エリザベート・トゥルシンバエワ

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エリザベート・トゥルシンバエワ
Elizabet Tursynbaeva
フィギュアスケート選手
生誕 (2000-02-14) 2000年2月14日(24歳)
ロシアの旗 ロシアモスクワ
身長 148 cm
選手情報
代表国 カザフスタンの旗 カザフスタン
コーチ エテリ・トゥトベリーゼ
セルゲイ・デュダコフ
所属クラブ Sambo 70
開始 2005
引退 2021
ISUサイト バイオグラフィ
ISUパーソナルベストスコア
総合224.762019 世界選手権
SP75.962019 世界選手権
FS148.802019 世界選手権
記録
シニア女子初 四回転ジャンプ成功
大会成績
国際スケート連盟主催大会 1 2 3
世界選手権 0 1 0
四大陸選手権 0 1 0
合計数 0 2 0
国内大会 1 2 3
カザフスタン選手権 4 0 0
獲得メダル
主要な国際競技会
世界選手権
2019 さいたま 女子シングル
四大陸選手権
2019 アナハイム 女子シングル

エリザベート・バイタコヴナ・トゥルシンバエワロシア語: Элизабет Байтаковна Турсынбаева[1]2000年2月14日 - )は、ロシア出身、カザフスタン代表の元フィギュアスケート選手(女子シングル)。

人物 [編集]

モスクワ生まれだが、両親はカザフスタン出身。兄もスケートの国内チャンピオン。フィギュアスケートの他にもヴァイオリンはプロ級の腕前で、ピアノも弾く事が出来る。

2019年の世界選手権において、シニアの女子選手として初めて四回転ジャンプを成功させた[2]

経歴[編集]

2015-2016シーズン、シニアデビュー[編集]

2013年、コーチをブライアン・オーサートレイシー・ウィルソンとし、カナダを拠点に活動する。

チャレンジャーシリーズにおいて、USクラシックゴールデンスピンタリントロフィーに出場し次々好成績を収める。グランプリシリーズスケートアメリカ(4位)、スケートカナダ(7位)に出場。リレハンメルユースオリンピックでは銅メダルを獲得。 世界ジュニア選手権では、SPで14位FS4位、総合5位で終えた。 世界選手権で、SP12位FS10位、総合12位で終えた。

2016-2017シーズン[編集]

2016/2017 GPロステレコム杯

チャレンジシリーズオータムクラシックで銅メダルを獲得。2年目のグランプリシリーズは2戦出場し、5位と8位。初出場の四大陸選手権はSPを3位で折り返すもFSで振るわず8位に終わる。世界選手権ではSP10位FS8位、総合9位となり次年に開催される平昌オリンピック及び世界選手権のカザフスタンの女子シングルの出場枠を2獲得した。

2017-2018シーズン[編集]

チャレンジシリーズではオータムクラシックで、銅メダルを2年連続で獲得。アイススターでは金メダルを獲得。3年目のグランプリシリーズフランス杯でFSを3位で終え、自己ベストの200.98点で5位。ロステレコム杯では8位。四大陸選手権では12位。平昌オリンピックでは12位。世界選手権では11位。

2018-2019シーズン[編集]

2018/2019 GPスケートカナダ

コーチをブライアン・オーサー、トレイシー・ウィルソンから、再びエテリ・トゥトベリーゼに変更し、練習拠点をロシアモスクワに戻した[3]チャレンジシリーズではオンドレイネペラトロフィーならびにフィンランディア杯で銀メダルを獲得し、チャレンジシリーズにおけるメダル獲得数を9に伸ばした。

四大陸選手権ではSPで6位と出遅れるも、FSで4回転サルコウに初挑戦(失敗)するなど積極的な滑りを見せ3位、総合で2位。カザフスタンの女子選手としては史上初めてISUチャンピオンシップスのメダルを手にした。

ユニバーシアードでも4回転サルコウに挑戦し(失敗)2位となった。

世界選手権では、SPでほぼ完ぺきな演技をして3位につける。FSでは4回転サルコウに初成功し、FSの得点は4位だったものの、総合で2位、銀メダルを獲得。カザフスタンの女子として、史上初めて世界選手権の表彰台に立った[2]

2019-2020シーズン[編集]

怪我(腰痛・背面痛)のため2019年ロンバルディアトロフィーを欠場。その後の上海トロフィーに出場し2位に入るも、グランプリシリーズは2019年スケートアメリカ2019年資生堂中国杯ともに欠場した。

2020-2021シーズンから引退まで[編集]

2020/2021シーズンは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行拡大した影響で各大会が軒並み中止となり、活動目標そのものが無くなってしまう。さらに以前からの腰痛・背面痛が慢性化して克服が難しくなり、翌2021年9月をもって現役引退を表明した[4]。今後は、祖国カザフスタンのフィギュアスケート発展に助力する旨を伝えている。

主な戦績[編集]

