オーストラリアン・キャトル・ドッグ

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オーストラリアン・キャトル・ドッグ

オーストラリアン・キャトル・ドッグ(英:Australian Cattle Dog)は、オーストラリア原産の牧牛犬種のひとつである。別名はブルー・ヒーラー(英:Blue Heeler)、クイーンズランド・ヒーラー(英:Queensland Heeler)、オーストラリアン・ヒーラー(英:Austrarian Heeler)。

尚、オーストラリアン・スタンピーテイル・キャトル・ドッグは本種の短尾種で、個別にFCIに公認登録されている。

歴史[編集]

これの原種は同国原産のティモンズ・バイターという犬種で、その犬は1830年代に作出された。ティモンズ・バイターは牧牛犬として優秀な働き振りを見せたが、ヒーラーとしてはかかとを強く噛みすぎるという欠点があった。それを直して完璧なヒーラーを作出する目的で本種の作出が計画された。1840年代に本種の作出が開始され、ティモンズ・バイターとブルー・マールの毛色のスムース・コリーディンゴスミスフィールド・キャトル・ドッグオーストラリアン・ケルピーブルテリアダルメシアンなどを計画的に交配させ、1890年にようやく完成した。

主に牛を追って管理する牧牛犬として使われている。ディンゴのように吠え声を出さずに牛を誘導し、言うことを聞かない牛はかかとを軽く噛んで驚かせ、従わせる。このように牛のかかとを噛んで驚かすことの出来る牧牛犬のことをヒーラーという。又、本種は牛だけでなく山羊アヒルなどのハーディング(牧畜での追い込み、及び管理)もすることが出来る、優秀な牧牛犬種のひとつである。

もっぱら作業犬として使われ続けてきたが、愛好家は多くショーにも出場し、FCIへ公認登録されることになった。現在も作業犬として人気が高く、オーストラリアだけでなく、アメリカ西部ニュージーランドなどでも使役されている。ショードッグやペットとしても飼育が行われていて、日本でもペットなどとして飼育が行われている。ただし日本での頭数はあまり多くなく、1〜2年に一度国内で仔犬が生まれ、ジャパンケネルクラブに登録されている。2009年度の国内登録頭数順位は134位中104位であった。

雌の子犬オーストラリアン・キャトル・ドッグ

ギネス公認の世界最高齢犬[編集]

本種の犬の中で現在最も著名であるのは、ギネスワールドレコーズ公認の世界最高齢記録を持つ犬、「ブルーイー(Bluey)」(1910年6月7日 - 1939年11月14日)である。彼は既に故人であるが、出生年を確実に証明できる犬としては現在でも世界一長寿だった犬としての記録を持ち続けている。ブルーイーは老衰により天寿を全うした。29歳5ヵ月であった。

蛇足ではあるが、2010年4月現在、生存している犬の中での世界一の高齢記録保持者(予定)は、ドイツに在住しているバーニーズ・マウンテン・ドッグペニー(Penny、雌、2010年現在25歳)である。その以前の世界一の高齢記録保持犬はダックスフントテリア種のミックスのオットー(otto、胃癌により2010年1月14日に死去、20歳)、更にその前の記録保持犬はミニチュア・ワイアーヘアード・ダックスフントのシャネル(雌、2009年8月26日に老衰で死去、21歳)である。いずれにせよ、犬が20年以上生きることは珍しく、長生きには飼い主の愛情が必要不可欠である。

特徴[編集]

ブルー・ローン系色(黒)とタン・ローン系色(茶)の犬

筋肉質でがっしりとした体を持ち、外見はややずんぐりしている。首は太く、胸が広い。胴は長めで、脚は太く短めである。耳は立ち耳、尾はふさふさした垂れ尾。コートは硬めのショートコートで、オーストラリアの暑さに対応するためにシングルコート構造になっている。毛色はブルー・アンド・タンが主流で、この他にはタンのローン(かす毛)などの毛色も見られる。ブルー・アンド・タンの毛色の犬の場合、仔犬のころはブルーの部分が真っ黒であることがほとんどで、成長・加齢に伴って色が薄まってブルーに落ち着く。体高43〜51cm、体重16〜20kgの中型犬で、性格は忠実で忍耐強く、知的であるが、やや神経質で人見知りする傾向がある。しつけの飲み込みや状況判断力が優れ、行動力と度胸がある。主人家族に対しては人懐こいが、あまりなじみの無い犬や人に対しては吠え立ててなかなか慣れようとしないのが短所である。既出の通りしつけの飲み込みはよいが、初心者が中途半端なしつけを行うと、ペット用の犬であれ人のかかとを強く噛むことがあるので、しっかりとしたしつけが必要不可欠である。スタミナがあり運動量は大型犬並みに多く、力強く活発な犬である。かかりやすい病気は関節疾患や生まれつきの盲目難聴などがある。現役の作業犬種であり、且つ毛色関連の遺伝子による先天疾患を避けるための交配前検診が推薦されるため、なかなか手馴れたブリーダーでないと繁殖させられないのが、日本で本種のブリーダーの少ない原因のひとつである。

参考文献・出典サイト[編集]

  • 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2010』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著
  •  21歳の世界最高齢犬が老衰死 NY郊外、147歳に相当[1]
  • "世界最高齢犬"のギネス記録を持つ「オットー」、亡くなる[2]
  •  最高齢の犬は25歳、ドイツに健在か[3]

関連項目[編集]