エジプト鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

エジプト鉄道 (Egyptian National Railways, ENR)エジプト国有鉄道で、公社形態のエジプト鉄道機関 (Egyptian Railway Authority, ERA) によって運営されている。

歴史[編集]

エジプトの鉄道はアフリカ・中東地域では最も長い歴史を有しており、1854年にアレクサンドリアとカフル・イッサ間が開業、その2年後にアレクサンドリアカイロ間が全通した。 1891年にはカイロ近辺でナイル川を渡るインババ橋が開通した。イギリス及びフランス両国の支援を受けて、第一次世界大戦前には総延長3,000キロに達するなど、鉄道網は急速に発達した。 2001年にはスエズ運河を横断するエル・フェダン鉄橋が開通し、世界最長の旋回橋である。

運営[編集]

2005年現在、エジプト鉄道は5,063キロの標準軌路線を運行している。2003/2004年度は、年間約4億1,800万人(国内の人員総輸送量の約39%)の旅客と、約1,200万トン(国内の貨物総輸送量の約9%)の貨物を輸送した。[1]

鉄道網はほとんどナイルデルタに集中し、カイロから放射状に伸びている。また地中海岸を西進してリビアに至る路線も、第二次世界大戦中に開通している。カイロからはナイル川の東岸に沿って、幹線がアスワンに至っている。隣国のイスラエルも同様の標準軌鉄道だが、現在は接続されていない。南隣のスーダンは狭軌鉄道があり、アスワンダムを船便で移動し、接続することができる。

旅客列車[編集]

エジプト鉄道は、同国の旅客輸送で重要な役割を占めている。通常、冷房車両は1等車か2等車、非冷房車両は2等車か3等車である。特に3等車、通勤列車の運賃は、社会政策上、低廉に設定されている。

アレクサンドリア~カイロ~アスワン間には、冷房付の寝台列車が毎日運行されており、特に旅行者に人気がある。

またアレクサンドリア~カイロ間には、ガスタービンエンジンを動力とする、フランスからの輸入車輌による高速列車「ターボトレイン」も運行されている。

課題[編集]

2002年に列車火災事故(死者373人)、2006年の列車衝突事故(死者58人)などをはじめとする重大事故が多発しており、安全性の確保、施設の整備維持が課題となっている。

脚注[編集]

  1. ^ エジプト運輸事情(2006年9月、財団法人運輸政策研究機構)

外部リンク[編集]