エナメル上皮腫
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エナメル上皮腫(エナメルじょうひしゅ)は歯原性腫瘍の一種で、良性腫瘍。実質はエナメル器に類似している。歯原性腫瘍の中でもっとも多い腫瘍である。
エナメル上皮腫は上皮性腫瘍であり、十代から二十代の男性に好発する。主に下顎骨の臼歯部に発生し、上顎骨に発生することは少ない。まれではあるが、骨外性(歯肉)に発生することもある。濾胞型と叢状型があり、前者が多い。
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[編集] 分類
2005年のWHO分類より、亜型が明記されるようになった。
[編集] 充実/多嚢胞型エナメル上皮腫
歯原性腫瘍の中で最も代表的な腫瘍で、つまりはエナメル上皮腫中でも最も代表的なものである。アジアにおいては歯原性腫瘍の約50%を占め、欧米では10~20%程度である。好発年齢は30-40歳(平均37歳)で、性差は男性の方がやや多い。80%以上が下顎に生じ、特に大臼歯部から下顎枝にかけて多い。顎骨中心性である。発育緩慢な顎骨の豊隆や、骨破壊性に発育する。皮質骨を穿孔し骨外に増殖することがあるなど、良性腫瘍にも関わらず局所浸潤性を示す。エックス線像は、scallopingと呼ばれる多房性の骨破壊像を見せる。またしばしば埋伏歯を伴う。処置法によってはしばしば再発し、ごく稀に悪性化する。
さらに組織像的に濾胞型と叢状型にわけられ、濾胞型には棘細胞腫型と顆粒細胞型という細胞性亜型がある。
[編集] 骨外型/周辺型エナメル上皮腫
エナメル上皮腫の2-10%程度の発生頻度である。エプーリス様に歯肉や歯槽粘膜に発生し、下顎の特に小臼歯・前歯部に後発である。性差としては男性が多く、好発年齢は平均52歳である。再発率は低い。
[編集] 線維形成型エナメル上皮腫
エナメル上皮腫の約10%程度の発生頻度である。上下顎で発生頻度の差はなく、前歯部・小臼歯部に約80%が発生する。エナメル上皮腫としては非定形的なエックス線像を見せる。組織像としては、コラーゲン線維に富む間質中に索状から小さな島状の胞巣を示し、扁平上皮化生を伴う。再発率は充実型とほぼ同じ程度かやや低い。
[編集] 単嚢胞型エナメル上皮腫
エナメル上皮腫の5-15%の発生頻度である。好発年齢は10-20歳代。下顎に90%以上が発生し、特に臼歯部に多い。80%以上が下顎埋伏の第3大臼歯と関係があり、含歯性嚢胞のようなエックス線透過像を示す。
[編集] 症状
顎骨の無痛性の腫脹や変形、それに伴う歯の移動が見られる。進行すると骨が菲薄化するために羊皮紙様感や波動が確認できる。
[編集] 診断と治療
X線で撮影すると、単胞性のケースと多胞性のケースがあり、前者は摘出・掻爬術が可能であるが、後者は切除を行う必要がある。
また、付近の歯根にてナイフカットと呼ばれる特徴的な吸収が見られる。
[編集] 参考文献
- 鈴木鍾美 『口腔病理学』 医歯薬出版 1997年 ISBN 4263453611
- 高田隆他 『口腔病理アトラス』 文光堂 2006年 ISBN 4830670037
- 二階宏昌 『顎口腔の病変』 杏林書院 1997年 ISBN 4764400405

