カチナ

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カチナ(katsina)とは主にアメリカインディアンホピ族が信仰する、超自然的な精霊のような存在。アリゾナ州フラッグスタッフ郊外のサンフランシスコピーク近くの聖なる山に住んでいると言われている。ホピ族だけでなく文化的に近い関係にあるズニ族ラグナ族などにも同様の信仰が残っている。

ホピ族のカチナは総数400以上存在すると言われているが、正確な数は誰にも分からない。

属性[編集]

神話本に描かれたカチナドール(1894年)

カチナにはその役割や形態によりカテゴリーに分けることができる。

  • チーフ(リーダー格、重要な役割を持つ) - Aholi, Eototo, Masaw, Ahola, Crow Mother, Chakwaina, Wupamo, Soyal, Grand Mother
  • 警備(儀式を滞り無く行うための観客のコントロールや和を乱す者への罰を与える) - Hilili, Ewiro, Broad Face, Warrior Maiden, Owl, Ahote, Hoote, Whipper, Owango-zrozro
  • ダンサー(最も一般的なグループ) - ong Hair, Bean, Corn, Deer, Antelope, Humming Bird, Eagle
  • ランナー(4月の儀式にのみ登場しホピの男と競争する) - Rattle, Chili, Pot Carrier, Chipmunk, Kokopelli Mana, Red Kilt
  • 道化(儀式を和ませる) - Hano Clown(Koshare), Mocking, Mud Head, Navajo Clown, Hoe

伝承[編集]

元々カチナは目に見えない存在だったが、大規模な旱魃により危機的な状況に追い込まれたホピの人々を救済するため人間的な形に姿を変え人々の前に姿を現した。カチナの助けのおかげでホピの人々の生活は劇的に良くなったが、やがてホピの生活に堕落が見えてくるとカチナ達はホピの村を立ち去ってしまう。立ち去る前にホピの人々に儀式の行い方等を教え、正しく儀式が行われた時のみカチナ達が現れると約束した。それから数百年の間ホピ族は毎年決まった時期に決められた儀式を行い、カチナの助けを借りながら生活している。

カチナドール[編集]

フェニックスの博物館にあるカチナドール

ホピ族の収入源の一端を担うのが、カチナドール等の工芸品。元々は、祖父が木彫りでこしらえ、それぞれのカチナの役割や格好を教えるために孫に与える教材だった。1800年代後半から白人向けの土産物としての価値を見いだしてからは芸術性も飛躍的に上がり、美術品としての地位も築き上げた。カチナドールで生計を立てている者から小遣い稼ぎまで含めると人口の2割を超える人がカチナドールを制作している。

表記[編集]

ここ数年「カチーナ」という表記が主流になっているがこれは間違い。英語表記の「kachina」が元になっていると思われるが「kachina」は白人が使う表記であり正しいものではない。ホピ族がこの「kachina」という表記を使うことはない。正しくは「katsina」と表記し発音は「カツィナ」、「クツィナ」といった感じになる。またカチナドールに於いてはホピ族等が作る本物に対しては「katsina」、ナヴァホ族等が作る偽物(カチナ信仰がないという意味での偽物)には「kachina」表記が使われる。

関連項目[編集]

日本郷土玩具博物館 - カチナドールを300余り保有する玩具博物館

外部リンク[編集]