カヤツリグサ属

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カヤツリグサ属
Kayaturigusa.jpg
カヤツリグサCyperus microiria
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
: カヤツリグサ目 Cyperales
: カヤツリグサ科 Cyperaceae
: カヤツリグサ属 Cyperus
  • 約700種。本文参照

カヤツリグサ属 (Cyperus) は、カヤツリグサ科の主要なグループのひとつである。身近な雑草が多いが、有用種も含まれる。

特徴[編集]

カヤツリグサ属は、単子葉植物綱カヤツリグサ科の代表的なである。多くは水湿地に生えるが、海岸に生育するものもあり、の雑草となるものもある。少数ながらパピルスのような有用種もある。世界の熱帯から亜熱帯を中心に分布し、温帯まで広がるものがある。約700種が知られている。日本からは40ほどの種や変種、それに自然雑種が知られている。外来種もいくつか知られている。また在来種とされている種でも、史前帰化植物ではないかと考えられているものもある。

小さいものは高さ数cmのものから、大きいものは4mを越えるものまである。一年性のものは地下部があまり発達せず、多年生のものでは塊状の地下部をもつものや、匍匐茎を発達させるものもある。いずれにせよ、根元に数枚の葉をもち、そこから枝分かれしない花茎が上に伸び、その先端には数枚のに囲まれて花序が生じる。茎の途中には節がない。

花序は多数の小穂が軸の回りに並んでつくものが単位となって、軸が長ければブラシ状になり、短ければ掌状、あるいは頭状になる。それがいくつも茎の先端から出る。また、それを支える柄が短く、全体が花茎の先端に頭状に集まるものもある。

小穂は鱗片が2列に並んだもので、多くの場合、雄しべ雌しべだけを備えたが1枚の鱗片の下に収まり、1つの小穂は多数の花からなるのが普通である。花の数が少ないものもあり、ヒメクグ類では二つしか花を含まない。ホタルイ属などにみられる花被に由来する構造などはみられない。果実は三角形の断面を持つかやや扁平で、柱頭は細長く伸びて基部がふくらんだりはしない。

小穂は偏平な楕円形から線形のものが多い。多くのものでは熟した果実が鱗片と共に脱落し、後に小軸が残る。ただし、例外もある。ムツオレガヤツリは小穂の小軸が鱗片1枚毎に折れるようになっている。イヌクグヒメクグでは、小穂の基部に関節があって、小穂まるごと脱落する。

形と生態[編集]

全体の姿は種によって大きく異なる。葉の形になるのは、花茎の根元の根出葉と、花茎の先端の苞葉である。両方が少しずつあるものもあれば、どちらかがよく発達するものもある。

根出葉が発達して、苞がほとんど目立たないものは、裸地に生えるハマスゲなどがある。カヤツリグサでは若いときは根出葉が発達するが、花茎が伸びると次第に苞の方が目立つようになる。メリケンガヤツリは、大型種で、苞も発達するが、根出葉もとても大きくなる。

苞の方がよく発達するタイプもある。シュロガヤツリは、極端に苞だけが発達するもので、根出葉は葉身がなく、苞だけが多数出て、茎の一本それぞれが、ヤシの木の樹形のようになったものである。

根出葉も苞も発達せず、茎だけになったものもある。日本ではシチトウがこれで、細長い茎だけが浅い水底から抜き出て並ぶ形になる。パピルスもこのタイプで、先端に伸びる髪の毛状の房は、すべて花軸である。

多くの種が湿地に生育する。日本では水田やその周辺で多くの種を見ることができる。大型種は水辺に大きな群落を作るものもある。シチトウ河口干潟周辺に群落を作り、沖縄ではマングローブの周辺に顔を出す。

より乾燥した土地に生育するものもある。ハマスゲは乾燥に強く、地下に塊状の地下茎をもち、匍匐茎を横に伸ばすので、やっかいな雑草である。

分類[編集]

カヤツリグサ属はその範囲のとり方にいくつかの説がある。広義のカヤツリグサ属の中には、小穂が一花で、小穂がその付け根で脱落するヒメクグ属 (Kyringa)、小穂が鱗片一枚分ずつ関節を持って折れるムツオレガヤツリ属、鱗片の中の果実が左右から偏平になるカワラスガナ属など、独立した属として認められることもあるものを多数含む。この中では、ヒメクグ属を独立させ、残りをカヤツリグサ属とすることが多いようであるが、必ずしも定説とはなっていない。

以下に日本産のものを中心に代表的なものを上げる。

カヤツリグサ属 Cyperus

参考文献[編集]