エドモンド・モレル

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エドモンド・モレル(日本鉄道史より)

エドモンド・モレルEdmund Morel1840年11月17日 - 1871年11月5日明治4年9月23日))は、イギリス鉄道技師である。来日前は、ラブアン島(北ボルネオ)の鉄道敷設を指揮。

日本の鉄道は、まずイギリスから技術を導入して建設された。明治初頭の日本に自前で鉄道を建設する技術はなく、建設指導の技師ばかりでなく、機関士などの要職も全てイギリス人が務めた。鉄道開業時に使用された蒸気機関車も、全てイギリスから輸入された。現在も受け継がれている鉄道の左側通行、車両との段差をなくすホーム、そのホームに面して改札口を設けるスタイルなども、全てイギリス流である。技術指導の為に来日した外国人は、「お雇い外国人」と呼ばれた。明治政府によって雇用された身分ではあったが、中には、当時の最高首脳・太政大臣の倍以上の報酬を受け取っていた者もいたと言う。彼らは鉄道だけでなく、外交、医療、教育、工業、軍事など、あらゆる現場に赴任し、西洋式の技術、文化の普及に努めた。鉄道に従事した、お雇い外国人の筆頭に挙げられるのが、建築師長として招聘された、エドモンド・モレルである。1841年に、イギリスのピカデリー、ノッティング・ヒルに生まれたモレルは、ロンドンキングス・カレッジなどで土木技術を学び、イギリス公使ハリー・パークスの推薦を受けて、1870年(明治3年)に来日した。

新橋~横浜間の鉄道を、1日でも早く完成させるよう、また、「森林資源の豊富な日本では木材を使った方が良い」と政府に進言したモレルは、自ら献身的に働く一方で、イギリス製の鉄製の物を使用する予定だった枕木を、国産の木製に変更するなど日本の実情に即し、将来をも視野に入れた技術を行ったことから、「日本の鉄道の恩人」と賛えられている。しかし、来日時には既に肺を患っていたと言うモレルは、1871年(明治4年)休職してインドへの転地療養を願い出る。政府はモレルの功績に応じて5000円の療養費を与え、願い出を許可したが、日本の鉄道の開業を目前にして結核で早逝、妻も12時間後、後を追うように亡くなった。モレルの意志は、建築副役のジョン・ダイアックらに受け継がれ、1872年(明治5年)に日本の鉄道は開業した。それまで東京と横浜の間は、徒歩で1日を要する道のりだったところ、新橋(現・汐留)~横浜(現・桜木町)間29キロの所要時間は53分で、その圧倒的な速度は明治の人々を驚かせたと言う。モレルと同じく外国人墓地に設けられた、ジョン・ダイアックなど数名の墓についても、準鉄道記念物に指定されている。

桜木町駅近くにはモレルを記念した「モレルの碑」が「鉄道発祥記念碑」とともに設置されている。1870年(明治3年)5月28日、民部大蔵少輔兼会計官権判事であった伊藤博文に近代産業と人材育成の機関作成を趣旨とする意見書を提出している。また民部大蔵大輔の大隈重信と相談の上、我が国の鉄道の軌間を1067ミリの狭軌に定めている。

横浜市横浜外国人墓地内にあるモレルの墓所は、1962年鉄道記念物に指定された[1]。墓石の脇にはが植えられ夫婦愛を称えるため「連理の梅」と呼ばれたが、関東大震災の際に荒廃した。国鉄時代に新たに梅が植えられ、2009年3月にも一本植樹された[2]

モレルの名は、JR東日本グループのホテルエドモント(現ホテルメトロポリタン エドモント)の由来にもなった、という説は誤り。

[編集] 脚注

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  1. ^ なお『日本鉄道史』およびそれを参考にしたと思われる墓(後世の横浜市民が私財を投じて再建)には彼の死去の日を9月24日としているが、記念物としての由来を語る碑には「9月23日」としているため、そちらを採用している記述も多い。さらになぜか「9月23日」となっている墓の写真さえ流布したことがある。またまだ太陽暦採用以前であるが、1871年9月24日(または23日)と混同した記述がされることも多い。以上、中川 1982参照。
  2. ^ 松本典久『トランヴェール』2009年4月

[編集] 参考文献

  • 中川浩一「外人墓地に眠るエドモンド・モレル」『鉄道ピクトリアル』No.399 1982年1月号 85-88頁
  • 林田治男「鉄道技師モレルの経歴と貢献」大阪産業大学経済論集第7巻第3号、2006年
従来伝えられていた生没年月日、来日前の経歴、日本人妻説等をイギリスの公文書(出生証明書、結婚証明書、死亡証明書)その他の資料により否定している。
  • エドモンド・モレル「工部省設置についてのモレルの建議(明治3年4月)」『日本近代思想大系 8』岩波書店、1988年
  • ジパング倶楽部「横浜外国人墓地」、第27巻2号、通巻307号、平成23年1月25日(毎月1回25日)発行、交通新聞社、2011年2月

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