オングストローム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。
オングストローム
ångström
水素分子
水素ファンデルワールス半径は1.2
記号 Å, Å, ÅE
メートル法
長さ
SI 0.1 nm = 100 pm
定義 10-10メートル
語源 アンデルス・オングストローム
テンプレートを表示

オングストロームångström, 記号:Å)は、長さ単位である。原子分子可視光波長など、非常に小さな長さを表すのに用いられる。

1Åは10−10m = 0.1ナノメートル(nm) = 100ピコメートル(pm) と定義されている。原子分子の大きさ、また可視光の波長は数千オングストロームというオーダーとなることから、分光学などにおいて数値的に都合がよく、かつては広く使われていた。

一物理量一単位を原則とする国際単位系(SI)では正式な単位とされていないが、広く使われていることからSIの国際文書には掲載されており、使用するときには「対応するSI単位による定義を明示しなければならない」としている(SI併用単位を参照)。日本の計量法では、電磁波の波長、膜の厚さ、表面の粗さ、結晶格子にかかわる長さの計量にのみオングストロームを使用することを認めている。SIではないため、理化学分野、工業分野、教育分野で積極的に使われることはないが、その利便さから今日でもオングストロームの表記をすることが多々ある。

歴史 [編集]

分光法の先駆者であるスウェーデン物理学者アンデルス・オングストロームが、1868年に 10-10 m を単位として使ったことに由来する。ただし、特に単位名称は名づけなかった。のちに、その単位がオングストローム単位 (ångström unit) と呼ばれ、さらにオングストロームと略されるようになった。

オングストロームが使った単位は 10−10 m であったが、当時メートル原器で定義されていたメートルより高精度の長さの単位が分光学では必要とされていた。そのため、1907年国際天文学連合 (IAU) が初めてオングストロームを国際標準として定めたとき、国際オングストローム (international ångström) を、「カドミウムの赤線の指定条件下における波長の1/6438.4696」と再定義した。1927年国際度量衡局 (BIPM) もこれを採用した。メートルの精度が低かった時代は、この定義は 10-10 m とする定義と矛盾することはなかった。

1960年、メートル自体もクリプトンの橙色線の波長から分光学的に再定義され、国際オングストロームと同等の精度を持つようになった。しかし、国際オングストロームを新しく定義されたメートルで表すと、1.0000002×10-10 m となったため、10-10 m とされるオングストロームと2つのオングストロームが並立することとなった。

符号位置 [編集]

オングストロームの単位記号 "" はリング付きの大文字A "Å" に由来するが、UnicodeJIS X 0213ではそれぞれ別の文字として定義されている。なお、JIS X 0208にはオングストローム記号のみが2区82点に定義されている。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+212B 1-2-82 Å
Å
オングストローム
Å U+00C5 1-9-18 Å
Å
Å
LATIN CAPITAL LETTER A WITH RING ABOVE