エンタープライズコンテンツ管理

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エンタープライズコンテンツ管理(エンタープライズコンテンツかんり、: Enterprise Content ManagementECM)は、組織内の処理業務に関するコンテンツや文書をすべてひとつのパッケージに取り込み、運用する技術である。ECM導入組織内の非構造化情報がどこに保存されていても一元管理することができる。端的にはIBM Lotusのようなミドルウェアを拡張したものととらえることができる。

定義[編集]

正式なエンタープライズコンテンツ管理の定義は、2000年にエンタープライズコンテンツ管理の国際的な機関であるAIIMインターナショナル(Association for Information and Image Management)で設けられた。ECMという略語は、解釈や定義のし直しが何度も繰り返されてきている。

2005年秋にAIIMが定義したECM
エンタープライズコンテンツ管理は、組織内の処理業務に関するコンテンツや文書を取り込み、保存、保管して配信に利用する技術である。
2006年の冬にAIIMがECMの定義に追加した一文
ECMのツールと方式は、組織内の非構造化情報がそれがどこに保存されていても管理することができるものである。

この新しいECM、エンタープライズコンテンツ管理という用語は、記録文書管理と文書管理で解決されてきた問題の領域を含むことを示している。また、従来の媒体からデジタルへもしくはデジタルから従来の媒体への変換という問題(例えば、紙やマイクロフィルムなどが挙げられ、物理的なファイリングと取り出しの方式からコンピュータを使用した仕組み)の領域も含んでいる。

特徴[編集]

コンテンツ管理は、エンタープライズコンテンツ管理、ウェブコンテンツ管理(WCM)、コンテンツ配信やデジタル資産管理を含む多くの側面を持っている。エンタープライズコンテンツ管理は、新しい構想、方式、業態であるが、それだけで完結したシステムやほかと区別された製品ではなく、DRT(文書関連技術、Document Related Technologies)やDLM(文書ライフサイクル管理、Document Lifecycle Management)と同様に、幅広い領域の技術やベンダーを含む用語の一つとして捉えられている。

ECMとWCMという二つのアプリケーションの定義の違いは、文書やDBやウェブコンテンツなどの一元統合管理、ウェブコンテンツ・サービスの管理運用、いずれの用途が主眼であるかの点であり、明らかに現在のこのシステムの分類は長く続くものではない。現在は完全に外部ユーザ向けのウェブポータルのという概念も、ECMにより組織内情報システムの基盤ともなりえるであろう。ComputerWocheの記事の中でUlrich Kampffmeyerは、ウェブコンテンツ管理のソリューションと異なるエンタープライズコンテンツ管理の三つの鍵となる利点について主張をした。

統合的なミドルウェアとしてのエンタープライズコンテンツ管理
ECMは、従来の縦割りなアプリケーションと孤立した構造という制限を打開するために使われている。利用者は基本的にはECMソリューションを使用していることを認識していない。従来型のホスト系に始まり、次なるクライアントサーバー型システムのさらに次の、第三番目のウェブベースの新しい情報基盤をECMは提供している。その結果、EAI(Enterprise Application Integration)やSOA(Service Oriented Architecture)はECMを実現するための重要な役割を担っている。
独立したサービスとしてのエンタープライズコンテンツ管理のコンポーネント
ECMは、情報の出処や利用目的によらずその情報を管理するために使われている。全ての種類のアプリケーションから利用できるためにサービスの形式でその機能が提供されている。そのサービス形式の利点は、あらゆる機能がひとつのサービスで利用できることによって、重複し、コストがかかり、管理が難しい複数の機能を持つことを避けることができる点にある。したがって、複数の異なるサービスに一カ所からアクセスできる標準的なインターフェイスが、ECMの実現には重要となる。
あらゆる形式の情報がひとつのリポジトリに保管できるエンタープライズコンテンツ管理
ECMは、一定の仕組みで一つのリポジトリに企業内の情報を集約するという、コンテンツの保管場所(データの保管場所と文書の保管場所の両方)として利用され、重複によるコストや情報の一貫性に関する問題などを解消する。全てのアプリケーションが使用したコンテンツを一つのリポジトリに引き渡し、またその逆に全てのアプリケーションへ情報提供を行う。従って、ECMを構築して使用するにはコンテンツの統合とILM(情報ライフサイクル管理)が重要な役割を担うこととなる。

エンタープライズコンテンツ管理は、実際には“ユーザーに見えない”形で使用したときに有効に使用できる。ECMの技術は基礎となる仕組みであり、専用アプリケーションに対して下位のサービスとして支える基盤である。よってECMは、複数階層のモデルに適しており、構造化データと非構造化データを一緒に処理し、配信、管理をする機能を備えた、基盤となるコンポーネントの集合体である。e-ビジネスアプリケーションの包括的な、欠くことのできない基礎コンポーネントのひとつとも言える。またさらに、ECMはあらゆる情報を管理できるものとして、WCMや共通のリポジトリに求められるアーカイブ機能にも手を伸ばしている。