エムケイ (タクシー会社)

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エムケイ株式会社
MK Co.,Ltd
市場情報 非上場
本社所在地 郵便番号:601-8432
京都市南区西九条東島町63-1
設立 1960年(昭和35年)10月26日
業種 陸運業
事業内容 タクシー、貸切バス
代表者 代表取締役社長 青木信明
資本金 9,500万円
外部リンク http://www.mk-group.co.jp/
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エムケイタクシー

エムケイ株式会社MK株式会社という表記もある)とは、京都市南区西九条東島町63-1に本社を持つタクシー会社。

概要[編集]

1960年青木定雄(兪奉植 ユ・ボンシク)が『ミナミタクシー』を創業する。「MK」は創業当時の名称である『ミナミタクシー』と後に併合した『桂タクシー』の頭文字を取ったものである。登記上の本店は、伏見営業所に現在もあり、以前の本社は京都市北区上賀茂西河原町1-1にあった。同社はエムケイ石油株式会社と共にMKグループを展開する会社である。

歴史[編集]

規制緩和の旗手[編集]

タクシー業界の『規制緩和』、特に低運賃や運賃の多様化(後述)の「きっかけ」を創った企業として、またタクシー業界において疎かになりがちだった接客の重要性を業界に広く認識させた点において、一定の評価がある。特に京都市内においては接客マナーの良さや低運賃などから、わざわざ選んで利用する固定客もおり、「業界の風雲児」とのマスコミ評がある。また、森英恵や、コシノヒロコの次女でファッションデザイナーの小篠ゆまといった一流デザイナーの制作した制服がマスコミの評判となるが、償還費用や制服代が高額であるとの指摘がなされた。

エムケイに対する批判と言えば、以前は同業他社からのいわゆる「妬み」の部類であったのも事実であるが、既存事業者や事業者統括団体などと摩擦が絶えないことから、「業界の輪を乱す」といった批判も根強くあり、特に京都市内で計画した循環路線バス事業案における他社や行政との連携を無視した行動には厳しい批判が出た。

GPS配車システム

2001年GPS無線自動配車システム装置を導入した。タクシーの位置をエムケイコールセンターが受信し、エムケイコールセンターが客から電話で受けたタクシーの注文をその客の最も近くにいるエムケイタクシーにコンピューターによって自動的に割り振るというシステムである。 2006年8月、客が自分の携帯電話で走行中のエムケイタクシーに車載する携帯電話に直接配車の予約を入れられる『どこナビ』(東京エムケイでは『PCS』という名称)システムを開始した。

新規サービスの展開

ハイヤーを利用して外国人や修学旅行生等へ観光案内を行ったり、トヨタハイエースを使用して関西国際空港と大阪伊丹空港の利用客を送迎する『エムケイ・スカイゲイトシャトル』というサービスを展開している。 これらのサービスを行う観光案内ドライバーおよび外国語ドライバーには、社内の観光検定の級の取得が義務付けられており、また京都商工会議所が毎年12月に実施する「京都観光文化検定」も取得する必要がある。この2つの級を持たない運転手には観光案内のライセンスは与えられない。

新しい動き

2012年12月4日、韓国中央日報 ソウル聯合ニュースの報道によると、日本のエムケイタクシーが韓国のレンタカー事業に参入するため「エムケイ・コリア株式会社」を設立した。 日本のエムケイタクシーはレンタカー事業と、専用運転手と希望する車をユーザーへ一緒に貸し出すというサービスを提供し、韓国市場に挑む計画である。韓国出身の兪奉植(ユ・ボンシク、青木定雄)会長が1960年代に日本で10台のタクシーで始めたエムケイタクシーは、現在約2000台のタクシーと約30のガソリンスタンドを保有するまでに成長した。韓国のレンタカー市場規模は昨年1兆6500億ウォン(約1250億円)から今年1兆8500億ウォンに増える見込みで、それへの参入である。

交通事故への対応[編集]

交通事故関連では、近年エムケイはタクシーに『ドライブレコーダー』(衝撃あるいは急ブレーキを感知してその前後12秒間の映像をデジタルで記録する車載カメラ)【東京エムケイでは長時間録画できるSDカード記録型車載カメラ】を搭載し、それに記録された実際の事故映像を乗務員教育にとり入れ、事故減少を図る取り組みも行っている。

求人、雇用に対する姿勢[編集]

