オーストリア経済振興会社

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オーストリア経済振興会社のロゴ

オーストリア経済振興会社(ABA)は、正式名称をÖsterreichische Industrieansiedlungs- und WirtschaftswerbungsgmbH (ABA-Invest in Austria) と言い、オーストリア共和国の企業誘致機関である。[1] 同機関は、オーストリアに支社の設立を計画している外国企業の獲得とサービスの提供を主な業務としている。 ABAは経済立地オーストリアに関する情報を提供し、国際投資家が関心とする内容についてアドバイスする。ÖIAG[2] によって1982年ICDオーストリアとして設立されたこの企業誘致機関は、1995年に社名をオーストリア経済振興会社(ABA)に変更した。 2007年創立25周年を機に、ABAはそのコーポレート・デザインを一新し、オーストリア経済振興会社に代わって、ABA-Invest in Austriaを表記名として使用するようになり、会社の趣旨が一層明確になった。現在、ABA-Invest in Austriaには、25名の職員が従事している。

ABAは、ソニーインフィネオンイケア松下電器工業、ハチソン携帯電話事業(Hutchison Moblilfunk)、ホルメス・プレイス(Holmes Place)、スターバックスなど一連の一流国際企業のオーストリア進出を手助けしてきた[3]

ABAの下部組織である「ロケーション・オーストリア」Location Austria は、オーストリア経済サービスAustria Wirtschaftsservice GmbH (aws) と共同で、オーストリアを映画制作用ロケ地として宣伝し、補助金制度「映画製作用ロケ地オーストリア(FISA)」を管理運営している。 FISAは、経済・家族・青少年省の発案で設置され、オーストリアにおける助成対象制作費の25%を返還不要な助成金として支給し、当地での映画製作を奨励している。この奨励モデルは、大変好評を博しため、2014年末まで延長して利用できるようになった(詳細は、www.filmstandort-austria.atを参照)。

役割およびサービス業務[編集]

直接投資家の獲得にあたり、オーストリアは世界の国々と競合関係にある。 同機関は、企業誘致機関として、オーストリアを経済立地として宣伝し、工業国としてのイメージを更に広めてていくことを趣旨としている。 オーストリアは、EUの中で[4]番目に豊かな国4でありながら、まだまだ観光文化国としてしか認識されていない。

ABAは、無償で外国企業のオーストリアにおける企業設立をサポートしている。 投資家は、経済立地オーストリアに関する、また政治・経済・法規上の枠組み条件に関する情報を得ることができる。 さらにサービス業務として、オーストリア国内で必要なすべてのコンタクトを取り、立地探しの際にアドバイスを行い、企業にとって重要なコスト(例えば、賃金、インフラ・コストなど)、税務上の観点、また特定業種の国内状況など種々の情報を提供する。 加えて、後日の拡張投資についても、その窓口として相談に応じている。 世界銀行の"世界投資促進ベンチマーク 2009" (GIPB) [5]では、世界の企業誘致機関181件の中で、ABA-Invest in Austriaが第一位に選ばれた。

国際直接投資[編集]

オーストリアにおける外国からの累積直接投資の26%を占めるドイツが、オーストリアにとり最も重要な投資国であり、イタリア(14%)、米国(13%)、スイス(7%)がそれに続いている。2011年には、外国からの直接投資の大部分がEUから行われた。最大の投資国は、106億1千万ユーロのイタリアと56億1千万ユーロのドイツであった。この両国の投資額を合わせると、総直接投資額の100%を超えるが、これは英国(-74億3000万ユーロ)とオランダ(-36億2000万ユーロ)がオーストリアから資本を引き上げたことで相殺されている。この他に2011年の大型投資としては、スイス(9億3800万ユーロ)、ルクセンブルク(9億800万ユーロ)、ブラジル(7億800万ユーロ)、ロシア(5億7900万ユーロ)がこれに続いている [6]

すでに多くの国際企業が東欧向け事業本部をオーストリアに設置している[7]。オーストリアに東欧事業本部を置く会社は、全部で303社に上り、ポーランド、スロバキア、チェコおよびハンガリーといった競合国(東欧圏本部は各国合わせて84社)を大きく引き離している。これら数字は、ヴォルフ・タイスWolf Theiss法律事務所およびコンサルト機関HQ-オーストリア Headquaters Austriaの調査の結果である[8]。中東欧に関連を持つ国際組織・機関も、多数オーストリアに所在地を置いている[9]

ソフト部門の立地要件でも、オーストリアは生活の質、安全、法的安定性、また人身および財産保護の面で上位を占めている[10]

企業誘致件数 ABA のプロジェクト件数 出典: ABA-Invest in Austria
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
企業数 74 82 107 123 152 201 256 158 198 183 201

出典[編集]

  1. ^ オーストリア共和国 連邦経済・家族・青少年省(BMWFJ)
  2. ^ www.oeiag.at
  3. ^ www.investinaustria.at
  4. ^ Eurostat 2012, PGDP per capita in PPS
  5. ^ 世界投資促進ベンチマーク 2009年、 世界銀行
  6. ^ オーストリア国立銀行、対外経済、直接投資
  7. ^ Multinationals with Headquarters in Austria
  8. ^ WolfTheissRegionalHQinCEE031011_11792_DE.pdf
  9. ^ [http://www.wien.gv.at/politik/international/publikationen/index.html ハンドブック„ウィーンの国際機関“
  10. ^ World Competitiveness Yearbook 2012, "Quality of life", "Personal security and private property"

関連項目[編集]

外部リンク[編集]