オニプレートトカゲ

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オニプレートトカゲ
オニプレートトカゲ
オニプレートトカゲ Broadleysaurus major
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
: カタトカゲ科 Gerrhosauridae
亜科 : Gerrhosaurinae
: Broadleysaurus
Bates & Tolley, 2013[2]
: オニプレートトカゲ B. major
学名
Broadleysaurus major
(Dumeril, 1851)[2][3]
シノニム

Gerrhosaurus major Dumeril, 1851
Gerrhosaurus zanzibaricus
Pfeffer, 1889
Gerrhosaurus bottegoi
Del Prato, 1895
Gerrhosaurus major var. zechi
Tornier, 1901
Gerrhosaurus bergi Werner, 1906
Gerrhosaurus grandis Schmidt, 1919

和名
オニプレートトカゲ[4]
英名
Rough-scaled plated lizard[3]

オニプレートトカゲBroadleysaurus major)は、爬虫綱有鱗目カタトカゲ科Broadleysaurus属に分類されるトカゲ。本種のみでBroadleysaurus属を構成する[2]。別名オオプレートトカゲ[4]

分布[編集]

エスワティニエチオピアエリトリアガーナカメルーンケニア東部、コンゴ民主共和国北部、ザンビア北部、ジンバブエソマリアタンザニア中央アフリカ共和国トーゴナイジェリアベナンボツワナマラウイ南アフリカ共和国モザンビーク[3]

形態[編集]

最大全長48cm。種小名のmajorは「大きな」の意でオオプレートトカゲの別名もあるが、プレートトカゲ属の最大種ではない。脇腹は襞状に折り畳まれている。

頭部は中程度[2]

分類[編集]

以前は旧カタトカゲ属Gerrhosaurusに分類され、西部個体群を背面の体色が黒く黄色い斑点が入る亜種G. m. bottegoiとして分ける説もあった[2]。2013年に発表されたカタトカゲ科の核DNAミトコンドリアDNAの分子系統解析から、本種が別属であるオナガカタトカゲ属Tetradactylusヨロイカタトカゲ属Cordylosaurusよりも初期に分岐した系統であるという解析結果が得られた[2]。そのため本種のみで、新属Broadleysaurusを構成する説が提唱された[2]。属名Broadleysaurusは、Donald George Broadleyへの献名[2]。この解析では亜種G. m. bottegoiが基亜種に含まれるという解析結果も得られたため、亜種G. m. bottegoiを基亜種のシノニムとする(亜種を認めない)説も提唱されている[2]

生態[編集]

サバンナ等に生息する。地表棲。昼行性。岩の隙間やシロアリ蟻塚等で暑さが厳しかったり外敵に襲われると地面にあいた穴やシロアリの蟻塚に潜って逃げる。

食性は雑食で、昆虫類節足動物、小型爬虫類、小型哺乳類果実等を食べる。

繁殖形態は卵生。1回に2-4個の卵を湿った地面に産む。

人間との関係[編集]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。ほぼ野生個体のみが安価で流通し、流通量も多い。性格は大人しく大型化しない等の理由からトカゲ飼育の入門種として紹介されることもある。テラリウムで飼育される。餌としてコオロギやジャイアントミルワーム、ピンクマウス、果実、野菜等を与える。飼育下では雑食トカゲ用の人工飼料等にも餌付く。餌に対してはカルシウム剤等のサプリメントを振りかけて栄養価を上げる。飼育下での繁殖例はあるものの、繁殖方法は未だ確立していない。

出典[編集]

  1. ^ Branch, W.R., Howell, K., Ngalason, W. & Msuya, C.A. 2021. Broadleysaurus major. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T13152261A13152266. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-2.RLTS.T13152261A13152266.en. Accessed on 28 October 2023.
  2. ^ a b c d e f g h i Michael F. Bates, Krystal A. Tolley, Shelley Edwards, Zoe David, Jessica M. Da Silva, Willam R. Branch, "A molecular phylogeny of the African plated lizards, genus Gerrhosaurus Wiegmann, 1828 (Squamata: Gerrhosauridae), with the description of two new genera," Zootaxa, Number 3750, Issue 5, Magnolia Press, 2013 Pages 465-493.
  3. ^ a b c Broadleysaurus major. Uetz, P. & Jiri Ho?ek (eds.) (2020) The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 25 September 2020.
  4. ^ a b 疋田努 「オニプレートトカゲ(オオプレートトカゲ)」『小学館の図鑑NEO 両生類・はちゅう類』、小学館、2004年、106頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、55頁。
  • 冨水明 「Close up06 オニプレートトカゲ」『ビバリウムガイド』No.18、マリン企画、2002年、86頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ2 ヤモリ上科&スキンク上科』、誠文堂新光社、2004年、106頁。

関連項目[編集]