未経験者への求人ターゲット

エムケイはタクシー業界に悪い意味で染まった乗務員は不要という考え方で、乗務員の採用は基本的に業界未経験者をターゲットにしている。 そのためエムケイ本社(京都)には主に新人のタクシー運転手の教育を目的とした上賀茂トレーニングセンターがある。

常に新人比率が高い状況と問題点

タクシー業界全体の離職率の高さもあり、エムケイでは同業他社に比べ経験豊かな乗務員が育たない難点を抱える。このため採用時も含め定期的な研修が頻繁に行われている。ただし、研修内容についてはエムケイのセールスポイントである接客マナーの実習が中心となってしまっているため、運転技術、特に安全運転や危険予知のスキルアップに繋がっていないという指摘、地理不案内等の指摘、ならびに乗務員としての基本的な知識経験に乏しいまま営業に出される新人運転手が多数存在するという指摘など、厳しい評もある。

運賃値下げ[編集]

地域ごとに統一された運賃体系が当然だった当時のタクシー業界に疑問を投げかけ、エムケイは当時の運輸省(現国土交通省)相手にいわゆる『運賃値下げ裁判』を起こした。この第一審で行政側(運輸省)が敗訴し、後に第二審和解。それを受けて1993年規制緩和(タクシーの『運賃の多様化と需給の弾力化』)が実施され、運賃の値下げが認可されてから、個人客がエムケイを選んで利用する現象が起き、京都エリアにおいて一時『ひとり勝ち』の状態となった。

しかし、1997年にゾーン運賃制が採用されると都タクシーが値下げ(エムケイは即時に追随)。さらに2002年にアオイ自動車及びギオン自動車が値下げし最安値競争が勃発。中型タクシーにおいても2004年に京聯自動車に最安値の座を奪われた。

エムケイは他都市において進出時に低料金を設定して差別化を図ったが、京都以外の一部地域ではわざわざ選んで利用するような個人客は少なく、特に法人のチケット客が多い東京では結局2006年に他社と同じ運賃に値上げしたが、2007年12月時は運賃を据え置いている。しかしながら、札幌では既存のタクシー業界が著しく顧客サービスが劣悪な為、他社を差し置いて選んで利用する個人客が非常に多い[要出典]

営業所[編集]

京都府[編集]

  • 上賀茂(京都市北区上賀茂西河原町)
  • 伏見(京都市伏見区竹田中川原町)
  • 山科(京都市山科区西野小柳町)
  • 洛西(京都市西京区大枝中山町)
  • 西五条(京都市右京区西院久保田町)
  • 宇治城陽(宇治市広野町西裏)
  • 国道十条(京都市南区上鳥羽北花名町)
  • 八幡(八幡市八幡科手)

東京都[編集]

  • 東京エムケイ本社(港区新橋)

大阪府[編集]

  • 大阪エムケイ本社・北営業所(大阪市北区大淀中。コールセンターの機能は、神戸エムケイが行う)
  • 大阪エムケイ大正営業所(大阪市大正区北恩加島)

愛知県[編集]

  • 名古屋エムケイ本社(名古屋市北区金田町。コールセンターは、神戸エムケイ→京都に移管)
  • 名古屋エムケイセントレア営業所(常滑市新開町) - 名古屋本社とはエリアが違うため、運賃体系が異なる。

兵庫県[編集]

福岡県[編集]

滋賀県[編集]

  • 滋賀エムケイ本社(大津市秋葉台)
  • 滋賀エムケイ栗東営業所(栗東市高野)

北海道[編集]

グループ会社[編集]

  • エムケイ石油株式会社(京都市南区)
  • エムケイ観光バス株式会社本社(京都市南区上鳥羽北花名町)
  • エムケイ観光バス株式会社名古屋営業所(愛知県瀬戸市上半田川町)
  • エムケイ観光バス株式会社大阪営業所(大阪府河南町
  • エムケイ観光バス株式会社神戸営業所(兵庫県神戸市中央区)
  • 有限会社東京シティエスコート(東京都新宿区戸塚町)

各地のエムケイタクシーの料金[編集]

