カヴェナンター巡航戦車

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巡航戦車 Mk.V カヴェナンター
IWM-KID-778-Covenanter.jpg
性能諸元
全長 5.8 m
全幅 2.61 m
全高 2.23 m
重量 18.3 t
懸架方式 クリスティー方式
速度 50 km/h
行動距離 160 km
主砲 52口径 2ポンド戦車砲×1
副武装 BESA同軸機関銃
装甲 40 mm
エンジン メドウス 水平対向12気筒
水冷ガソリンエンジン
280 hp
乗員 4 名
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巡航戦車 Mk.V カヴェナンター(じゅんこうせんしゃ-、Covenanter)は、巡航戦車 Mk.IV(Cruiser Mk.IV)の改良型車両として1940年に開発されたイギリス巡航戦車

概要[編集]

1939年イギリス陸軍の要求に基づいて、A13系巡航戦車を軍要求に合うよう改良することが決定し、LMS鉄道会社によって開発が行われた。この改良型巡航戦車にはA13 Mk.IIIの形式と共に「カヴェナンター清教徒革命時に議会派と同盟したスコットランドの勢力)」という名称が与えられた。以後、イギリス軍巡航戦車には「Cruiser」の頭文字である「C」で始まる名称が与えられることとなり、巡航戦車のカテゴリーが廃止された戦後でも、コンカラーセンチュリオンチーフテンチャレンジャーと「C」で始まる名称が継続して使用されている)。

軍の要求であった「できる限り車高を低くすること」を達成するために、車高を抑えられるメドウス水平対向エンジンが搭載されることとなった。しかし搭載スペースに余裕が無かったため、後部に搭載されたエンジンに対してラジエターと冷却用吸気口が車体前部に搭載されるという特異なレイアウトとなり、後に冷却不足という問題を引き起こしてしまうこととなった。 またこのラジエーター配置のため配管が車内を通る事になり、稼働中は車内温度が40度を超す事態を招いてしまい「エンジンより先に乗員がオーバーヒートする悪夢のメカニズム」とまで酷評された。後のMK.IIではラジエーターの装甲カバーを取り除いたり、MK.IIIでは車体後部に空冷用のルーバーを追加したが、根本的な解決には至らなかった。

それでも第二次世界大戦の開戦が迫っていたこともあってイギリス軍部は戦車の数を揃えることに必死だったため、試作車のテストすら行わずにカヴェナンターは正式化され量産化が行われたが、先述の冷却系統のトラブルが多発したこともあり、ごく少数が北アフリカに送られたものの実戦には参加せず、またオーストラリア軍の装備車輌も少数ビルマ方面に投入されたと記録されているが、もっぱら国内で訓練用として用いられた。しかしそれでも本車は1700輛近くが生産された。

バリエーション[編集]

  • Mk.I
Mk.I(CS) - 近接支援(Close Support)型。3インチ榴弾砲を装備する。
  • Mk.II - Mk.Iの改修型。多管式オイルクーラーがラジエーター上部に装備された。
Mk.II(CS)
Mk.II観測戦車
Mk.II指揮戦車
  • Mk.III - Mk.IIの改修型。クラッチと冷却系を改良。
Mk.III(CS)
  • Mk.IV - Mk.IIをMk.III仕様に改修したもの。
Mk.IV(CS)
Mk.IV観測戦車
  • Bridgelayer - 架橋戦車
  • AVR Mk.I - 装甲回収車
  • AMRA Mk.IC - 地雷除去装置(AMRA:Anti Mine Roller Attachment)装着型

参考文献[編集]

  • David Fletcher 『クルセーダー巡航戦車 1939-1945』 三貴雅智訳、株式会社大日本絵画、2002年8月10日、初版。ISBN 978-4499227889

関連項目[編集]