カイエターナ・フィツ=ハメス・ストゥアルト

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第18代アルバ女公爵カイエターナ、2006年
少女時代のカイエターナと母の公爵夫人ロサリオ、1928年

カイエターナ・フィツ=ハメス・ストゥアルト・イ・シルバCayetana Fitz-James Stuart y Silva, 1926年3月28日 マドリード - )は、スペインの貴族女性、資産家。第18代アルバ公爵イングランド王兼スコットランドジェームズ2世/7世の庶子である初代ベリック公爵ジェームズ・フィッツジェームズの嫡系子孫にあたる[1]。アルバ公爵位の他にも40以上の爵位を有し[2]、これによって現存する国家政府によって認められた貴族称号を世界で最も数多く有する人物として、ギネス世界記録に認定されている[3]

経歴[編集]

第17代アルバ公爵ハコボ・フィツ=ハメス・ストゥアルト英語版と、その妻である第9代サン・ビセンテ・デル・ファルコ女侯爵マリア・デル・ロサリオ・デ・シルバ英語版の間の一人娘として、マドリードリリア宮殿スペイン語版で生まれた。洗礼の代母はスペイン王妃ビクトリア・エウヘニアである[4]。曾祖母マリア・フランシスカ・パラフォクススペイン語版は、フランス皇帝ナポレオン3世の皇后ウジェニーの姉である。

1947年10月12日にセビリアにおいて、第9代ソトマヨール公爵の息子ルイス・マルティネス・デ・イルホ・イ・アルタスコス(Luis Martínez de Irujo y Artázcoz、1919年 - 1972年)と最初の結婚をした[5]。この結婚式は大変に豪華なものとして国際的な注目を集め、「世界で最も費用のかかった結婚式」と報じられた[6]。夫妻の間には5男1女の6人の子女が生まれたが、1972年に死別した。

1978年3月16日、イエズス会の元司祭だったヘスス・アギーレ・イ・オルティス・デ・サラテ(Jesús Aguirre y Ortiz de Zárate、1937年 - 2001年)と再婚した[1]。アギーレは非嫡出子で、カイエターナより11歳年下であり、この結婚は当時のスペイン社会では醜聞として取り沙汰された[7]。にもかかわらず公爵夫妻の中は睦まじく、継父アギーレとカイエターナの子供たちとの関係も良好だった。アギーレはカイエターナの長男と一緒にアルバ公爵家の所領を経営していたが、2001年に死去した[8]

カイエターナは2008年頃から、24歳年下の公務員で広報関係企業の経営者でもあるアルフォンソ・ディエス・カラバンテス(Alfonso Díez Carabantes、1950年 - )との結婚を望むようになった。この結婚はカイエターナの子供たちのみならずスペイン王フアン・カルロス1世にも反対を受け、子供たちが「2人の関係は友情に過ぎず、結婚の予定はない」との声明を発表する事態に発展した[9][7]

しかしカイエターナの結婚への意思は固く、ディエスの求婚を財産目当てだとして敵視する子供たちに財産分与をすることで、彼らをなだめた。ディエスもまた結婚に先立ってカイエターナの財産に対するいかなる要求もしないことを宣言している[7]。カイエターナは2011年10月5日、セビリアのラス・ドゥエーニャス宮殿英語版において、ディエスと3度目の結婚をした[10]。新郎は60歳、新婦は85歳だった。

カイエタナの財産は2011年時点で、最高で35億ユーロ、最低でも6億ユーロと見積もられている[2]。アルバ公爵家の蒐集品にはディエゴ・ベラスケスフランシスコ・デ・ゴヤの絵画作品、ミゲル・デ・セルバンテスドン・キホーテ』の初版本、クリストファー・コロンブス直筆の手紙、スペイン各地にある宮殿、膨大な所領が含まれている。

子女[編集]

最初の夫との間に5人の息子と1人の娘がいる。子供たちは全員カイエターナから爵位を受け継いでいる。

称号[編集]

公爵位[編集]

  • 第18代アルバ公爵グランデ
  • 第15代アリアーガ公爵グランデ;次男に譲渡
  • 第3代アルホナ公爵グランデ
  • 第11代ベリック公爵グランデ;ただしスペイン貴族としての爵位[1][11]
  • 第17代イハール公爵グランデ
  • 第11代リリア・イ・ヘリカ公爵グランデ
  • 第11代モントーロ公爵グランデ;長女に譲渡

伯公爵位[編集]

侯爵位[編集]

  • 第17代カルピオ侯爵グランデ
  • 第10代サン・ビセンテ・デル・バルコ侯爵グランデ;四男に譲渡
  • 第16代アルガバ侯爵
  • 第16代アルメナラ侯爵
  • 第18代バルカロタ侯爵
  • 第10代カスタニェーダ侯爵
  • 第23代コリア侯爵
  • 第14代エリチェ侯爵
  • 第16代ミラーリョ侯爵
  • 第20代ラ・モータ侯爵
  • 第20代モヤ侯爵
  • 第17代オラーニ侯爵
  • 第12代オセラ侯爵
  • 第14代サン・レオナルド侯爵
  • 第19代サリア侯爵
  • 第12代タラソナ侯爵
  • 第15代バルドゥンキリョ侯爵
  • 第18代ビジャヌエバ・デル・フレスノ侯爵
  • 第17代ビジャヌエバ・デル・リオ侯爵

