キツネアマダイ科

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キツネアマダイ科
Akaamadai0905.jpg
アカアマダイ Branchiostegus japonicus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: キツネアマダイ科 Malacanthidae
英名
Tilefishes
下位分類
本文参照

キツネアマダイ科学名Malacanthidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。キツネアマダイアカアマダイなど、やや深みで暮らす底生魚を中心に2亜科5属40種が記載される[1]。科名はギリシア語で「mala(多くの)」と「akantha(トゲ)」を意味し、本科魚類の仔魚が頭部とに多数のトゲをもつことに由来している[2]

分布・生態[編集]

キツネアマダイ科の魚類はすべて海水魚で、太平洋インド洋大西洋など世界中の温暖な海に幅広く分布する[1]海底と密接に関連した生活を送る底生魚のグループで、底生性無脊椎動物動物プランクトンを主に捕食する[3]。分布水深は10m程度の浅場から、600mに至る深海まで幅広い[2]。キツネアマダイ亜科は水深50mまでのサンゴ礁岩礁付近の砂礫底に生息する一方、アマダイ亜科は50m以深の砂泥底に分布する種類が多い[1]

本科魚類はすべて海底に穴を掘り、隠れ住む習性がある[2]。トンネルの構造は非常に複雑で、キツネアマダイ亜科の一部の種類はサンゴの破片や貝殻を入り口に積み上げ、塚状の構造物を形成する[4]。この構造物は他の魚類や無脊椎動物にも生息場所として利用され、砂泥底における多様性の拡大に貢献していると考えられている[4]

形態[編集]

キツネアマダイ科の仲間は左右に平たく側扁した、いわゆる型の体型をもつ。数十cm程度の種類が多いが、Lopholatilus 属の2種のように全長1mを超えるものも知られている[2]

背鰭は1つで基底は比較的長く、鰭条の総数は22-84本[1]。臀鰭も長い基底をもち、1-2本の弱い棘条と11-55本の軟条で構成される[1]。腹鰭は1棘5軟条で、尾鰭の形状は截形あるいは二又形までさまざま[1]

鰓蓋骨に1本のトゲをもち、キツネアマダイ亜科およびナミダアマダイ属では鋭く強靭となる[1]。鰓条骨は6本で、椎骨は24-25または27個[2]

分類[編集]

キツネアマダイ科にはNelson(2006)の体系において2亜科5属40種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される5属44種についてリストする[2]

キツネアマダイ亜科およびアマダイ亜科の形態学的差異を重視し、後者を独立のアマダイ科 Branchiostegidae として扱うこともしばしばある[3][5]。本科とカサゴ目セミホウボウ科との類縁関係が一部の研究者によって指摘されているが[6]、その後の形態学的・分子生物学的解析はいずれも否定的な見解を示している[7]

キツネアマダイ亜科[編集]

キツネアマダイ Malacanthus latovittatus (キツネアマダイ属)。やや突き出たと黒色の縦縞が特徴
ヤセアマダイ Malacanthus brevirostris (キツネアマダイ属)。縄張りを争う姿
サンゴアマダイ属の1種(Hoplolatilus starcki)。住処とするトンネルの近くを、ペアで遊泳していることが多い[2]

キツネアマダイ亜科 Malacanthinae は2属12種を含む。体は比較的細長く、頭部は横方向に丸みを帯びる[1]。背鰭はキツネアマダイ属では1-4棘43-60軟条で、サンゴアマダイ属では3-10棘13-34軟条で構成される[1]。臀鰭の軟条は12-55本[1]

アマダイ亜科[編集]

ナミダアマダイ Caulolatilus intermedius (ナミダアマダイ属)。大西洋西部に分布し、主な生息範囲は水深45-290m[2]
Lopholatilus 属の1種(L. chameleonticeps)。釣魚・食用魚として利用され、全長125cmに達する本科魚類中の最大種[2]。19世紀末に数百万匹に及ぶ大量死が記録されており、潮流の変化が原因であったと推測されている[8]

アマダイ亜科 Latilinae (Branchiosteginae)には3属28種が記載される。やや切り立った頭部をもち、体高はキツネアマダイ亜科よりも高い[1]。背鰭は6-10棘14-27軟条、臀鰭の軟条は11-26本[1]

  • アマダイ属 Branchiostegus
    • アカアマダイ Branchiostegus japonicus
    • キアマダイ Branchiostegus auratus
    • シロアマダイ Branchiostegus albus
    • スミツキアマダイ Branchiostegus argentatus
    • Branchiostegus australiensis
    • Branchiostegus doliatus
    • Branchiostegus gloerfelti
    • Branchiostegus hedlandensis
    • Branchiostegus ilocanus
    • Branchiostegus paxtoni
    • Branchiostegus sawakinensis
    • Branchiostegus semifasciatus
    • Branchiostegus serratus
    • Branchiostegus vittatus
    • Branchiostegus wardi
  • ナミダアマダイ属 Caulolatilus
    • ナミダアマダイ[9] Caulolatilus intermedius
    • Caulolatilus affinis
    • Caulolatilus bermudensis
    • Caulolatilus chrysops
    • Caulolatilus cyanops
    • Caulolatilus dooleyi
    • Caulolatilus guppyi
    • Caulolatilus hubbsi
    • Caulolatilus microps
    • Caulolatilus princeps
    • Caulolatilus williamsi
  • Lopholatilus
    • Lopholatilus chameleonticeps
    • Lopholatilus villarii

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.357-358
  2. ^ a b c d e f g h i Malacanthidae”. FishBase. 2011年8月7日閲覧。
  3. ^ a b 『日本の海水魚』 pp.308-309
  4. ^ a b 『The Diversity of Fishes Second Edition』 p.303
  5. ^ 『新版 魚の分類の図鑑』 p.86
  6. ^ Imamura H (2000). “An alternative hypothesis on the phylogenetic position of the family Dactylopteridae (Pisces: Teleostei), with a proposed new classification”. Ichthyol Res 47: 203-222. 
  7. ^ 『Origin and Phylogenetic Interrelationships of Teleosts』 p.162
  8. ^ 『海の動物百科2 魚類I』 p.14
  9. ^ ナミダアマダイ”. 水産総合研究センター. 2011年8月7日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]