オイラー予想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

オイラー予想(オイラーよそう)とは、スイスの数学者レオンハルト・オイラーが提唱した、フェルマーの最終定理を発展させた数学的予想である。現在では、反例によってこの予想は正しくないことが証明されている。

予想の内容[編集]

フェルマーの最終定理を拡張して、

x4 + y4 + z4 = w4

を満たす自然数の解 (x, y, z, w) は存在しない。

さらに

x5 + y5 + z5 + w5 = v5
x6 + y6 + z6 + w6 + v6 = u6

を満たす自然数の解も存在しない。このことから一般に、n > 3 とすると、n − 1 個の n 乗数の和を1個の n 乗数で表すことはできない。

歴史[編集]

オイラーの発表以降、比較的小さな自然数では反例を見つけることができず、長い間正しいと信じられてきた。

しかし1966年にレオン・J・ランダーとトーマス・R・パーキンによって n = 5 の場合の反例として解 (27, 84, 110, 133, 144) が発見され、275 + 845 + 1105 + 1335 = 1445 が成り立つことが確認された。

この発見から n = 4 の場合も反例がある可能性があるとして研究が続けられ、1986年にハーバード大学のノーム・エルキーズ(Noam Elkies)が、楕円曲線論とコンピュータを用いて発見した。その反例は 26824404 + 153656394 + 187967604 = 206156734 という複雑なものだった。この発見と同時に解は無限に存在することも確認され、約200年間未解決となっていたオイラー予想は、否定的に証明された。

また、2004年にはジム・フライによってn=5の場合の反例852825 + 289695 + 31835 + 555 = 853595が発見された。