カセ鳥

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2009年開催のカセ鳥

カセ鳥(カセどり)は、山形県上山市で毎年2月11日に開催される旧暦小正月祭事。名称は「稼ぎ鳥」または「火勢鳥」に由来しており、商売繁盛や火伏せを祈願するための行事とされている[1]

祭りが始まると、数人の若者たちが「ケンダイ」とよばれるを身にまとい、からかさ小僧にも似た妖怪「カセ鳥」に扮し、上山城前の焚き火を囲み「カッカッカーのカッカッカー」と歌いながら踊り回る[2]。町の住民たちは踊っているカセ鳥たち目掛け、冷水を勢いよく浴びせる。真冬の北国で冷水を浴び、ときにはその水が凍りつくこともあるという過酷な状態の中、カセ鳥はなおも踊り続け、町へ降りてさらに踊り続ける。踊り終えたカセ鳥たちは、住民たちから酒や祝儀を振舞われる。頭に手拭をくくりつけられることもあるが、これは商売繁盛の呪い(まじない)とされる。また水をかけられるのは、水商売の繁盛を祈る意味もあるといわれる[1]

上山地方では寛永年間からこの祭りが行われており、1896年(明治29年)以降は途絶えていたものの、上山市でこの行事を復活させようと活動が始まり、1959年(昭和34年)に再現され、1986年(昭和61年)にはカセ鳥保存会が結成され、後に至っている[3]

また、かつては上山市だけではなく、日本全国で小正月に蓑をかぶった者が人家を訪ね、このように「カッカッカ」と鳴いて祝儀をもらうという風習があったといい、秋田県の民俗行事として知られる「なまはげ」など、類似性の見られる行事も多い。祭日に異形の姿を纏った者が現れるという点で、ケルトの伝統行事であるハロウィンと共通しているとの指摘もある[1]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 杉岡幸徳 『奇妙な祭り 日本全国〈奇祭・珍祭〉四四選』 角川書店〈角川oneテーマ21〉、2007年、168-173頁。ISBN 978-4-04-710103-6
  2. ^ 杉岡幸徳 「日本トンデモ祭りめぐり」『』vol.0024、郡司聡他編、角川書店〈カドカワムック〉、2008年、232頁。ISBN 978-4-04-883992-1
  3. ^ カセ鳥とは”. カセ鳥保存会. 2010年3月14日閲覧。