エイシンドーバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エイシンドーバー
2008年11月23日 京都競馬場
欧字表記 Eishin Dover[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2002年5月15日(22歳)[1]
抹消日 2010年10月15日
Victory Gallop[1]
エイシンジョージア[1]
母の父 Kris S.[1]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ケンタッキー州[1]
生産者 Columbiana Farm[1]
馬主 平井豊光[1]
調教師 湯浅三郎栗東
小崎憲(栗東)
[1]
競走成績
生涯成績 34戦7勝[1]
獲得賞金 3億1340万7000円[1]
勝ち鞍
GII 京王杯スプリングC 2007年
GIII 阪急杯 2007年
テンプレートを表示

エイシンドーバー(欧字名:Eishin Dover2002年5月15日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍に2007年京王杯スプリングカップ阪急杯

馬名の由来は、冠名+「ドーバー海峡」より。

戦績[編集]

2004年10月23日、デビュー戦となった京都競馬場での2歳新馬戦(芝1400m)では幸英明が騎乗し1番人気に支持されるも、後に新潟大賞典を制すブライトトゥモローに敗れ2着だった。なおこのレースには、他にもマルカラスカルサンライズバッカスも出走していた。2戦目の未勝利戦では、2番人気に支持され、レースでは1番人気だったマルカラスカルに勝利し2戦目で初勝利を挙げた。

2005年の4戦目、都井岬特別で500万下条件を勝ち上がり、その後藤岡佑介に乗り替わって、保津峡特別(1000万下条件)、オリオンステークス(1600万下条件)を制し3連勝でオープン馬となった。

2006年、重賞初挑戦となった京都金杯では、川島信二が騎乗し4位に入線するが、最後の直線でチアフルスマイルとメイショウオスカルの進路を妨害したため12着へ降着となった。再び藤岡佑介が騎乗した小倉大賞典では1番人気に支持されたが2着、その後、中京記念新潟大賞典と重賞を2戦走り、いずれも2番人気に支持されたが、それぞれ4着と5着に敗れた。初のGIとなった安田記念では蛯名正義が騎乗し、最低人気の18番人気で12着に終わった。その後、1600万下クラスに降級となり出走したゴールデンホイップトロフィーでは、クレイグ・ウィリアムズが騎乗し約1年ぶりの勝利を挙げた。ちなみにクレイグ・ウィリアムズにとってはこれがJRA初勝利となった。

2007年、前年と同じく京都金杯、小倉大賞典に出走するもいずれも2着だった。そして迎えた阪急杯は、調教師湯浅三郎が2月いっぱいで定年引退するために湯浅厩舎所属としての最後のレースとなり、プリサイスマシーンと同着ながら重賞初勝利を飾り、湯浅師の引退に華を添えた。 3月より小崎憲厩舎に転厩し、転厩初戦のマイラーズカップは6番人気で7着に終わった。次の京王杯スプリングカップでは、5番人気ながらクビ差で制し、重賞2勝目を挙げた。しかし続く安田記念では6着に敗れた。レース後は放牧に出され、秋は前哨戦を回避し第24回マイルチャンピオンシップでレースに復帰したが、8番人気で7着だった。その後、阪神カップに出走し、ローレルゲレイロと同着の4着となり、1年間に2度の同着を経験することになった。

2008年、3年連続で京都金杯に出走するが、7着に敗れた。続いて、前年制した阪急杯には出走せず、同じ日に行われた中山記念に出走するが惜しくも2着だった。その後のマイラーズカップ、安田記念では3着だった。秋初戦は富士ステークス。1番人気に支持されたが4着だった。その後、本番のマイルチャンピオンシップでは16着と大敗した。続く阪神カップでも15着と大敗した。

