カティバ法

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カティバ法の触媒として使われる [Ir(CO)2I2]-空間充填モデル

カティバ法 (: Cativa process) は、メタノールカルボニル化による酢酸製造法である。モンサント法に類似するこの製造法は、BPケミカルズ社によって開発され、BP社のライセンスのもとにある[1][2]。この方法は、イリジウムを含む錯体触媒 [Ir(CO)2I2]- (1) に基づく。

カティバ法とモンサント法は、同じプラントを使うことができるくらいよく似ている。モンサントによる初期の研究では、メタノールのカルボニル化のためには、イリジウムはロジウムほど有効ではないことが示されていた。しかし、後の研究によって、イリジウム触媒がルテニウムによって促進され、この組み合わせがロジウムベースのものより優れた触媒になることが示された。ロジウムからイリジウムへの置き換えにより、反応混合物中での水の使用量を減少させることが可能になった。これにより必要な乾燥塔の数が減り、プロピオン酸のような副生物の生成が減少し、水性ガスシフト反応を抑制することができる。

カティバ法による触媒サイクル

上記のように、カティバ法による触媒サイクルは、平面四角形の触媒活性種 [Ir(CO)2I2]- (1) とヨウ化メチルの反応によって、八面体形のイリジウム(III)種 fac-[Ir(CO)2(CH3)I3]- (2) が生成することで開始する。この酸化的付加反応は、ヨウ化メチルの Me-I 結合にイリジウム(I)中心が挿入されることで起こる。I-CO配位子交換 (3) の後に、Ir-Me 結合へのCO挿入反応が起こることで、Ir にアセチル基が結合した四角錐形の化学種 (4) が生成する。活性触媒種 (1) は、(4) からヨウ化アセチル還元的脱離して再生する[1]。ヨウ化アセチルは加水分解されて酢酸となり、同時にヨウ化水素が生成し、メタノールと反応してヨウ化メチルとして再利用される。

出典[編集]

  1. ^ a b Jones, J. H. (2000). “The CativaTM Process for the Manufacture of Acetic Acid”. Platinum Metals Rev. 44 (3): 94–105. http://www.platinummetalsreview.com/pdf/pmr-v44-i3-094-105.pdf. 
  2. ^ Sunley, G. J., Watson, D. J. (2000). “High productivity methanol carbonylation catalysis using iridium - The CativaTM process for the manufacture of acetic acid”. Catalysis Today 58 (4): 293–307. doi:10.1016/S0920-5861(00)00263-7. 

関連項目[編集]