  • 京都(エムケイ本社)
    中型タクシー車両(日産セドリック[一部4人乗りあり]とトヨタクラウン): 初乗り運賃2kmまで590円、以後加算運賃が373mごとに80円カウントされる。
    小型タクシー車両(日産クルー/トヨタコンフォート/トヨタプリウス): 初乗り運賃2kmまで580円、以後加算運賃が425mごとに80円。
    きもの着用割引 : 1割引
    遠距離割引 : 5000円を超過した分に対し、5割引。深夜早朝割増は2割増し。
  • 東京(東京エムケイ)
    中型のみ : 初乗り運賃2kmまで660円、以後加算運賃が274mごとに80円カウントされる。 ※大手同業他社:初乗り運賃2kmまで710円、以後加算運賃が288mごとに90円
    遠距離割引 : 9000円を超過した分に対し、1割引
    深夜早朝割増 : 午後11時から翌朝午前5時まで、1割増し。   ※大手同業他社:午後10時から翌朝午前5時まで、2割増し
    敬老割引 : 70歳以上が利用した場合その旅客の申し出により、1割引。
    障害者割引 : 1割引   ※障害者割引と敬老割引の併用は不可
    無線配車による迎車回送料金 : 初乗り料金同額の660円を限度にエムケイグループで唯一徴収している。
    無線待ち料金 : 到着5分後から50秒待機するごとに80円カウントされる。(2006年10月21日から導入)
    早朝予約料金 : 午前5時から午前10時までの時間指定配車予約につき、400円。(2006年9月1日から導入)
    ハイグレード車種である「レクサス・LS」と「エスティマ・ハイブリッド」「メルセデスベンツ・E320 CDI」「フーガハイブリッド」「ゼロクラウン」「ヴェルファイア」について指定配車予約をする場合、別途1,000円のハイグレード車両予約料金が請求される。   ※会社都合でこれらの車種を配車された場合を除く
    ただしPCSを利用した場合は、平日の深夜早朝割増時間帯と土日祝日(終日)に限り、迎車料金無料となり、レクサスLS600hLを除くハイグレード車配車料金も無料となる。
  • 大阪(大阪エムケイ)
    中型のみ : 初乗り運賃2kmまで580円、以後加算運賃が194mごとに50円カウントされる。
    遠距離割引 : 5000円を超過した分に対し、5割引。深夜早朝割増は2割増し。
  • 名古屋(名古屋エムケイ)
    中型のみ:初乗り運賃1.3kmまで400円、以後加算運賃が197mごとに50円カウントされる。
    遠距離割引:5000円を超過した分に対し1割引。深夜早朝割増は2割増し(以上、2008年5月時点)。
  • 新規参入の滋賀・福岡エムケイについては不明。
  • 神戸(神戸エムケイ)
    中型のみ:初乗り運賃1.8kmまで550円、以後加算運賃が194mごとに50円カウントされる。
    遠距離割引:5000円を超過した分に対し、5割引。深夜早朝割増は2割増し。
  • 札幌(札幌エムケイ)
    中型のみ:初乗り運賃1.6kmまで550円。
    札幌市内~新千歳空港間の定額タクシー6000円~(札幌中心部からは7800円)
    札幌市内~旭山動物園間の定額タクシー17900円~(札幌中心部からは19000円)

諸問題[編集]

同社は、独創的な経営・サービスで京都のタクシー会社の大手の一つとして成長し、タクシー業界における規制緩和の『きっかけ』を創った会社である。具体的には、ハイヤー並のドア開閉サービス、新卒採用の学士ドライバー(1975年)、禁煙車両(1992年)、きもの割引(2003年)、空港乗り合いタクシー、月2回の『エムケイ新聞』発行など、既存事業者にないアイデアを次々と打ち出し、同業他社と比べ安価な運賃のタクシー会社で、予約の多いタクシー会社である、という高い評価を得た。

その一方で、「オーナー」青木自身による「運転指導」における従業員へのパワハラ、2009年6月9日、第171回通常国会の衆議院国土交通委員会において車両・備品の運転手負担制が問題とされる(委員から「低運賃競争がなぜ可能なのか、それは、事実上のリース制によって、収益が減るリスクは運転者に負わせ、経営者が損をしない仕組みとなっている」との指摘を受けた)等している。2010年2月17日、同社グループ福岡エムケイが国を相手に起こした訴訟(公開の裁判)で、国側はエムケイ側の経営手法などに対し憲法に定められる「公共の福祉」に反すると明言した旨を、青木義明社長は意見陳述で述べた。