2009年、富士ステークスで復帰したが見せ場がなく16着と大敗した。この年は1戦のみに終わった。

2010年金鯱賞では好位追走も直線で一杯になり10着と大敗した。函館記念でも金鯱賞同様の競馬で11着に終わった。札幌記念では最後方から追い上げるも8着、初のダート戦となったエルムステークスでは好位追走も4コーナー付近で後退してしまい12着と惨敗が続き、ついに10月15日付けで登録を抹消して引退、愛知県日進市の愛知牧場で乗馬となることになった[2]。その後、名古屋大学に移動し馬術大会に出場[3]、2019年に退厩した[4]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
備考
2004.10.23 京都 2歳新馬 芝1400m(良) 15 6 11 003.40(1人) 02着 R1:23.4(35.5) -0.2 0幸英明 55 ブライトトゥモロー 436
0000.11.20 京都 2歳未勝利 芝1400m(良) 12 5 5 002.80(2人) 01着 R1:23.3(36.3) -0.1 0幸英明 55 マルカラスカル 438
2005.05.21 中京 3歳500万下 芝1200m(良) 17 6 12 016.90(6人) 03着 R1:08.5(34.5) -0.2 0幸英明 56 マッハジュウクン 446
0000.06.19 阪神 戎橋特別 500万下 芝1600m(良) 10 1 1 006.70(4人) 02着 R1:35.2(35.4) -0.2 0幸英明 54 ロードアルティマ 444
0000.07.16 小倉 足立山特別 500万下 芝1800m(良) 10 6 6 003.90(2人) 02着 R1:47.4(34.7) -0.3 0幸英明 54 マヤノグレイシー 442
0000.07.31 小倉 都井岬特別 500万下 芝1800m(良) 8 8 8 001.40(1人) 01着 R1:49.4(35.4) -0.1 0幸英明 54 (ナンゴクライデン) 446
0000.10.30 京都 保津峡特別 1000万下 芝1600m(良) 13 7 10 008.60(6人) 01着 R1:34.3(34.6) -0.0 0藤岡佑介 55 (トーワクリスタル) 442
0000.12.18 阪神 オリオンS 1600万下 芝2000m(良) 12 8 11 017.90(5人) 01着 R2:04.3(35.3) -0.2 0藤岡佑介 56 (ダイタクアルビン) 454
2006.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 16 5 9 011.90(5人) 12着 R1:34.0(34.5) -0.0 0川島信二 53 ビッグプラネット 454 [注 1]
0000.02.04 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 16 6 12 003.90(1人) 02着 R1:47.3(34.7) -0.1 0藤岡佑介 54 メジロマイヤー 454
0000.03.05 中京 中京記念 GIII 芝2000m(良) 13 2 2 004.40(2人) 04着 R1:58.6(36.5) -0.4 0藤岡佑介 55 マチカネオーラ 452
0000.05.06 新潟 新潟大賞典 GIII 芝2000m(良) 16 5 10 005.20(2人) 05着 R1:59.6(35.1) -0.5 0藤岡佑介 55 オースミグラスワン 448
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 7 13 169.1(18人) 12着 R1:33.9(34.7) -1.3 0蛯名正義 58 ブリッシュラック 440
0000.12.03 阪神 ゴールデンホイップT 1600万下 芝1600m(良) 14 6 9 005.00(3人) 01着 R1:34.1(33.9) -0.0 0C.ウィリアムズ 58 ブルーメンブラット 460
2007.01.06 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(稍) 16 4 7 013.60(8人) 02着 R1:34.1(34.6) -0.2 0蛯名正義 55 マイネルスケルツィ 464
0000.02.03 小倉 小倉大賞典 JpnIII 芝1800m(良) 15 3 5 003.10(2人) 02着 R1:47.0(35.4) -0.2 0蛯名正義 56 アサカディフィート 458
0000.02.25 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m(良) 16 3 5 009.60(4人) 01着 R1:20.5(34.4) -0.1 0幸英明 56 プリサイスマシーン 460
0000.04.14 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 15 8 14 009.30(6人) 07着 R1:33.1(33.8) -0.9 0幸英明 57 コンゴウリキシオー 466
0000.05.12 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 18 4 8 007.80(5人) 01着 R1:20.0(34.0) -0.0 0福永祐一 57 (シンボリエスケープ) 458
0000.06.03 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 5 10 014.80(6人) 06着 R1:32.8(34.3) -0.5 0福永祐一 58 ダイワメジャー 466
0000.11.18 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 1 2 020.80(8人) 07着 R1:33.4(34.8) -0.7 0C.ルメール 57 ダイワメジャー 464
0000.12.16 阪神 阪神C JpnII 芝1400m(良) 18 4 7 004.30(2人) 04着 R1:20.8(34.6) -0.2 0福永祐一 57 スズカフェニックス 462
2008.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 16 3 6 014.40(6人) 07着 R1:34.2(34.5) -0.6 0藤岡佑介 58 エイシンデピュティ 464
0000.03.02 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 16 8 16 020.70(7人) 02着 R1:47.6(34.2) -0.3 0蛯名正義 58 カンパニー 464
0000.04.19 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 15 4 6 006.60(3人) 03着 R1:33.7(34.0) -0.1 0福永祐一 58 カンパニー 460
0000.06.08 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 2 3 033.60(9人) 03着 R1:33.4(34.3) -0.7 0福永祐一 58 ウオッカ 464
0000.10.25 東京 富士S GIII 芝1600m(良) 18 2 3 003.50(1人) 04着 R1:33.0(34.4) -0.3 0内田博幸 57 サイレントプライド 456
0000.11.23 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 8 18 038.9(13人) 16着 R1:33.4(34.8) -0.8 0内田博幸 57 ブルーメンブラット 464
0000.12.21 阪神 阪神C JpnII 芝1400m(良) 18 6 12 006.80(3人) 15着 R1:22.9(35.9) -1.3 0M.デムーロ 57 マルカフェニックス 464
2009.10.24 東京 富士S GIII 芝1600m(良) 18 3 5 049.3(13人) 16着 R1:34.1(34.9) -0.8 0三浦皇成 57 アブソリュート 468
2010.05.29 京都 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 14 3 3 170.1(11人) 10着 R2:00.9(35.1) -1.4 0藤岡佑介 57 アーネストリー 470
0000.07.25 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 16 1 1 083.9(15人) 11着 R1:59.4(36.1) -0.9 0柴山雄一 57 マイネルスターリー 456
0000.08.22 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 16 7 14 326.3(16人) 08着 R2:00.2(35.0) -0.8 0藤岡佑介 57 アーネストリー 460
0000.09.20 札幌 エルムS GIII ダ1700m(良) 13 3 3 026.10(8人) 12着 R1:46.7(39.2) -3.2 0柴山雄一 57 クリールパッション 452

