ウェリテス

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ウェリテス
ウェリテス

ウェリテス(羅:Velites)とは共和政ローマ初期~後期におけるローマ軍歩兵の一種。軽装歩兵で、軍団兵が戦陣に投入される前に活動する散兵として展開した。はじめは主にローマ市民の中で資産のない者あるいは年若い者が務めていたが、しだいにアウクシリアとしてローマ市民権を持たない志願兵や同盟部族が担うようになっていった。

沿革[編集]

起源[編集]

起源はポエニ戦争から始まる。紀元前3世紀紀元前2世紀の時点では「ウェリテス」の定義は騎兵であったらしい。しかしその後、紀元前2世紀末にローマ軍の重心は重装歩兵に移行しておりローマの戦争史からウェリテスの役割は後退してゆく。そして重装歩兵を援護する騎兵の役割は非ローマ人からなる騎兵部隊に依存していった。

装備[編集]

ウェリテスは軽装歩兵であり、軽装の胴鎧に青銅製の兜、グラディウス(剣)とプギオ(短剣)、、そして投げ槍を数本のみもって戦場に赴いた。この当時の共和政ローマでは兵士は自らの装備を自前で購入する事が前提となっており、このような軽装なウィリテスはローマ市民の中でも比較的資産の少ない者が務めた。またポリュビオスによればウェリテスは若い者が務めたともいう。盾は重装歩兵のものと違い丸い軽いもので、上記の装備に加えて時折脛当ても装備する者もいた。このように軽装であるためローマ軍の中では最も機動力に富む兵士であった。

戦術[編集]

彼らはレギオの三つの戦列のうちハスタティプリンキペスに所属しており、それぞれが各百人隊長の指揮下にあった。しかしその軽装ゆえに近接戦闘では早々と犠牲となってしまうため、ウェリテスはとくに隊列を組んでの行動は行っていなかった。一方最古参のトリアリイにはウェリテスはいなかった。理由は彼らは戦局の終盤に投入されるのが常であったからである。他の軍団兵とは異なりウェリテスは狼の毛皮を兜の上にまとって自らを識別していたと言われている。

ローマ軍の主力は重装歩兵であったが、彼らのような散兵戦術はしばしば過大評価されている。ハスタティプリンキペスが戦線に突入する前に彼らは戦陣に投入され、閑散な隊列を展開して投げ槍、石を投げた。このような彼らの戦術は戦象に対しては非常に効果があったと言われている。とくに紀元前202年ザマの戦いで彼らは戦術上重要な役割を担い、ハンニバルの戦陣の戦象を無効化にしている。

終焉[編集]

その後、ローマ軍はマリウスの軍制改革により資産による兵士の区分の垣根がなくなり、武具が国より支給される事となった。また兵装、訓練の均一化により作戦展開能力が向上、またウェリテスはアウクシリアとしてローマ市民権を持たない志願兵や同盟部族(ガリア人ゲルマン人など)が務めるようになる。このような流れで戦場においてウェリテスが果たす役割は後退し、その存在はローマ軍から消えた。

関連項目[編集]