オロンコ岩

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オロンコ岩
上部展望台からの眺望。遠くにチャシコツ崎

オロンコ岩(オロンコいわ)は、北海道斜里町ウトロウトロ港にある高さ約60mの巨岩。

名称について[編集]

この岩に住んでいたとされる「オロッコ[1]」という、アイヌにとっての異民族の名前が由来とされる[2]。岩の上部は平坦な地形で、プユニ岬チャシコツ崎オホーツク海ウトロの町並みや知床連山など360度の眺望を得ることができ、それは知床八景の一つにも数えられている。

アイヌ自身は、この岩をサマッケ・ワタラ(Samakke-watara/横になった・岩)と呼んだ[3]

アイヌにおける伝承[編集]

この岩について、地元の古老による伝説が残されている。かつてこの岩に「オロッコ」が住んでおり、そこをアイヌが舟で通ると上から石や木を投げていたずらをするので、アイヌはこれを何度も攻めたが、アイヌは敗退していたという。そこで、アイヌはある日、海藻を集めてクジラの形に作り、そこに魚を挟んでおいたところ、そこにカラスたちが集まった。それを見たオロッコたちはそれを寄りクジラだと勘違いし、岩を駆け下りたところ、隠れていたアイヌに襲撃され、全滅したという[4][5]

所在地[編集]

北海道斜里郡斜里町ウトロ東

交通アクセス[編集]

周辺[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 通常、樺太に住むツングース系のウィルタのことであるが、明治以降、戦前に北海道にウィルタが定住していたという記録はない。
  2. ^ オロンコ岩”. 知床斜里町観光協会. 2018年2月25日閲覧。
  3. ^ 知里真志保『斜里郡内アイヌ語地名解』平凡社、263頁。"知里真志保著作集 3巻"。 
  4. ^ 更科源蔵『アイヌ伝説集』みやま書房、302-303頁。 
  5. ^ Fukushi, Hroaki. “東西知床海岸のアイヌ伝説と昔話”. 道北の釣りと旅. 2022年10月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯44度04分24秒 東経144度59分26秒 / 北緯44.07333度 東経144.99056度 / 44.07333; 144.99056