテオ・アダム(ブラックアダム)により殺害される。妹と離れ離れになり、ビリーは父の弟であるエベネザーに引き取られたが、彼の目当ては遺産であり、ビリーは追い出されてしまう。ビリーはフォーセット・シティで新聞売りとして生計を立てるようになったが、ホームレス同然で、地下鉄の駅で夜を過ごすことも珍しくなかった。

ある夜、地下鉄のトンネルから謎の男が呼びかけてきた。ビリーが誘いに乗ると、そこにはルーン文字ヒエログリフ(神聖文字)が刻まれた、壮麗な列車があった。列車は二人を乗せて地下を走った。到着したのは洞窟の入り口で、そこには7つの大罪(「驕り」、「妬み」、「執着」、「怒り」、「利己」、「怠惰」、「不正義」[13])を模った石碑が並んでいた。

洞窟の中には、数千年に渡る人類の守護者・魔術師シャザムが待っていた。シャザムはビリーを後継者と認め、魔力の全てを与えることにした。

こうしてビリーは、6人の神々の力を発揮するキャプテン・マーベルへの変身を身につけたのだった。そして、後に「謎の男はの父親の幽霊だった」、と判明し、ビリーは妹を探す決意を新たにした。ラジオのアナウンサーとなるのは、この後である。

マーベル・ファミリー[編集]

妹のマリーはマリー・マーベルに、友人のフレディはキャプテン・マーベル・ジュニアに変身する。ジュニアのパワーは、彼独自のものではなくキャプテンとマリーから分け与えれたもののため、彼らがジュニアと同時に変身していると、それぞれのパワーは半減してしまう。

マリー・マーベル
本名はマリー・バットソン[14](マリー・ウィロー・バットソン)。キャプテンと同じく、変身後は成人の姿となる。
9歳の時、両親とビリーと共にエジプトを訪れていた彼女は、両親の死にショックを受け、記憶を失う。彼女は、テオ・アダム(ブラック・アダム)の姉妹[15]であるサラ・ブリムの仲介により、プロムフィールド家に引き取られた。プロムフィールド家はフォーセットシティの資産家であり、サラはそこのメイドだった。
数年後、彼女は記憶を失ったままだったが、ビリーと再会する。彼はすぐに自分の妹だと理解し、彼らの思い出の品であるぬいぐるみを渡した。
アイバックという悪人がフィールド家の一同を誘拐しようとした際、隠れていた彼女の魂は別の次元に運ばれ、死んだ母親の魂と、そして魔術師シャザムに出会う。彼女は記憶を取り戻し、キャプテン・マーベルの正体がビリーだと悟る。家族を守るために兄と同じパワーが欲しい、とシャザムに願うと、彼はそれを認め、キャプテンと同じパワーを与えた。
キャプテン・マーベル・ジュニア
本名はフレデリック・フレディ・フリーマン[16]。キャプテンやマリーとは違い、変身後も少年の姿である。
ニューヨークに住むフレディ少年は、学業優秀でスポーツも得意だったが、事故で両親を失い、フォーセット・シティに住む祖父母に引き取られる。ビリーの親友となった彼は、ビリーと間違えられ、キャプテン・マーベルの宿敵・サバックに誘拐されたこともあった。
マーベルに憧れる彼は、後にその正体を知る。数年後、マーベルの敵であるキャプテン・ナチを偶然救った彼は、しかしナチにより祖父を殺され、彼自身も背骨を折られてしまう。マーベルとマリーは、シャザムにフレディを救うよう懇願する。シャザムは断ったが、マリーは謎かけだと読み、二人のパワーをフレディに与える。こうしてキャプテン・マーベル・ジュニアは誕生した。
マリーに恋をしたものの、ビリーの過干渉から彼らは不仲に陥る。ナチを倒した後、ジュニアはCM3と改名し、ファミリーからの独立を宣言。ニューヨークへ移った彼は、ティーン・タイタンズやアウトサイダーズに参加した。
インフィニット・クライシスでシャザムが殺害されると、フレディの能力は失われた。キャプテン・マーベルがシャザムの後継者となり、彼の試練を受けたフレディは、己の存在価値を6人の神々に示し、スーパーパワーを取り戻した。

アニメ[編集]

以下の作品に、ゲストあるいはセミレギュラーとして登場する。

バットマン:ブレイブ&ボールド
孤児院で育つ少年、ビリー・バットソンが変身する。第36話「シャザムの力」では、ブラックアダムとの戦いの後、バットマンの調査で生き別れの妹(アニメ版ではメアリー)と再会した。
第39話「侵略の日」(前編)では、「フェイスレスハンターとスターロの魔手を逃れた、数少ないヒーロー」の一人として登場した(他には、バットマン、ブースターゴールド、 ブワナビースト、ファイアストームの4人のみ)。後編にも登場する。
第52話「友情の絆」では、妹の養父母に引き取られており、妹にメアリー・マーベルへの変身能力を与えている。同時に、新聞の売り子である松葉杖の少年にも、キャプテン・マーベル・ジュニアへの変身能力を与えていた。なお、原作と違い、メアリーは変身しても加齢した外見とはならない。
ヤング・ジャスティス
ジャスティス・リーグの一員として第2話より登場しているが、当初はモブキャラ(背景)に近い扱いであった。
本格的な登場は第13話「リーダーの素質」からであり、実態がビリーであることはヤングチームには伏せてあった。視聴者に明かされたのは、同話の終了間際である。おじさんと同居しており、後にビリーの年齢は10歳と明言された(第25話「スパイの正体」)。
同話では、ヤング・ジャスティスの監視役を務めた(本来の監視役であるレッド・トルネードが「敵の手で作られた」、と判明したための一時的な措置)。以後もヤングチームに居つく。後に世界が2つに分断された(18歳以上と18歳未満で区分)際、ヤングチームに正体を明かしている。

出典[編集]

  1. ^ 小野耕世 『アメリカン・コミックス大全』 晶文社2005年、133頁。
  2. ^ スコット・ビーティほか 『DCキャラクター大事典』 赤塚京子ほか訳、小学館集英社プロダクション2011年、70頁。
  3. ^ 『アメリカン・コミックス大全』 15頁。
  4. ^ 『DCキャラクター大事典』 227頁。
  5. ^ 『アメリカン・コミックス大全』 132頁では『リー・マール』と訳してある。
  6. ^ 『アメリカン・コミックス大全』 131頁にある表紙の写真より。
  7. ^ 『アメリカン・コミックス大全』 130-133頁。ただし、こちらでは『マール・ファミリー』と訳してある。
  8. ^ 『DCキャラクター大事典』 70頁。
  9. ^ 『DCキャラクター大事典』 70頁。
  10. ^ 『DCキャラクター大事典』 70頁。
  11. ^ 『DCキャラクター大事典』 70頁。
  12. ^ 『アメリカン・コミックス大全』 133頁。
  13. ^ 『DCキャラクター大事典』 70頁。
  14. ^ 『DCキャラクター大事典』 227頁。
  15. ^ 『DCキャラクター大事典』 227頁より、原文ママ。
  16. ^ 『DCキャラクター大事典』 69頁。

外部リンク[編集]