エクサクタ

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エクサクタExakta )はイハゲー一眼レフカメラに使ったブランドである。ペンタコンに引き継がれた。普及機であるエクサについても合わせて解説する。以前はエキザクタと表記されることが多かったが、英語読みやフランス語読みでも「エグザクタ」になるのでこれは誤りである[1]

120フィルム使用カメラ[編集]

  • エクサクタ6×61938年[2]または1939年発売) - 6×6cm判。自動巻き止め。戦争に突入したため数が少ない。
  • エクサクタ6×6II1953年発売) - 6×6cm判。角型になっている。非常に故障しやすい[3]
  • エクサクタ66 - 1984年のフォトキナに出品され、「東ドイツと西ドイツの協力により生まれた」として話題になった[4]。6×6cm判。レンズマウントはペンタコン6と共通。
  • エクサクタ66II - 6×6cm判。
  • エクサクタ66III - 6×6cm判。
スタンダード・エクサクタ

127フィルム使用カメラ[編集]

  • スタンダード・エクサクタStandard-Exakta1933年発表[5][6]) - 4×6.5cm判。最初のエクサクタブランド製品。カール・ニヒターラインにより設計された。英語圏ではヴェスト・ポケット・コダックと同じフィルムを使用することからヴェストポケットエクサクタVest Pocket Exakta )と通称されている。バヨネットマウント。フィルムの装填は赤窓式。レバー巻き上げでシャッターチャージやミラーチャージを行なえる初めての一眼レフカメラであった。またシンクロ接点を内蔵した最初の量産カメラとしても知られている。1934年にはフィルム巻き上げがトップレバー式に改良された[7]

135フィルム使用カメラ[編集]

エクサクタ[編集]

レンズマウントはφ38.2mm三本爪バヨネット式のエクサクタマウントで、事実上の世界統一規格の一つとなり、多数のメーカーがレンズ製品を製造した。カメラ製品でも東京光学機械(現トプコン)がトプコンRシリーズに、マミヤ光機(現マミヤ・オーピー)がマミヤプリズマットシリーズの一部に採用した。

  • キネ・エクサクタKine-Exakta1936年発表[8]1936年発売[9]または1937年発売[10]) - 24×36mm判。127フィルムを使用するエクサクタに続き、映画用35mmフィルムを使用するこのカメラが発売された。35mmフィルムを使う一眼レフカメラとして非常に初期の製品の一つである。キネ(ドイツ語: Kine , 「映画」の意)とはライカ判が使用するフィルムが映画用35mm規格だったことに由来する。日本では「キネエキ」と通称された。当時は非常に高価で、「値段は聞かぬが花」と言われた。ファインダーはウェストレベルファインダー固定。初期型はファインダールーペが丸型で、数が少なく珍重されているが1937年型から角型になった。フィルム巻き上げは左手で約300°巻き上げるレバー式で、シャッターレリーズボタンも左手で押すため「設計者が左利きだった」という俗説があるが、佐貫亦男は「スローシャッターとセルフタイマーを兼ねるガバナーが強く、右手でないと巻けないから」と推測している[11]。シャッターは布幕フォーカルプレーン式で高速側シャッターダイヤルが左手側にありT、B、1/25〜1/1000秒、高速ダイヤルをBかTに設定した場合、右手側にあってセルフタイマーとガバナーを兼用しているスローシャッターダイヤル設定にて1/5〜12秒。戦後にも東ドイツで再生産されたが、英米輸出用はドイツに対する反感を考慮しドイツ語を感じさせないようスペルが"Exacta"になっている[12]
  • キネ・エクサクタII - ファインダーフードの前面にカバーがついた。スペルが"Exakta"に戻った[13]
  • エクサクタヴァレックスExakta Varex1950年発売[14])/エクサクタVX - ファインダーを上に抜いて交換できるようになり、ダハプリズムによるアイレベルファインダーも用意された。レンズマウントはエクサクタマウント。対アメリカ輸出分は商標の関係で単に「VX」とされている。単に「V」とされている個体もある。
  • エクサクタヴァレックスII
  • エクサクタヴァレックスIIa(1958年頃発売)
  • エクサクタIIb(1964年発売) - シャッターダイヤルは倍数系列、巻き戻しはクランクになるなど機構的にはかなり発展しているが日本製カメラに押されて仕上げは悪化している。
  • エクサクタVX1000(1965年頃発売) - エクサクタでは初めてクイックリターンミラーを採用したが故障が多い[15]
  • エクサクタVX500 - エクサクタVX1000からスローシャッター、T、1/1000秒、セルフタイマー、フィルムカッター、FP接点を除いた簡易型[16]
  • エクサクタRTL1000 - ペンタコンのプラクチカLをエクサクタマウントとしたもの。交換ファインダーは従来型と互換性がない。

使用できるレンズについてはエクサクタマウントレンズの一覧参照のこと。

エクサ[編集]

