ウェルズ・ファーゴ・センター (ポートランド)

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ウェルズ・ファーゴ・センター
Wells Fargo Center
ウェルズ・ファーゴ・センター(写真中央)と
USバンコープ・タワー(写真右)
ウェルズ・ファーゴ・センター (ポートランド)の位置(オレゴン州ポートランド内)
ウェルズ・ファーゴ・センター (ポートランド)
オレゴン州ポートランドにおける位置
旧名称 ファースト・ナショナル・バンク・タワー
ファースト・インターステート・バンク・タワー
別名 ブロック148
概要
用途 オフィスビル
所在地 1300 SW 5th Avenue
Portland, Oregon
座標 北緯45度30分52秒 西経122度40分46秒 / 北緯45.514356度 西経122.679359度 / 45.514356; -122.679359座標: 北緯45度30分52秒 西経122度40分46秒 / 北緯45.514356度 西経122.679359度 / 45.514356; -122.679359
着工 1969年
完成 1972年
高さ
屋上 166.4 m (546 ft)
技術的詳細
階数 41
床面積 52,753 m2 (567,830 ft2)
設計・建設
建築家 チャールズ・ラックマン
脚注
[1][2][3]
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下から見上げたウェルズ・ファーゴ・センター

ウェルズ・ファーゴ・センター: Wells Fargo Center)は、アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドにあるオフィスビルである。166.4 m(546 ft)の高さを誇り、地上40階建て(数え方によって41階とも)、地下には3階建ての駐車場がある[4]。1972年の完成当時から現在まで、オレゴン州で最も高い建築物として存在している。

歴史[編集]

ウェルズ・ファーゴ・センターと、隣接する5階建てのビルは、チャールズ・ラックマン・アンド・アソシエーツにより設計された。当初の名称はファースト・ナショナル・バンク・タワーであり、1972年4月17日にオープンし[5]、同年5月25日には公式に落成式が行われた[6][7]。当時、ファースト・ナショナル・バンクはタワーの21階分と、隣接する5階建てビル(データ・プロセシング・ビルディング)の全階に入居していた[6]。1981年、ファースト・ナショナル・バンクがファースト・インターステート・バンコープに吸収されたことを受け、建物の名称もファースト・インターステート・タワーに変更された。現在のウェルズ・ファーゴ・センターの名は、1996年にウェルズ・ファーゴがファースト・インターステートを吸収した時に付いたものである[8]。1972年のオープン以来、ウェルズ・ファーゴ・センターはポートランドで最も高いビルとして存在し続けているが、40年間に渡ってこのビルを超える高さの建物が現れなかったのには理由がある。ウェルズ・ファーゴ・センターが完成した後、その高さから「今後開発が進めばポートランドの街からフッド山を見られなくなってしまうのではないか」という不安が住民の間に広がり、ポートランドのダウンタウンの全てのビル開発に対して高さ制限が課されるようになったからである。

2001年には大規模な改装工事があり、床面積の拡張が行われた。工事には3,500万米ドルが費やされ、2002年に完了した。ロビーは特に集中的な改装が行われ、ウェルズ・ファーゴの歴史を綴ったディスプレイが置かれた[9]。ウェルズ・ファーゴ・センターにはかつてウィラメット・インダストリーズが本社を置いていたが、同社は2003年にウェアーハウザーにより買収された[10]

詳細[編集]

ウェルズ・ファーゴ・センターでは、ウェルズ・ファーゴ銀行の地域本社が入居している。建物はダウンタウン・ポートランドに所在し、4番街、5番街、コロンビア通り、ジェファーソン通りに面している[7]。連絡通路がタワーと隣接するデータ・プロセシング・ビルディング(この建物もウェルズ・ファーゴ・センターの一部を構成している)の間に架かっている[11]。40の階数を有し、そのオレゴン随一の高さを誇る(階数は数え方によって41ともカウントされる)[12]。本館ロビーにはウェルズ・ファーゴが使用していた古い駅馬車(1854年製)が置かれ、またウェルズ・ファーゴ歴史博物館の展示室も設置している[13]

当ビル27階には日本の在ポートランド領事事務所(旧・総領事館出張駐在官事務所)が入居している[14]

その他の建築的特徴としては、過剰なまでの大理石の使用が挙げられる。建物内部では5,600 m2(60,000 ft2)もの面積に1.6 mm(1/16 in)の厚さで大理石が敷かれている[7]。外装では黒いガラスの柱と白い大理石の柱が交互に並び、建物の下から上まで全体に渡って敷かれている。

評価[編集]

本ビルのデザインは、さまざまな建築的な問題から酷評を受けてきた[15]。1976年に『ニューヨーク・タイムズ』紙にポートランドに関して著述を行なっていたイヴァン・ドイグは、この建物について「巨大であり、小綺麗であり、特徴に欠けている」と述べた[16]

出典[編集]

  1. ^ ウェルズ・ファーゴ・センター - Emporis (英語)
  2. ^ "ウェルズ・ファーゴ・センター". SkyscraperPage (英語).
  3. ^ ウェルズ・ファーゴ・センター - Structurae
  4. ^ Building Features and Amenities”. Wells Fargo Center. 2008年2月6日閲覧。
  5. ^ The Oregonian, April 18, 1972; Section 3 (Business), p. 7.
  6. ^ a b Donald Sorensen (1972年5月26日). “Bank dedicates new center”. The Oregonian: p. Section 3, p. 11. 
  7. ^ a b c Wells Fargo Center”. Emporis. 2008年2月6日閲覧。
  8. ^ Jim Tankersley (1999年7月25日). “The tall tale of Portland's two towers”. The Oregonian 
  9. ^ Gretchen Fehrenbacher (2002年1月30日). “Building owners assn. honors industry standouts”. Daily Journal of Commerce 
  10. ^ Heidi Stout (2003年7月3日). “Wells Fargo Center nabs KPMG for top floors”. Portland Business Journal. http://www.bizjournals.com/portland/stories/2003/06/30/daily35.html 2010年9月21日閲覧。 
  11. ^ Building Information and Amenities”. Wells Fargo Center. 2008年2月6日閲覧。
  12. ^ Dylan Rivera (2007年7月1日). “Downtown is growing up”. The Oregonian 
  13. ^ Wells Fargo History Museums: Portland”. Wells Fargo Bank, N.A.. 2013年2月26日閲覧。
  14. ^ 事務所について”. Consular Office of Japan in Portland. 2021年3月17日閲覧。
  15. ^ Randy Gragg (2002年8月18日). “Corner Concerns: Portland could be the city of corners, its street life benefiting from its small downtown blocks. But the number of bad corners shows that there’s lots”. The Oregonian 
  16. ^ Doig, Ivan (1976年10月17日). “It's a Great Place to Live, But Would You Want to Visit?”. The New York Times: pp. 311 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]