ウチワサボテン亜科

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ウチワサボテン亜科
大型宝剣
大型宝剣
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナデシコ目 Caryophyllales
: サボテン科 Cactaceae
亜科 : ウチワサボテン亜科 Opuntioideae
学名
Opuntioideae Burnett (1835)
和名
団扇仙人掌

ウチワサボテン亜科(うちわさぼてんあか、Opuntioideae)は、サボテン科の亜科のひとつである。南北アメリカおよび近隣島峡に5連15属ほどが分布する。

和名の「団扇サボテン」は、本亜科の代表的な属であるオプンティア属が平たい茎節を持つことから、それを団扇に見立てたことによる。

特徴[編集]

ウチワサボテン亜科の刺(細かい返しがある)

形態は、一部の種を除き、円筒形または小判型の茎節をいくつも連ねた姿をしている。ハシラサボテン亜科のように一つのシュートが何年も伸び続けることはあまりない。若い茎節には鱗片状のがつき(すぐに脱落する)、一部の属では明確な葉に発達する。全体の形としては、樹木のようになるもの、小山状のクッション(群落)を形成するものの二つが多い。

鱗片状の葉の脇には刺座があり、ここに刺が発生する。ハシラサボテン亜科や木の葉サボテン亜科の単純な針状の刺と異なり、ウチワサボテン亜科の刺の表面には細かい返しがついており、刺さると抜けずに折れる。主たる刺の他に細かい毛のような刺(芒刺)が刺座に密生することも特徴で、これにも顕微鏡サイズの細かい返しがついている上、容易に脱落する。触ると厄介な植物の一つである。

そのほかの特徴として、種子に白い種皮を持つものが多いことがあげられる。

人間との関わり[編集]

高山性種を除き、比較的強健な種が多く、アフリカオーストラリアに侵入して雑草化している。仙人サボテン (Opuntia stricta) は重機で踏み潰しても破片から再生することができ、世界の侵略的外来種ワースト100に選定されている。日本での繁殖は確認されていないが、近縁種がしばしば野生群落を形成しており、要注意外来生物に指定されている。

一方で、オプンティア属の茎節や果実(トゥナ)は食用にされるほか、コチニール色素の生産に重要である。Pereskiopsis 全種および Quiabentia 全種、一部のオプンティアを除き、ワシントン条約附属書IIに記載されており、国際取引に規制を受ける[1]

サボテン科内の位置づけ[編集]

鱗片状の葉を持つことから、かつては木の葉サボテン亜科の次に原始的なサボテン類とされていた。しかし、最近の分子系統解析の結果は、ハシラサボテン亜科の姉妹群とする系統樹を支持している。また、現生種が多様化したのは、ハシラサボテン亜科よりも遅いとする研究例もある[2]

分類[3][編集]

葉団扇
アウストロキリンドロプンティア連 Austrocylindropuntieae
キリンドロプンティア連 Cylindropuntieae
  • Cylindropuntia - 円筒茎節
  • Grusonia - 小型茎節が小山状に群生
  • Pereskiopsis - 円筒形茎。大型の葉を備え、木の葉サボテン類に近い外観を持つ
  • Quiabentia - 円筒茎節。肉厚の多肉葉を持つ
オプンティア連 Opuntieae
プテロカクツス連 Pterocacteae
  • Pterocactus - 円筒茎節。大型の塊根を持つ
テフロカクツス連 Tephrocacteae

脚注[編集]

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  1. ^ ワシントン条約附属書(植物界)平成24年9月25日(経済産業省)
  2. ^ M. Arakaki; et al., 2011. Contemporaneous and recent radiations of the world's major succulent plant lineages. Proc Natl Acad Sci U S A. 108 (20): 8379-84.
  3. ^ subfam. Opuntioideae(アメリカ農務省農業研究局)

参考文献[編集]

  • Griffith, M. P., J. M. Porter. 2009. Phylogeny of Opuntioideae (Cactaceae). International Journal of Plant Sciences 170(1):107–116.

関連項目[編集]