カラムクロマトグラフィー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
オープンカラムクロマト管を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー

カラムクロマトグラフィーは、化合物精製法(クロマトグラフィー)のひとつ。筒状の容器に充填剤をつめ、そこに溶媒に溶かした反応混合物を流し、化合物によって充填剤との親和性分子の大きさが異なることを利用して分離を行う。GPCHPLCもカラムクロマトグラフィーの一種であるが、通常カラムクロマトグラフィーと言う場合、シリカゲルカラムクロマトグラフィーのことを指すことが多い。

固定相の粒径が小さいほど、理論段数が高くなるが送流抵抗は大となる。 移動相の送流方法で

  • オープンカラム - 溶媒の重力落下により送流する。
  • フラッシュカラム - 数十 kg/cm3 以下のポンプで送流する。通常は単送ポンプの為、脈流である。
  • 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)

と呼び分ける。

シリカゲルカラムクロマトグラフィー[編集]

方法[編集]

  1. 液体の出口に脱脂綿を詰める。
  2. 展開溶媒を適量入れ、径が一定になるところまで海砂または炭酸ナトリウムなどを詰める。このとき面が平らになるように注意する。
  3. 別の容器にシリカゲルを適量(分離する化合物の20倍程度)取り、展開溶媒を入れてよく混ぜる。
  4. (3) を (2) にゆっくりと、面が崩れないように入れる。
  5. 展開溶媒を流しながら、(4) を手で叩くなどして密に詰まるようにする。
  6. カラムの中の展開溶媒がシリカゲルの面ぎりぎりになったら、少量の展開溶媒に溶かした分離したい混合物をのせる。このときも面が崩れないように注意する。
  7. 混合物の溶液をシリカに染み込ませたら展開溶媒を流してカラムの反対側から出てくる液を試験管などに一定量ずつに分ける。
  8. 小分けにした液を細い管でTLCに打って分離しているか確認し、同じ Rf 値を持つものを集めて濃縮する。フラクションコレクター装置を使うとより便利である。
  9. うまく単一の化合物になっているかNMR等で確認する。
  10. うまくいっていたら終了。うまくいかなかったら、(1) に戻る。

充填剤[編集]

充填剤には基本的にシリカゲルを用いるが、シリカゲルは酸性であるために酸に弱い化合物が壊れてしまうという欠点がある。そのような場合には中性シリカゲルやアルミナを用いたり、展開溶媒に塩基を加えたりすることもある。

展開溶媒[編集]

展開溶媒は欲しいものと他のものとのTLCRf 値が十分に分かれる条件のものを用いる。 一種類の溶媒のみを使うこともあるが、一般にはいくつかの溶媒を混合して適切な Rf 値を達成するように極性を調整する。よく用いられる溶媒系はヘキサン-酢酸エチル、ヘキサン-ジクロロメタン、クロロホルム-メタノールなど。また、途中で混合溶媒の比率を変える(無修飾シリカカラムなどの順相カラムの場合は極性を上げる)ことで Rf 値の小さなものも流れてくるようになる。極性が同程度であっても用いる溶媒によってRf値は変わるので、分かれにくい時は別の溶媒系も試してみるとうまくいくかもしれない。

小技[編集]

化合物によっては、溶解性が低くジクロロメタンなどにしか溶けないにもかかわらず、それらの溶媒ではRf 値が高すぎて十分に分離できないものがある。そのような場合、ジクロロメタン溶液をシリカゲルなどの少量の担体と混合し、エバポレーターで溶媒を留去して吸着させる。これを上記の方法で作ったカラムに乗せ、ヘキサンなどで展開させる方法がある。これをまぶしカラムという。

HPLCカラム[編集]

HPLCの装置における分離を行う場。もしくは消耗部品。一般的には、微細な(数μm)真球状の多孔質シリカゲルをステンレス製の管に充填したものが多い。目的、分離手法に応じて様々なタイプのHPLCカラムが存在する。下記に代表的なカラムメーカーを列記する。

関連項目[編集]