1950年からエクサクタとマウント共通の普及シリーズとして発売された。ミラーシャッターで有名である。

  • エクサExa 、1950年発売[17]
  • システムエクサSystem Exa
  • エクサIExa I
  • エクサIaExa Ia
  • エクサIIaExa IIa
  • エクサ500Exa 500 、1967年発売)/エクサクタ500 - ファインダーは交換できない。縦走り布幕シャッターで幕速が高速化され1/60秒でシンクロする。ミラーがクイックリターン式となった[18]。生産途中でエクサクタ500に改名された。

使用できるレンズについてはエクサクタマウントレンズの一覧参照のこと。

以降はエクサブランドであるが、レンズマウントがM42に変更されている。

  • エクサIbExa Ib
  • エクサIcExa Ic

使用できるレンズについてはM42マウントレンズの一覧参照のこと。

アクセサリー[編集]

  • ステレフレックス - ステレオ写真を撮影するオプション。焦点距離が50mmの撮影レンズ前面に取り付けるプリズムと、双眼ファインダーのセットで構成される。双眼ファインダーで覗くことにより撮影前にステレオ効果を確認することができる。また左右に板バネを備えた枠をファインダー部分の下端磨りガラス面に取り付け枠にステレオフライドを差し込むことでビューワーとしても使用できる[19]
  • スプリットイメージスクリーン(1953年発売) - カール・ツァイスが発売したもので、一眼レフカメラ用スクリーンにスプリットイメージを採用したのは世界でエクサクタが初めてである[20]

エクサクタ・レアルマウントカメラ[編集]

  • エクサクタ・レアルExakta Real 、1966年[21]または1967年発売[22]) - 日本製カメラの攻勢に押されて旧態化して行くエクサクタを見るに見かねて元設計者が商標権侵害を承知で西ベルリンにてイハゲーを立ち上げ製造したカメラ。フィルム巻き上げは右手で巻き上げるレバー式になっている。シャッターレリーズボタンは左右両側に設置されている。シャッターは布幕フォーカルプレーン式、B、T、2-1/1000秒。従来スローガバナーと兼用だったセルフタイマーは独立した。ファインダーは交換できるが、後ろへスライドさせて抜く形式でヴァレックスとの互換性はない。1967年版『世界のカメラ』はCdS素子のTTL露出計を内蔵したシャハト製アイレベルファインダー、トラヴェマートが用意されたとするが、そこに写っている製品は図面から明らかにレアル用ではない[23]。少数しか売れず、珍品として収集の対象となっている[24]
  • エクサクタツインTL1000Exakta Twin TL 、1970年発売) - 西ドイツ国内の人件費・物価高騰により製造をコシナに委託し、これ以降日本製となる。エクサクタ・レアルマウント[25]

エクサクタ・レアルマウントレンズ[編集]

レンズマウントはφ46mmに一回り大径化され内式自動絞り機構を備える専用バヨネットマウントとなってレンズがシュナイダー・クロイツナッハ、アルバート・シャハトから供給された他、旧来の豊富なエクサクタマウントレンズを使用できるマウントアダプターも販売された。

  • エクサクターExaktar )50mmF1.8 - 自動絞り。5群6枚。日本製。
  • クセノンXenon )50mmF1.9 - 開放測光。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『ツァイス・イコン物語』p.118。
  2. ^ カメラレビュー増刊『クラシックカメラ専科』P104。
  3. ^ カメラレビュー増刊『クラシックカメラ専科』P104。
  4. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.82。
  5. ^ カメラレビュー増刊『クラシックカメラ専科』P104。
  6. ^ 『クラシックカメラ専科No.4、名機の系譜』p.46。
  7. ^ 『クラシックカメラ専科No.4、名機の系譜』p.46。
  8. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.17。
  9. ^ カメラレビュー増刊『クラシックカメラ専科』P104。
  10. ^ 鈴木八郎著、現代カメラ新書No.6『クラシックカメラ入門』P92。
  11. ^ 『ドイツカメラのスタイリング』p.97。
  12. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.135。
  13. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.135。
  14. ^ 『クラシックカメラ専科No.4、名機の系譜』p.49。
  15. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.139。
  16. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.140。
  17. ^ 『クラシックカメラ専科No.4、名機の系譜』p.49。
  18. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.28。
  19. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.83。
  20. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.142。
  21. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.29。
  22. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』裏表紙。
  23. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.141。
  24. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.29。
  25. ^ 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』p.85。

参考文献[編集]

  • 鈴木八郎著、現代カメラ新書No.6『クラシックカメラ入門』
  • 『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ
  • 『クラシックカメラ専科No.4、名機の系譜』朝日ソノラマ
  • 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』朝日ソノラマ
  • 佐貫亦男『ドイツカメラのスタイリング』グリーンアロー出版社 ISBN4-7663-3189-3
  • 竹田正一郎『ツァイス・イコン物語』光人社 ISBN978-4-7698-1455-9

外部リンク[編集]