オーストロアジア語族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オーストロアジア語族(-ごぞく)あるいはアウストロアジア語族は、東南アジアからインド東部・バングラデシュに散在する言語の語族である。南アジア語族と訳されることもあるが、地域名の南アジアとは異なる。このうちベトナム語、クメール語およびモン語は古くから記録があり現在でも多くの話者がいるが、その他は少数民族の言語である。ベトナム語(ベトナム)、クメール語(カンボジア)、サンタリ語(インド・ジャールカンド州)は公用語として用いられている。
伝統的に東南アジアのモン・クメール語派とインドのムンダ語派に分類され、168 の言語(モン・クメール語派 147 とムンダ語派 21)が記録されている。しかしこの語派分類は確証のあるものではなく、モン・クメール語派はまとまりをもたないとする説もある。
源郷はわからないが、この地域の在来の言語であり、後に他の言語(シナ・チベット語族、タイ・カダイ語族)が広がって分断されたと考えられている。それら新しく広がった言語にも影響を残しており、例えばネパール東部のシナ・チベット系言語にはオーストロアジア語族に由来する単語があり、サンスクリットやドラヴィダ語族にもムンダ語派が影響を与えているとされる。
全体に共通の特徴は少ない(共通基礎語彙に基づいてまとめられている)が、古くは接頭辞や接中辞が文法・派生機能を果たしたらしい。この点で類似しているオーストロネシア語族とともに、アウストリック超語族 (Austric superfamily) にまとめる説もある。

