カシム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カシム(アラビア語:قاسم, Qāsim, カースィム)は、アラビア語由来の人名「カースィム」に日本式の当て字(スィ音のシ置き換え、長母音の省略)をしたものでカーシムとも書かれる。意味は「分割する者、分配する者」「美男」。預言者ムハンマドの息子の名前としても有名。[1]

発音と表記[編集]

原語に忠実なカタカナ表記はカースィム。日本語式の当て字であるカーシム、カシムに対応するのは قَاشِم(Qāshim)というつづりになるが、アラビア語においては違う響きと全く別の意味(暴食する人、食い散らかす人;悪い食べ物を嫌い良い食べ物を好んで食べる人[2][3])を持つ異なる単語として扱われる。

しかしながら、日本語においてはカースィムとカーシムは同じ名前として区別されていないため、カースィム、カーシム、カシムの類は全て同じ人名としてみなされている。

また口語ではカーセムと読むことからQasemという英字表記がある。このカーセムの長母音を文字数省略、英字表記通りに当て字をしたといった理由便宜上省いたカタカナ表記がカセムである。ssを2個連ねたQassim、Qassemという表記もありそれぞれカースィム、カーセムという発音に対応している。ペルシア語ではガーセム。ペルシア語のアルファベット転写はGasemまたはQasemが見られるが、いずれも読みは「ガーセム」である。

なお、日本においてはカースィム(カーシム)の意味でカシームという名前が使われることがあるが、カシーム(カスィーム)は正しくは別の男性名 قسيم(Qasīm) に対応したカタカナ表記であり、意味は「分割された物の一部、分け前」「美男」となっており異なる。カースィム(カーシム)は能動の「分割する(もの)」であるのに対しカスィーム(カシーム)は受動の「分割された(もの)」という意味があり、主語-目的語という正反対の語義となる。

実在する人物[編集]

架空の人物[編集]

脚注[編集]

  1. ^ معاني الأسماء - قاسم”. 2024年1月18日閲覧。
  2. ^ المعاني - قشم”. 2024年1月18日閲覧。
  3. ^ قاموس النور- قشم”. qamus.inoor.ir. 2024年1月18日閲覧。