カシラダカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カシラダカ
カシラダカ
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: ホオジロ科 Emberizidae
: ホオジロ属 Emberiza
: カシラダカ E. rustica
学名
Emberiza rustica
Pallas, 1776[1][2]
和名
カシラダカ(頭高)
英名
Rustic Bunting
亜種
  • E. r. latifascia (カシラダカ)
  • E. r. rustica

カシラダカ(頭高、学名:Emberiza rustica)は、スズメ目ホオジロ科に分類される鳥類の一種である。和名の由来は、興奮すると頭頂部の羽を立たせることによる。

分布[編集]

スカンジナビア半島からカムチャッカ半島までのユーラシア大陸高緯度地域と、アリューシャン列島で繁殖し、冬季は中国東部に渡り越冬する。また、中央アジアに渡る個体もある。

日本では冬鳥として、九州以北に渡来する[3]

形態[編集]

体長が約15 cm翼開長が約24 cm[3]。後頭部に短い冠羽がある。雄の夏羽は、頭部が黒く目の上から白い側頭線がある。体の上面は茶色で黒い縦斑がある。体の下面は白色である。雄の冬羽と雌は、頭部と体の上面に淡褐色になる。外観はホオジロのメスに似ている。

生態[編集]

平地から山地の明るい林や林縁、草地、農耕地、アシ原に生息する。繁殖期はつがいで生活するが、それ以外は数羽から100羽程の群れを作って過ごす。

巣は地上または枝の上に椀形ものを作る。卵数は4~6個である。

Emberiza rustica

越冬時は地上を跳ね歩きながら時々冠羽を立てて、草木の種子を採食している。

地鳴きは「チッ、チッ」。越冬期の後期では日本でも囀りを聴くことができる。ホオジロやアオジ等より早口で複雑な囀りである。囀りを日本語で表記するのは簡単ではない。

種の保全状況評価[編集]

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、2016年から危急種(VU)の指定を受けている[1]。日本の高知県で、準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[4]

上が、カシラダカ。下は、コホオアカ

人間との関係[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c IUCN 2016. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2016-3. (Emberiza rustica Pallas, 1776)” (英語). IUCN. 2016年12月9日閲覧。
  2. ^ Emberiza rustica Pallas, 1776” (英語). ITIS. 2012年3月17日閲覧。
  3. ^ a b ひと目でわかる野鳥 (2010)、207頁
  4. ^ 日本のレッドデータ検索システム(カシラダカ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年3月17日閲覧。
  5. ^ ツグミ? ハイどうぞ 岐阜の店頭堂々と束売り『朝日新聞』1970年(昭和45年)11月24日夕刊 3版 9面

参考文献[編集]

  • 叶内拓哉他 『日本の野鳥』 山と溪谷社、1998年、ISBN 4635070077
  • 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325 

関連項目[編集]