カルロス・ラバード

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Carlos Lavado
グランプリでの経歴
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
活動期間 1978 - 1992
チーム ヤマハ
レース数 137
チャンピオン 250cc - 19831986
優勝回数 19
表彰台回数 42
通算獲得ポイント 546
ポールポジション回数 22
ファステストラップ回数 13
初グランプリ 1978 250cc ベネズエラ
初勝利 1979 350cc ベネズエラ
最終勝利 1987 250cc ユーゴスラビア
最終グランプリ 1992 250cc 南アフリカ
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カルロス・ラバード(Carlos Alberto Lavado Jones、1956年5月25日 - )は、ベネズエラ出身の元オートバイロードレースライダー。1983年及び1986年ロードレース世界選手権250ccチャンピオン。ヤマハ、ジレラを渡り歩いた250ccの職人ライダー。

略歴[編集]

グランプリデビューは1978年ベネズエラGP。地元で行われたこのレースの250ccクラスにスポット参戦して2位になったラバードは、翌1979年のベネズエラGP350ccクラスでは早くもグランプリ初優勝を飾った[1]

1980年からはグランプリにフル参戦を開始。250ccクラスと350ccクラスに参戦するが、当時の両クラスはカワサキワークスが圧倒的な強さを誇っており、市販マシンのTZで戦うラバードは苦戦を強いられた。しかし350ccクラスが廃止となり250ccクラスに専念するようになった1983年、カワサキのワークス活動撤退とチャンピオンのアントン・マンクが500ccクラスにステップアップしたことで、ラバードに大きなチャンスが巡ってきた。この年のラバードは4勝を含む6回の表彰台に加え、全11戦中リタイヤはフランスGPの1回だけで他の全てのレースで入賞するという安定した速さを発揮し、初タイトルを獲得した[1]ベネズエラ人のワールドチャンピオンは1975年350ccクラスのジョニー・チェコット以来であった。

ホンダヤマハが250ccクラスにも本格的にワークスマシンを投入してきた1986年には、ヤマハのYZR250を駆って2度目のチャンピオンに輝いた[1]。この年は全11戦中優勝が6戦、2位が2戦、それ以外の3戦は転倒リタイヤと、1983年とは対照的に「優勝か転倒か」という極端なシーズンとなった。

1987年以降は怪我に泣かされ、チャンピオン争いに加わることはできなかった。グランプリ参戦は1978年から1992年までの15シーズンに及んだ。通算19勝[1]

スタイル[編集]

異常なまでの集中力でスタートからレースを支配し、そのまま逃げ切るスタイルを身上とする。とくに押しがけ時代であった1986年までは元来始動性が悪いはずのヤマハ・YZR250を神懸り的なロケットスタートで常にスタートから独走させ圧倒的な勝利を収めて見せた。しかしかつてはフレディ・スペンサーを追いかけ、その中で並々ならない早さを身につけたとされている。元来は追いこみ型のライダーであった。

戦績[編集]

ロードレース世界選手権[編集]

1969年から1987年までのポイントシステム

順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ポイント 15 12 10 8 6 5 4 3 2 1

1988年から1992年までのポイントシステム

順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
ポイント 20 17 15 13 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
  • 凡例
  • ボールド体のレースはポールポジション、イタリック体のレースはファステストラップを記録。
クラス マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位 勝利数
1978 250cc ヤマハ VEN
2
SPA
-
FRA
-
ITA
-
NED
-
BEL
-
SWE
-
FIN
-
GBR
-
GER
-
CZE
-
YUG
-
12 17位 0
1979 350cc ヤマハ VEN
1
AUT
-
GER
-
ITA
-
SPA
-
YUG
-
NED
-
FIN
-
GBR
-
CZE
-
FRA
-
15 14位 1
1980 250cc ヤマハ ITA
-
SPA
9
FRA
7
YUG
4
NED
1
BEL
-
FIN
-
GBR
-
CZE
-
GER
-
29 6位 1
350cc ヤマハ ITA
-
FRA
-
NED
5
GBR
-
CZE
9
GER
-
8 13位 0
1981 250cc ヤマハ ARG
-
GER
2
ITA
-
FRA
3
SPA
3
NED
2
BEL
2
RSM
-
GBR
-
FIN
-
SWE
-
CZE
-
56 4位 0
350cc ヤマハ ARG
3
AUT
5
GER
-
ITA
8
YUG
3
NED
2
GBR
-
CZE
-
41 5位 0
1982 250cc ヤマハ FRA
-
SPA
1
ITA
-
NED
-
BEL
-
YUG
-
GBR
8
SWE
-
FIN
5
CZE
1
RSM
-
GER
-
39 5位 2
350cc ヤマハ ARG
1
AUT
-
FRA
-
ITA
2
NED
-
GBR
4
FIN
-
CZE
10
GER
-
36 5位 1
1983 250cc ヤマハ RSA
7
FRA
NC
ITA
1
GER
1
SPA
7
AUT
7
YUG
1
NED
1
BEL
3
GBR
4
SWE
3
100 1位 4
1984 250cc ヤマハ RSA
9
ITA
15
SPA
3
AUT
5
GER
5
FRA
2
YUG
NC
NED
1
BEL
NC
GBR
3
SWE
7
RSM
2
77 3位 1
1985 250cc ヤマハ RSA
4
SPA
1
GER
NC
ITA
2
AUT
9
YUG
2
NED
NC
BEL
2
FRA
5
GBR
NC
SWE
2
RSM
1
94 3位 2
1986 250cc ヤマハ SPA
1
ITA
2
GER
1
AUT
1
YUG
NC
NED
1
BEL
NC
FRA
1
GBR
2
SWE
1
RSM
NC
114 1位 6
1987 250cc ヤマハ JPN
-
SPA
10
GER
6
ITA
6
AUT
8
YUG
1
NED
10
FRA
NC
GBR
NC
SWE
4
CZE
-
RSM
-
POR
NC
BRA
5
ARG
9
46 10位 1
1988 250cc ヤマハ JPN
13
USA
NC
SPA
NC
EXP
NC
ITA
7
GER
NC
AUT
NC
NED
NC
BEL
5
YUG
-
FRA
-
GBR
8
SWE
NC
CZE
9
BRA
2
11 11位 0
1989 250cc アプリリア JPN
-
AUS
-
USA
-
SPA
-
ITA
-
GER
-
AUT
-
YUG
-
NED
10
BEL
15
FRA
18
GBR
8
SWE
NC
CZE
9
BRA
7
31 17位 0
1990 250cc アプリリア JPN
NC
USA
15
SPA
NC
ITA
11
GER
12
AUT
NC
YUG
9
NED
9
BEL
4
FRA
NC
GBR
-
SWE
-
CZE
-
HUN
-
AUS
-
37 15位 0
1991 250cc ヤマハ JPN
25
AUS
10
USA
12
SPA
11
ITA
14
GER
15
AUT
-
EUR
-
NED
9
FRA
16
GBR
17
RSM
7
CZE
-
VDM
-
MAL
-
34 14位 0
1992 250cc ジレラ JPN
NC
AUS
14
MAL
NC
SPA
NC
ITA
12
EUR
NC
GER
13
NED
9
HUN
9
FRA
20
GBR
13
BRA
14
RSA
15
29 19位 0

脚注[編集]