カスピトラ

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カスピトラ
Panthera tigris virgata.jpg
保全状況評価
EXTINCT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EX.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
: 食肉目 Carnivora
: ネコ科 Felidae
: ヒョウ属 Panthera
: トラ P. tigris
亜種 : カスピトラ P. t. virgata
学名
Panthera tigris virgata
シノニム

Panthera tigris lecoqui

和名
カスピトラ
英名
Caspian tiger

カスピトラ(裏海虎、Panthera tigris virgata)は、食肉目ネコ科に属するトラの一亜種であり、カスピ海沿岸のカフカスからアラル海周辺、イランアフガニスタンパキスタン北部の山岳地帯にかけて分布していたが、すでに絶滅した。別名ペルシャトラ

概説[編集]

顔の下半分の毛が長く、顔が大きく見えるのが特徴である。体重は200kg、オス:頭骨全長は320~360mm、全長約325cm。メス:頭骨全長約280mm、全長約260cm。トラの絶滅亜種に共通していえることだが、カスピトラもまた毛皮漢方薬にされる。ちなみに、成分上薬効はないとされている)を得るために乱獲の対象となった。野生のカスピトラが最後に目撃されたのは1958年で、おそらく1970年代に絶滅したとみられている。 記録では1974年絶滅とされることが多い。

形態[編集]

中形で体は橙色を帯びた暗い代赭で背が黒ずみ、下面は白色。縞は黒から茶色だが、特に側面、腹、後肢の外側では茶色のことが多い。縞の幅は狭くて数が多く、互いに接近する。腰の正中線の両側に前後に走る2本の縞がある。冬毛はかなり長く密生し、頬と体下面が長く立派な房になる。

ロプノールトラ[編集]

ロプノールトラ(羅布泊虎、Panthera tigris lecoqui)とは、嘗て、中華人民共和国ロプノールに生息したトラである。現在はカスピトラと同じように絶滅したと考えられている。又、昔はカスピトラと同じようにトラの亜種とされていたが、近年は同じ亜種と考えられている。

形態[編集]

色鮮やかで美しく、肩には毛房、肩には短い鬣がある。頬と体下面の毛も長い。後肢の外側の縞は茶色く、前肢の前側には縞が無く、冬毛が長く密生する。

新説[編集]

2009年に行われた遺伝学的調査では、かつては別の亜種とみられていた本種が、現在生息しているアムールトラとほぼ同一であることが分かった[1]。この為、カスピトラは厳密には絶滅していないとも言えるが、アムールトラも生息数が減少している為、予断を許さない状況にあることに変わりはない。

脚注[編集]

  1. ^ Driscoll CA, Yamaguchi N, Bar-Gal GK, Roca AL, Luo S, et al. 2009. Mitochondrial Phylogeography Illuminates the Origin of the Extinct Caspian Tiger and Its Relationship to the Amur Tiger. PLoS ONE 4(1): e4125. doi:10.1371/journal.pone.0004125. Plosone.org

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 今泉忠明「野生ネコの百科(最新版)」15頁