大会/年 2012
-13
2013
-14
2014
-15
2015
-16
2016
-17
2017
-18
2018
-19
2019
-20
冬季オリンピック 12
世界選手権 12 9 11 2
四大陸選手権 8 12 2
カザフスタン選手権 1 1 1 1
GP NHK杯 8
GPロステレコム杯 5 8 6
GP中国杯 WD
GPフランス国際 5
GPスケートカナダ 7 5
GPスケートアメリカ 4 WD
CSゴールデンスピン 2
CSアイススター 1
CSフィンランディア杯 2
CSネペラ杯 2
CS USクラシック 2 7
CSロンバルディア杯 WD
CSオータムクラシック 1 3 3
CSタリントロフィー 2
冬季ユニバーシアード 2
ユースオリンピック 3
世界Jr.選手権 11 4 5
ロシアJr.選手権 13
JGP B.シュベルター杯 2
JGPメ~テレ杯 3
JGPタリン杯 5
JGPミンスク 2
ネスレ杯 1 J
NRW杯 1 J
メラーノ杯 1 J
ニース杯 1 J
トリグラフ杯 1 J
ガルデナスプリング杯 1 J
ニューイヤーズ杯 1 J

詳細[編集]

2018-2019 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2019年3月18日 - 24日 2019年世界フィギュアスケート選手権さいたま 3
75.96
4
148.80
2
224.76
2019年3月6日 - 9日 2019年冬季ユニバーシアードクラスノヤルスク 4
67.57
1
147.20
2
214.77
2019年2月7日 - 10日 2019年四大陸フィギュアスケート選手権アナハイム 6
68.09
3
139.37
2
207.46
2018年11月16日 - 18日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 4
61.73
6
118.72
6
180.45
2018年10月26日 - 28日 ISUグランプリシリーズ スケートカナダラヴァル 6
61.19
5
124.52
5
185.71
2018年10月4日 - 7日 ISUチャレンジャーシリーズ ISUチャレンジャーシリーズフィンランディア杯エスポー 2
70.95
1
129.79
2
200.74
2018年9月11日 - 22日 ISUチャレンジャーシリーズ ネペラ杯ブラチスラヴァ 2
69.99
2
122.31
2
192.30
2017-2018 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2018年3月19日 - 25日 2018年世界フィギュアスケート選手権ミラノ 11
62.38
10
124.47
11
186.85
2018年2月21日 - 23日 2018年平昌オリンピック平昌 15
58.82
13
118.30
12
177.12
2018年1月24日 - 27日 2018年四大陸フィギュアスケート選手権台北 11
56.52
13
99.67
12
156.19
2017年11月17日 - 19日 ISUグランプリシリーズ フランス杯グルノーブル 6
62.29
3
138.69
5
200.98
2017年10月26日 - 29日 ISUチャレンジャーシリーズ アイススターミンスク 3
60.62
1
126.95
1
187.57
2017年10月20日 - 22日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 6
63.92
9
121.03
8
184.95
2017年9月20日 - 23日 ISUチャレンジャーシリーズ オータムクラシックピエールフォン 5
56.62
3
124.38
3
181.00
2016-2017 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2017年3月27日 - 4月2日 2017年世界フィギュアスケート選手権ヘルシンキ 10
65.48
8
126.51
9
191.99
2017年2月14日 - 19日 2017年四大陸フィギュアスケート選手権江陵 3
66.87
11
109.78
8
176.65
2016年11月25日 - 27日 ISUグランプリシリーズ NHK杯札幌 9
55.66
6
119.45
8
175.11
2016年11月4日 - 6日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 4
64.31
5
117.01
5
181.32
2016年9月29日 - 10月1日 ISUチャレンジャーシリーズ オータムクラシックピエールフォン 2
61.48
3
110.98
3
172.46
2016年9月14日 - 17日 ISUチャレンジャーシリーズ USインターナショナルクラシックソルトレイクシティ 8
48.33
9
78.73
7
127.06
2015-2016 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2016年4月22日 - 24日 2016年コーセー・チームチャレンジカップスポケーン 6
65.44
6
123.61
[5]
2016年3月26日 - 4月3日 2016年世界フィギュアスケート選手権ボストン 12
61.63
10
121.99
12
183.62
2016年3月14日 - 20日 2016年世界ジュニアフィギュアスケート選手権デブレツェン 14
50.11
4
120.72
5
170.83
2016年2月12日 - 21日 リレハンメルユースオリンピックハーマル 2
59.11
3
108.77
3
167.88
2015年12月2日 - 5日 ISUチャレンジャーシリーズ ゴールデンスピンザグレブ 3
56.88
2
119.45
2
176.33
2015年11月18日 - 22日 ISUチャレンジャーシリーズ タリントロフィータリン 3
57.48
2
117.39
2
174.87
2015年10月30日 - 11月1日 ISUグランプリシリーズ スケートカナダレスブリッジ 12
49.84
4
115.32
7
165.16
2015年10月23日 - 25日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカミルウォーキー 7
59.26
4
119.30
4
178.56
2015年10月12日 - 15日 2015年スケートカナダオータムクラシックバリー 2
59.23
1
120.49
1
179.72
2015年9月16日 - 20日 ISUチャレンジャーシリーズ USインターナショナルクラシックソルトレイクシティ 4
59.66
2
118.25
2
177.91
2014-2015 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2015年3月2日 - 8日 2015年世界ジュニアフィギュアスケート選手権タリン 7
55.95
4
117.49
4
173.44
2015年1月7日 - 10日 2015年メンターネスレネスクイックトルン杯 ジュニアクラス(トルン 1
50.68
1
96.82
1
147.50
2014年11月26日 - 30日 2014年NRW杯 ジュニアクラス(ドルトムント 1
58.72
1
117.40
1
176.12
2014年11月14日 - 16日 2014年メラーノ杯 ジュニアクラス(メラーノ 1
51.02
1
107.57
1
158.59
2014年10月15日 - 19日 2014年ニース杯 ジュニアクラス(ニース 1
46.81
1
108.21
1
155.02
2014年10月1日 - 5日 ISUジュニアグランプリ ブラエオン・シュベルター杯ドレスデン 2
55.31
2
109.48
2
164.79
2014年9月11日 - 14日 ISUジュニアグランプリ メ~テレ杯長久手 1
59.25
5
100.13
3
159.38
2013-2014 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2014年4月2日 - 6日 2014年トリグラフトロフィー ジュニアクラス(イェセニツェ 1
48.97
1
101.71
1
150.68
2014年3月28日 - 30日 2014年ガルデナスプリング杯 ジュニアクラス(ガルデナ 1
52.01
1
105.85
1
157.86
2014年3月10日 - 16日 2014年世界ジュニアフィギュアスケート選手権ソフィア 16
45.62
11
96.10
11
141.72
2014年1月3日 - 6日 2014年ニューイヤーズカップ ジュニアクラス(ブラチスラヴァ 1
48.96
1
83.70
1
132.66
2013年10月9日 - 13日 ISUジュニアグランプリ タリン杯タリン 6
50.27
5
95.58
5
145.85
2013年9月25日 - 29日 ISUジュニアグランプリ ミンスクミンスク 1
53.22
3
97.61
2
150.83
2012-2013 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2013年2月1日 - 3日 ロシアジュニアフィギュアスケート選手権(サランスク 13
53.73
13
97.47
13
151.20

