ガストン・ネサン

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ガストン・ネサン(Gaston Naessens、1924年3月16日 - )は、フランス生物学者。フランス北部ノール県ルーベ生まれ。カナダケベック在住。

マルサン・バロウル校を卒業後、リール大学で物理化学、生物学の集中講座を受ける(医学専攻でもなく、医師免許も所持していない)。

ソマチット[編集]

彼は自らソマトスコープと名づけた、倍率3万倍で分解能0.015μmの超光学顕微鏡(一般的に光学顕微鏡の倍率は1000-1500倍、分解能は0.1μm程度が限界である。これは光の波長の大きさに由来する)を開発し、人の血液を観察。その中に不思議な微小生命体が存在する事を確認したとし、それを「ソマチット」と命名した。観察を繰り返した結果、彼はソマチットを意思知性を持った微小生命体であると断定した。

次に彼はや他の難病患者の血液から発見したソマチットが健康な人から採取したもの異なった形態をもつことを発見し、それを健康な人の物と同じ状態に戻す薬剤の開発を始めた。

その方法は動物実験臨床試験ではなく、ソマチットを観察しながらその形態が回復する薬草を見つけ出すというものであった。

714-X[編集]

観察の末、彼はクスノキの樹液に注目し、それを製剤化。免疫強化剤「714-X」と命名した。「714-X」の名前は、ガストン・ネサンのイニシャル(GとN:アルファベットの第7と第14の文字)、および彼の出生年である1924年の24からアルファベットの第24の文字「X」をとって命名された。

「714-X」は、リンパ組織(鼠径リンパ節)に注射で投与する方法、もしくは吸入器(ネブライザー)を使ってから吸収させる方法で用いられ、如何なる種類の癌に対しても投与開始後三週間で、完治率75%の治癒率を示したとされた。

「714-X」は、窒素アンモニウム塩塩化ナトリウムエタノールなどと結合したカンファー樟脳)から成る製剤であると宣伝されたが、アメリカ食品医薬品局(FDA)の分析によれば、94%のと0.01%未満の樟脳および他の塩類から構成されていることが判明した。

人に対する安全性及び治癒効果についての論文は一例も報告がなく、またごく小さな規模で実施された動物実験でも有益な治癒効果は見られず、米国癌学会(The American Cancer Society)は、「714-Xがガンあるいは他のいかなる病気に対しても治癒的効果を持つという科学的な証拠は一切ない。」との声明を出した。

この「714-X」が薬品として正式に認可されていない時期、ガストンは薬事法違反で摘発された。カナダに移住した後は、「714-X」投与によって末期癌患者が死亡したという嫌疑での訴訟が起こり、最も重ければ殺人罪終身刑もあり得たが、X-714使用者たちによって結成された「ガストン・ネサンを守る会」の活動もあり、無罪となった。その後カナダにおいて714-Xは末期のガン患者への使用が認可された(この認可を受けたものには、「通常療法に見放された末期のガン患者に限って、使用を許可する」として、カウンセリングや食餌療法など患者の心理的な安心を図るための幅広い治療法が含まれる)。 

関連書籍[編集]

  • 「完全なる治癒 ― ガストン・ネサンのソマチッド新生物学」The Persecution and Trial of Gaston Naessens(クリストファー・バード著、上野圭一、小谷まさ代訳、1997年、徳間書店

関連項目[編集]