ガラスの脳

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ガラスの脳』(ガラスののう)は、手塚治虫による短編漫画、およびそれを原作とした映画作品。

概要[編集]

1971年に『週刊少年サンデー』(小学館)に掲載された手塚治虫の短編読み切り漫画。総ページ数は扉絵を含め52ページ。手塚治虫漫画全集「タイガーブックス」第3巻に収録。

生命の神秘をテーマに永遠の純愛を描いている。

2000年1月29日には、小原裕貴後藤理沙の共演で実写映画が日活系で公開された。

あらすじ[編集]

ある事故により、一人の臨月妊婦が重傷を負う。その妊婦から奇跡的な誕生を果たした赤ん坊・由美。しかし、周囲の努力の甲斐もなく、由美は生まれてからずっと眠り続けている。一度は世間の注目を浴びていた彼女の存在も次第に人々の記憶から忘れ去られていく。

10年後、喘息で入院していた少年・雄一は、病院で眠り続けている少女・由美を発見する。看護婦から彼女のことを眠り姫だと聞いた雄一は好奇心に駆られて、絵本に書いてあった『王子様のキスで、お姫様は目を覚ましました。』という最後の一文通りに由美の唇にキスをする。それから雄一は日曜ごとに欠かさず由美にキスをするのが日課となった。それは彼が退院しても何年も何年も続いた。

それから雄一が17歳となったある嵐の夜、遂に由美は17年の眠りから目を覚ますのだった。 目を覚ました当初は、肉体は少女でも中身は赤ん坊だったが、2時間に1年くらいの割合で知能を発達させていった。そして、3日目には精神も年相応に成長した。由美は院長である斐川を愛していると語り、それを聞いた雄一はショックを受けるが思い切って院長にそれを告げる。しかし彼は、由美を患者としか見ていないと一蹴する。それを聞いた彼女は泣いて走り去ってしまう。

そんな時、看護婦は雄一に由美が眠り続いている時に院長はいたずらをしたという事実を教える。雄一は彼を殴り、自殺しようとした由美を助け、急いで結婚する。その後契りを結んだ夜、由美は自分が起きられるのは5日だけと雄一に語り、再び眠りについてしまう。それから雄一は夫として由美を62年の生涯を閉じるまで看病した。 そして、研究の為に解剖した彼女の脳はガラス細工みたいに綺麗だった。

映画[編集]

ガラスの脳
監督 中田秀夫
脚本 小中千昭
原作 手塚治虫
製作 椋樹弘尚
大澤茂樹
製作総指揮 中村雅哉
出演者 小原裕貴
後藤理沙
榎木孝明
音楽 川井憲次
主題歌 石井聖子DOOR
撮影 林淳一郎
編集 田中愼二
配給 日活
公開 日本の旗 2000年1月29日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ガラスの脳』の題で2000年1月29日より全国日活系にて公開。キャッチコピーは、1万回のキスがくれた永遠の5日間

出演者・スタッフ[編集]


主題歌・挿入歌[編集]

原作との相違点[編集]

  • 事故の詳細(原作では列車だが、映画では旅客機)
  • 由美の父親の動向
  • 雄一が由美にキスをし始める年齢(原作では10歳だが、映画では7歳)
  • 斐川医師の人間性(原作では単なる卑劣漢だが、映画では由美を目覚めさせようとする気持ちが拗れた末に道を外れた実直過ぎる人物として描かれる)
  • 由美が自殺しようとした方法(原作では線路の飛び出しで、映画では海岸からの飛び降り)
  • 由美が再び永遠の眠りに入る場所

関連項目[編集]

外部リンク[編集]