伯爵位[編集]

  • 第27代アランダ伯爵グランデ
  • 第22代レモス伯爵グランデ
  • 第20代レリン伯爵グランデ
  • 第20代ミランダ・デル・カスタニャール伯爵グランデ
  • 第16代モンテレイ伯爵グランデ
  • 第20代オソルノ伯爵グランデ
  • 第18代パルマ・デ・リオ伯爵グランデ
  • 第12代サルバティエラ伯爵グランデ;五男に譲渡
  • 第22代シルエラ伯爵グランデ;三男に譲渡
  • 第19代アンドラーデ伯爵
  • 第14代アラヤ伯爵
  • 第16代カサルビオス・デル・モンテ伯爵
  • 第16代フエンテス・デ・バルデペーロ伯爵
  • 第11代フエンティドゥエニャ伯爵
  • 第17代ガルべ伯爵
  • 第18代ヘルベス伯爵
  • 第16代ギメラ伯爵
  • 第21代モディカ伯爵ただしシチリア王国貴族としての爵位
  • 第24代リバデオ伯爵
  • 第25代サン・エステバン・デ・ゴルマス伯爵
  • 第12代サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ伯爵
  • 第11代ティンマス伯爵ベリック公爵と同じくイングランドの爵位をスペインの爵位と認められたもの
  • 第20代ビジャルバ伯爵

子爵位[編集]

  • ラ・カルサーダ子爵

男爵位[編集]

  • 第11代ボズワース男爵ベリック公爵、ティンマス伯爵と同様の扱い

領主位[編集]

  • 第29代モゲル領主

脚注[編集]

  1. ^ a b c Paul Theroff. “BERWICK”. Paul Theroff's Royal Genealogy Site. 2012年5月12日閲覧。
  2. ^ a b Daniel Woolls; Miguel Angel Morenatti (2011年10月5日). “Rich Spanish duchess weds for third time at age 85”. The Boston Globe. ISSN 0743-1791. http://www.boston.com/news/world/europe/articles/2011/10/05/rich_spanish_duchess_weds_for_third_time_at_age_85/ 2011年10月9日閲覧。 
  3. ^ Burgen, Stephen (2011年8月7日). “Spanish duchess gives away fortune in order to marry civil servant”. The Guardian. http://www.guardian.co.uk/world/2011/aug/07/spain-duchess-marriage-fortune 2011年9月23日閲覧。 
  4. ^ 全名はマリア・デル・ロサリオ・カイエターナ・パロマ・アルフォンサ・ビクトリア・エウヘニア・フェルナンダ・テレサ・フランシスカ・デ・パウラ・ルルデス・アントニア・ホセファ・ファウスタ・リタ・カストル・ドロテア・サンタ・エスペランサ・フィツ=ハメス・ストゥアルト・イ・デ・シルバ・ファルコ・イ・グルトゥバイ(María del Rosario Cayetana Paloma Alfonsa Victoria Eugenia Fernanda Teresa Francisca de Paula Lourdes Antonia Josefa Fausta Rita Castor Dorotea Santa Esperanza Fitz-James Stuart y de Silva Falcó y Gurtubay)である。
  5. ^ Death Duke of Sotomayor
  6. ^ Constenla, Tereixa (2011年8月14日). “The duchess marries for love”. El País. http://www.elpais.com/articulo/english/The/duchess/marries/for/love/elpepueng/20110814elpeng_2/Ten 2011年9月23日閲覧。 
  7. ^ a b c Guardian newspaper: Spanish duchess gives away fortune in order to marry civil servant, 8 August 2011
  8. ^ Algorri, Luis (2001年5月21日). “Jesús Aguirre Ortiz de Zárate, Duque de Alba” (Spanish). Personajes Cántabros. 2007年4月29日閲覧。 (スペイン語)
  9. ^ “The duchess with everything (except the right to marry)”. The Independent (London). (2008年9月29日). http://www.independent.co.uk/news/world/europe/the-duchess-with-everything-except-the-right-to-marry-945291.html 2010年4月28日閲覧。 
  10. ^ Galaz, Mábel (2011年10月5日). “Cayetana ya es señora de Díez” (Spanish). El País. 2011年10月5日閲覧。 (スペイン語)
  11. ^ 1687年にイングランド貴族の爵位として創設され、名誉革命後に剥奪されたベリック公爵位は、従甥のペナランダ公爵ハコボ・エルナンド・フィツ=ハメス・ストゥアルト・イ・ゴメス(Jacobo Hernando Fitzjames-Stuart y Gomez、1947年 - )にその請求権が移っている。

外部リンク[編集]