オンブラ・マイ・フ

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エンリコ・カルーソー(テノール)1920年。1分ほどの叙唱後、著名なフレーズが歌い上げられる。

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オンブラ・マイ・フ」(Ombra mai fù)または「ラルゴ」(Largo)は、ヘンデルの作曲したオペラセルセ』(Serse, Xerxes)第1幕第1場の中のアリアペルシャ王セルセ(クセルクセス1世)によって歌われる。調性はヘ長調。詩は木陰への愛を歌ったもの。

下降および上昇旋律を組み合わせた、伸びやかな明るい旋律線を持つ。旋律素材はボノンチーニによるもので、ヘンデルの独創ではないとされる。

従来より、この曲の速度記号から『ラルゴ』とも呼ばれる。『オンブラ・マイ・フ』は歌詞の初行から。今日オペラはほとんど上演されないが、この曲は美しい小品として愛され、しばしば演奏される。元来カストラートのための曲だが、今日は主にソプラノにより歌われる。

この曲は「世界で初めて電波に乗せて放送された音楽」でもある。1906年12月24日レジナルド・フェッセンデンによって行われた初めてのラジオ実験放送レコード演奏された。

キャスリーン・バトル盤[編集]

ソプラノ歌手キャスリーン・バトルによる録音[1]が、実相寺昭雄監督による映像とともに、1986年夏からニッカウヰスキーのCMに使用され、日本で大きな反響を巻き起こした。1987年5月、この録音を含む9曲入りアルバム『オンブラ・マイ・フ/キャスリーン・バトル』がキングレコードから発売され(CD番号 K30Y-235)、20万枚のセールスを記録した[2]

歌詞[編集]

原詩

Ombra mai fù
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più

日本語訳

こんな木陰は 今まで決してなかった
緑の木陰
親しく、そして愛らしい、
よりやさしい木陰は

全文[編集]

Frondi tenere e belle
del mio platano amato
per voi risplende il fato
tuoni lampi e procelle
nonv`oltraggino mai la cara pace
ne giunga a profanarvi austro rapace!
Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile, soave piu.

脚注[編集]

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  1. ^ 1986年5月にロンドンのアビーロード・スタジオで収録。
  2. ^ レーザーディスク『ディーバ~キャスリーン・バトルの歌声』(創美企画/SKL-1001)のライナーノーツより。

外部リンク[編集]