2012年12月5日に、 札幌市のタクシー会社の札幌エムケイの元運転手の男女7人が、計約1800万円の支払いを同社に求め札幌地裁に提訴したことがわかった。訴状によると、同社は10分以上の停車を休憩時間として扱うほか、飲酒検査や点呼、帰社後のタクシーの洗車時間を労働時間に含めていない。原告側はこれらの時間にも賃金が支払われるべきだとしている。原告側弁護士によると、7人は給与明細と自ら作成していた出勤記録から請求額を算出した[1]

2012年12月6日北海道新聞朝刊によると、元運転手7人はいずれも2年ほど同社に在籍し今年退職した。飲酒検査・点呼・帰社後のタクシーの洗車時間は、計約3時間であった。7人は未払い賃金計約1800万円と、これと同額の付加金(制裁金)の支払いを求めている。7人は、本来支払われるべき賃金のうち、1人最大414万円が未払いになっていると訴えている。同訴訟をあつかっている「北海道タクシー労働者支援弁護団(連絡先札幌市中央区たかさき法律事務所TEL011-261-7738)」のホームページによると、札幌エムケイにおいては賃金の詳しい計算方法は従業員に知らされておらず、一部の原告がメモしていた出退勤時間を基礎にして時間外手当を計算したところ不足分があったとする。なお同様の訴訟が大阪地裁でおこなわれ2009年9月大阪エムケイ(代表取締役社長青木義明)は敗訴した(2009年9月24日大阪地方裁判所 いわゆる『給料0円裁判』 読売新聞報道)。

2013年5月22日MSN産経ニュースによると、在日韓国人系の近畿産業信用組合(大阪市)は21日、青木定雄会長(タクシー大手「エムケイ」の創業者)と、定雄の実弟である青木秀雄副会長を解職し同時に代表理事から常勤理事に降格させ、3男の青木義明副理事長(兼大阪エムケイ代表取締役社長)を非常勤理事に降格したと発表した。会見に出席した大本崇博(韓国名ソ・ウォンギル)理事長は青木定雄が「世襲による組合の私物化を図った」と降格人事の理由を説明した。近畿産業信用組合は企業統治(ガバナンス)の問題が原因で平成16年に金融庁から業務改善命令を受けており現在も解かれていない。2013年06月05日韓国中央日報によると、6月3日に開催された臨時総代会によって3人全員を非常勤理事とする、さらに降格となる人事案が可決された。大本崇博理事長による青木定雄一派への降格人事によって、近畿産業信用組合から主たる取引金融機関として金融支援(融資など)を受けてきたエムケイタクシーの経営も危うくなるだろうという指摘も出ていると言う。

「東京エムケイ」(東京都港区)の運転手らが、未払い賃金の支払いを求める訴訟を2013年12月までに相次いで東京地裁に起した。請求額は約4億円に上る。最終的には全従業員の1割近い約50人になる見通し。同社はハローワークの求人票などで「固定月給35万円」として運転手を募集。だがたとえ月8日から9日の公休日以外すべて出勤しても、基本給に諸手当を加えた月額は約20万円にしかならないという。また営業前の車の点検や営業終了後の洗車、運行記録の記入時間などについやす1日約2〜3時間が残業時間に算入されない。このため月額10万〜30万円が未払いだと主張している。だが同社側は「固定月給35万円」は公休日に出勤した手当や残業代なども含む、点検や洗車に2時間もかからず、その前後合計30分を勤務時間に算入しているなどと反論している[2]

このように同社の経営手法や評価には、高いものと単に同業他社の妬みの部類ではない厳しいものがあり、賛否両論がある企業としても知られている。

福岡の第一交通産業グループ同様に全国展開を図っており、東京(東京エムケイ株式会社[東京MK株式会社])、大阪(大阪エムケイ株式会社[大阪MK株式会社])、兵庫(神戸エムケイ)、愛知(名古屋エムケイ)、福岡(福岡エムケイ[福岡MK株式会社])を設立、各種許認可を経て営業を開始した。なお、東京エムケイ株式会社については、『レモンガス』ブランドでLPガス事業を行うカマタとの合弁である。

近年では、貸切バス事業や学校などの特定輸送バス事業にも進出している。ただし、京都市内で計画した循環路線バス事業については、京都市交通局は勿論、ならびに他の交通事業者や京都商工会議所等からも難色を示され、結局、京都市長の諮問機関『京都のバス事業を考える会』の最終答申([1])に基づき、京都市交通局の既存路線の一部の運行を小型バス・ジャンボタクシーで行う「代替モデル実証実験」へ参加することで決着し、循環路線バス事業計画は取り下げた。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]