カプリル酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
カプリル酸
{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 124-07-2 チェック
PubChem 379
ChemSpider 370 チェック
UNII OBL58JN025 チェック
EINECS 204-677-5
DrugBank DB04519
KEGG D05220
ChEBI CHEBI:28837 チェック
ChEMBL CHEMBL324846 チェック
特性
化学式 C8H16O2
モル質量 144.21 g/mol
外観 無色油性液体
匂い 弱い不快な腐敗臭
密度 0.910 g/cm3[1]
融点

16.7 °C, 290 K, 62 °F ([3])

沸点

239.7 °C, 513 K, 463 °F ([1])

への溶解度 0.068 g/100 mL[1]
溶解度 アルコールクロロホルムエーテル二硫化炭素石油エーテルアセトニトリルに溶ける。
log POW 3.05
蒸気圧 0.25 Pa
酸解離定数 pKa 4.89[2]

1.055(at 2.06–2.63 K)

1.53(at −191 °C)

屈折率 (nD) 1.4285
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -636 kJ/mol
標準定圧モル比熱, Cpo 297.9 J/K mol
危険性
引火点 130 °C (266 °F)
発火点 440 °C (824 °F)
半数致死量 LD50 10.08 g/kg (orally in rats)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

カプリル酸(カプリルさん、caprylic acid)は炭素数8の直鎖状脂肪酸で、IUPAC系統名オクタン酸 (octanoic acid) である。天然にはココナッツ母乳に含まれる。弱い不快な腐敗臭を持つ油状液体で、水にはほとんど溶けない。

工業的には香料として用いられるエステルの合成や染料の製造に利用される。

生理作用と応用[編集]

抗菌活性を持ち、しばしばカンジダ症の治療に供される。栄養学者エリカ・ホワイト (Erica White) によれば、カプリル酸はに感染したカンジダ菌への対処に有効である。カンジダ菌は腸でコロニー形成することも多いが、長鎖脂肪酸が存在すると細胞膜組織に侵入しにくくなる。このため栄養学者はカンジダ症の患者にはまずカプリル酸を勧め、その後クローブ油やオレガノ油などの植物油に移行する。それらの植物油には、より簡単に筋肉・関節・洞といった体組織に浸透しやすい、短い鎖長の脂肪酸が含まれている。

バクテリア感染症の治療にも用いられる。

カプリル酸は胃で作られるペプチドホルモン、グレリンの3番目のアミノ酸残基であるセリンに結合し、そのヒドロキシ基(OH基)をアシル化する。これによりグレリンは活性型となり、視床下部の摂食中枢に作用して空腹感をもたらす。他の脂肪酸も同様な効果を持つとされる。

多く含む食品[編集]

カプリル酸を多く含む食品には次のものが代表的である。

出典[編集]

  1. ^ a b c d Budavari, Susan, ed. (1996), The Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals (12th ed.), Merck, ISBN 0911910123 
  2. ^ Lide, D. R. (Ed.) (1990). CRC Handbook of Chemistry and Physics (70th Edn.). Boca Raton (FL):CRC Press. 
  3. ^ Beare-Rogers, J.; Dieffenbacher, A.; Holm, J.V. (2001). “Lexicon of lipid nutrition (IUPAC Technical Report)”. Pure and Applied Chemistry 73 (4): 685–744. doi:10.1351/pac200173040685. http://iupac.org/publications/pac/73/4/0685/. 


C7:
エナント酸
飽和脂肪酸 C9:
ペラルゴン酸