カルシウム48

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カルシウム48 (Calcium-48) は、カルシウムの同位体の1つで、20個の陽子と28個の中性子を含む。自然界には、モル分率で0.187%存在する[1]。軽い原子核では異例なほど多くの中性子を持つが、唯一の放射性崩壊経路は、滅多に起こらない二重ベータ崩壊である。半減期は、約4.3×1019年であり[2]、ほとんどの実用的な目的には、安定同位体として取り扱うことができる。この異常な安定性に寄与している要因の1つは、20と28がどちらも魔法数であり、48Caは、二重魔法数原子核であるということである。

48Caは安定であり、かつ中性子が豊富であるため、例えばウンウンオクチウムの生成など[3]粒子加速器の標的原子核として重要である[4]。重い原子核は通常、最大の安定度を得るためには多くの中性子を必要とするため、その生成には中性子が豊富な原子核が必要である。

48Caは、二重ベータ崩壊を行う既知の最も軽い原子核であり、sdシェルモデルで分析が可能な単純さを持つ唯一の原子核である。また、二重ベータ崩壊を起こす原子核の中で、最も大きいエネルギー(4.27MeV)を放出する[2]。これらの特徴により、48Caは原子核モデルの興味深い対象となっており、ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊の探索の有力な候補である。

脚注[編集]

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  1. ^ Coursey, J. S.; D. J. Schwab; R. A. Dragoset (2005年2月). “Atomic Weights and Isotopic Compositions”. NIST Physical Reference Data. 2006年10月27日閲覧。
  2. ^ a b Balysh, A.; et al. (1996). “Double Beta Decay of 48Ca”. Physical Review Letters 77 (26): 5186-5189. arXiv:nucl-ex/9608001. Bibcode 1996PhRvL..77.5186B. doi:10.1103/PhysRevLett.77.5186. PMID 10062737. 
  3. ^ Oganessian, Yu. Ts.; et al. (October 2006). “Synthesis of the isotopes of elements 118 and 116 in the 249Cf and 245Cm+48Ca fusion reactions”. Physical Review C 74 (4): 044602. Bibcode 2006PhRvC..74d4602O. doi:10.1103/PhysRevC.74.044602. 
  4. ^ Notani, M.; et al. (2002). “New neutron-rich isotopes, 34Ne, 37Na and 43Si, produced by fragmentation of a 64A MeV 48Ca beam”. Physics Letters B 542: 49-54. Bibcode 2002PhLB..542...49N. doi:10.1016/S0370-2693(02)02337-7. 

関連項目[編集]