オサガメ

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?オサガメ
オサガメ
オサガメ Dermochelys coriacea
保全状態評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
ファイル:Status iucn2.3 CR.svgワシントン条約附属書I類
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : ウミガメ上科 Chelonioidea
: オサガメ科 Dermochelyidae
Fitzinger, 1843
: オサガメ属 Dermochelys
Blainville, 1816
: オサガメ D. coriacea
学名
Dermochelys coriacea
(Vandelli, 1761)
シノニム
Testudo coriacea
Vandelli, 1761
和名
オサガメ
英名
Leatherback turtle

オサガメ(長亀、Dermochelys coriacea)は、動物界脊索動物門爬虫綱カメ目オサガメ科オサガメ属に分類されるカメ。本種のみでオサガメ科オサガメ属を形成する。

目次

[編集] 分布

インド洋大西洋太平洋地中海

[編集] 繁殖地

インドネシアコスタリカスリナムスリランカマレーシアパナマパプアニューギニア南アフリカ共和国

[編集] 形態

最大甲長256.5cm。体重916kgと現生するカメ目最大種。皮骨と鱗からなる甲羅は発達せず、皮膚で覆われ英名(leatherback=背中が皮の)の由来になっている。背面には7本の筋状の盛りあがり(キール)がある。また、頭部や尾、四肢を覆う鱗も孵化直後には存在するが、間もなく失われしまう。前脚のは特に大きく、差し渡し2.7mに達するという。鰭を構成する指先の爪は失われている。骨格は軽量化されている。前述の様に骨性の甲羅が発達しない他、頭骨は緩く重なりあうだけで縫合せず、四肢を構成する骨も中空のものが多い。生体ではこの内部に大量の油を含んでいる。また、体内の余分な塩分を排泄するための涙腺は大きく発達し、眼球を超える大きさにまで肥大化する。体内に発熱する器官があり外気温よりも体温を高く維持することができるとされ、これにより水温の低い海域でも活動できると考えられている。身体も大きく、体積に対する身体の表面積の比率が小さいため、体温の保持には有利である。また、骨の内部に存在する大量の油も体温の保持に関係しているといわれる。これらの特徴は、このカメの特異な生態に由来するものである。

体色は背面が黒く白い斑点が入り、腹面は白い。

上顎の先端は鉤状に尖る。

は直径5-6cmの球形。孵化直後の幼体は甲長5-6cmだが、生後1年で甲長60cmほどになる。さらに孵化後3 - 15年(諸説あり)で甲長150センチを超える成体となる。

[編集] 生態

外洋に生息するが、繁殖期になると沿岸に接近する。水棲傾向が強く、産卵を除いて上陸しない。潜水能力は高く、水深1,000m以上まで潜水することが可能とされる。骨格が薄く、弾力があるのは水圧を分散し、脳や内蔵へのダメージを避けるための適応であろう。この潜水は、朝方に深く、夕刻には浅くなる傾向がある。これは、餌となるクラゲの生態と関係があるといわれる。ただし、暗い深海においていかなる方法でクラゲを捕らえるのかは判明していない。また、遊泳速度も最高で時速24kmとウミガメとしては最速。その活発な行動故か、性質も荒い。活発な遊泳力と深海の冷たい水温にも適応したせいか、ウミガメの中では最も低温に強く、北太平洋海域で捕獲された事もある。

食性は動物食で、主にクラゲを食べる。クラゲは100gあたり22キロカロリーと栄養価は低く、体重数百キロの大型の個体となると一日の摂取量は100キロ近くなる計算であるという。そのためクラゲを効率よく大量に食べる必要があり、このカメの食道は特異な形態となっている。二メートルを超す食道は一度甲羅の後半部で折り返す形となっている。この内壁には最長5cmに達する、胃の側へと向かって生えたがびっしりと並んでいる。食道に棘があるのは海水とともにクラゲを飲み込んだ後、海水を吐き出す際にクラゲを逃さぬためのものであるという。その際クラゲは棘によって引き裂かれ、消化を容易にする。また、この長い食道は、食べたクラゲを一時的に貯蔵する役割もあると考えられている。

繁殖形態は卵生。1回に50-170個の卵を産む。卵は55-70日で孵化する。産卵のための最適な温度はセ氏29.5度で、この温度であれば雌雄の数は半々になるという。

[編集] 人間との関係

卵は食用とされることもある。しかし肉はクラゲ由来の毒を含んでいるので食用には適さない。また、インドネシアにおいては体内の油はランプに用いられる。

漁業による混獲、食用の乱獲などにより生息数は激減している。本種の胃からプラスチック製品が高い頻度で見つかり、クラゲと間違えて捕食していると考えられているが直接の死因なのかどうかについては因果関係がはっきりしていない。1970年代では繁殖期に1つの繁殖地に2,000-4,000回も上陸した記録があるが、現在では数回しか確認されていない地域もあり、場所によっては、人工繁殖などの試みも成されている。

オサガメの水族館などでの飼育は特に難しいことで知られる。クラゲを主食とする他、常に遊泳する習性があるからである。特に骨格が軽量化されているために損傷しやすく、透明な水槽を認識出来ずに衝突した際、大きなダメージを受けやすいためである。様々な対策をほどこした結果、マレーシアや国内では名古屋港水族館(8年間)で飼育に成功している。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社2000年、104-105、204-205頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、313頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、69頁。
  • 平山廉 『カメのきた道 : 甲羅に秘められた2億年の生命進化』 NHKブックスISBN 978-4-14-091095-5。33 - 46頁。

[編集] 外部リンク