エピソード[編集]

  • 湯浅三郎にとっては調教師として最後の重賞勝利、小崎憲にとっては調教師として最初の重賞勝利、クレイグ・ウィリアムズにとってはJRA初勝利をもたらすなど記念となる勝利になっている。

血統表[編集]

エイシンドーバー血統Mr. Prospector系 / Hail to Reason 5×4=9.38% (血統表の出典)

Victory Gallop
1995 鹿毛
父の父
Cryptoclearance
1984 黒鹿毛
Fappiano Mr. Prospector
Killaloe
Naval Orange Hoist the Flag
Mock Orange
父の母
Victorious Lil
1989 鹿毛
Vice Regent Northern Dancer
Victoria Regina
Glass House Halo
Glass Collector

* エイシンジョージア
Eishin Georgia
1991 栗毛
Kris S.
1977 黒鹿毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Sharp Queen Princequillo
Bridgework
母の母
Untamed Spirit
1977 栗毛
Groshawk Graustark
Songster
Trubulent Miss Petare
Behaving Deby F-No.8-c


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 3位入線12着降着(被害馬:チアフルスマイル、メイショウオスカル

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o エイシンドーバー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年10月11日閲覧。
  2. ^ エイシンドーバーが引退”. ラジオNIKKEI. 2022年4月23日閲覧。
  3. ^ 中部学生フレンドシップに参加しました!”. 名古屋大学馬術部. 2022年4月23日閲覧。
  4. ^ nagoya_u_umaのツイート(1099204632822243328)
  5. ^ エイシンドーバー | 競走馬データ.netkeiba.com. 2019年11月19日閲覧

外部リンク[編集]