プログラム使用曲[編集]

シーズン SP FS EX
2019-2020[6] 死の舞踏
作曲:カミーユ・サン=サーンス
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調作品18
作曲:セルゲイ・ラフマニノフ
2018-2019 月光ソナタ
作曲:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
振付:ダニイル・グレイヘンガウス
ブエノスアイレスの秋
作曲:アストル・ピアソラ
アダージョ (dedicated to Denis Ten)
ボーカル:ララ・ファビアン
振付:ダニイル・グレイヘンガウス
2017-2018 カルメン幻想曲
作曲:ジョルジュ・ビゼー
編曲:パブロ・デ・サラサーテ
振付:ミーシャ・ジー
The Prayer
ボーカル:セリーヌ・ディオンアンドレア・ボチェッリ
2016-2017 アイ・ガット・リズム
ボーカル:ニッキ・ヤノフスキー
映画『もののけ姫』より
作曲:久石譲
Little Secret
ボーカル:ニッキ・ヤノフスキー
2015-2016[7] 悲しみのクラウン
作曲:スティーヴン・ソンドハイム
アイ・ガット・リズム
ボーカル:ニッキ・ヤノフスキー
パパ、見守ってください 映画『愛のイエントル』より
作曲:ミシェル・ルグラン
振付:デヴィッド・ウィルソン
アイ・ガット・リズム
ボーカル:ニッキ・ヤノフスキー
2014-2015 映画『SAYURI』より
作曲:ジョン・ウィリアムズ
悲しみのクラウン
作曲:スティーヴン・ソンドハイム
2013-2014 アルゼンチンよ、泣かないで リミックス
ミュージカル『エビータ』より
作曲:アンドルー・ロイド・ウェバー
Crystallize
Immortal
Spontaneous

脚注[編集]

  1. ^ ロシア語ラテン翻字: Elizabet Baytakovna Tursynbaeva
  2. ^ a b [1]
  3. ^ Let’s Meet: Elizabet Tursynbaeva (KAZ)
  4. ^ トゥルシンバエワ引退「新しい章の始まり」19年世界選手権2位”. 日刊スポーツ (2021年9月21日). 2021年10月11日閲覧。
  5. ^ 男女シングルSP団体1位、総合団体3位
  6. ^ Ученица Тутберидзе Турсынбаева будет выступать в образе черного ворона. Фото
  7. ^ Skaters gear up for new season at Skate Detroit

参考文献[編集]

外部リンク[編集]