ウシウマ

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ウシウマは、種子島などで飼育されていた日本在来馬の一品種で絶滅した小型の家畜である。全身の毛に上毛を、たてがみに長毛を欠く。細く縮れた下毛のみが生えていたが、夏にはほとんど無毛となった。

歴史[編集]

ウシウマ(1934年撮影)

1598年慶長3年)、慶長の役軍が使役していたものを島津義弘朝鮮半島から持ち帰ったのが始まりともされるが、その起源には不明な部分が多い。同様の貧毛型の馬はアジア中部からヨーロッパ南部にかけて飼育されている馬の中にしばしば見出される。

義弘は持ち帰ったウシウマを鹿児島城内の厩舎で飼養したが繁殖は上手く運ばず、1683年天和3年)に島津光久種子島久時に5頭を与え、より気候が温暖な種子島での繁殖が試みられた。島内の安城村に芦野牧が開設、専任の奉行職も創設され、藩事業としての繁殖が始まる。この試みは功を奏し、明治を迎える頃には繁用頭数は80ほどまで増加した。

しかし1869年明治元年)、芦野牧が廃止されると、以後は島内住民の繁殖に対する関心が急速に薄れ、頭数が急減。これを憂えた安城村の士族田之七之助が島内で自由繁殖を試みて頭数確保に尽力し、上野動物園への寄贈や、鳴尾競馬場での単走競馬などを行って人々の関心喚起を図った。こうした活動を経て1931年(昭和6年)に国の天然記念物に指定されたが、1942年(昭和17年)に勃発した太平洋戦争による食糧難により、残った個体も食用に供されるなどし、終戦後の1946年(昭和21年)6月頃、西之表で飼育の最後の個体が死に、ウシウマは絶滅した。天然記念物の指定は1956年に解除されている[1]

鹿児島県立博物館種子島開発総合センターに骨格標本が保管されている。

脚注[編集]

  1. ^ 文化庁文化財保護部編『天然記念物事典』、第一法規、1971、p.320

参考文献[編集]