ウィリアム・アイリッシュ

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ウィリアム・アイリッシュ(William Irish、1903年12月4日- 1968年9月25日)は、アメリカ合衆国推理作家。本名はコーネル・ジョージ・ホプリー=ウールリッチ(Cornell George Hopley-Woolrich)。主にコーネル・ウールリッチという名前で創作活動を行っていたが、一部の作品では、ウィリアム・アイリッシュジョージ・ホプリーという筆名を使用していた。日本ではアイリッシュ名義の『幻の女』が有名である為か、ウィリアム・アイリッシュと呼ばれることが多い。

目次

[編集] 経歴

1903年にニューヨークで生まれ、少年時代はメキシコですごした。1921年コロンビア大学に入学しジャーナリズムを専攻したが、在学中から小説を書き始め、大学はやめてしまう。

1926年に最初の小説Cover Chargeを出版した。当初は普通小説の作家であった。

1931年にはCover Chargeを映画化したプロデューサーの娘と結婚するが、この結婚は3週間しか続かなかった。この後は住居を持たず、母と共にホテルを転々とする暮らしを続けた。

1934年から推理小説の短編をパルプマガジン向けに書き始め、しだいにその数を増やしていった。1940年の『黒衣の花嫁』から長編も書くようになり、サスペンス小説作家として地位を高めていった。

1940年代後半から母が重病となり、出版される小説はしだいに減っていった。1957年には母が死に、元々厭人的であった性格がさらにひどくなった。その後糖尿病アルコール中毒に苦しめられ、糖尿病により壊疽した足などは医者に見せたときには手遅れで、切断するしかない状態であった。1968年に死亡するが、遺族はおらず、葬儀への参列者は5人だけだった。

在籍していたコロンビア大学に作家育成の奨学金として百万ドルを寄贈している。

[編集] 作風

追われる者の不安や孤独を描くことを得意としており、その作風はサスペンス派に分類することができる。哀愁味が溢れる美しい文体から、“サスペンスの詩人”と呼ばれている。

ストーリー設定としては、期限内に事件を解決しなければ死んでしまうというタイム・リミットを設定したものや、自分は無実なのに誰も自分の言うことを信じてくれないといった状況を描いたものが多い。

論理的な推理を中心に据えた本格推理とは一線を画する。

長編の代表作である1942年の『幻の女』は、江戸川乱歩の「新しい探偵小説であり、すぐに訳すべきである」という評価によって日本で圧倒的な知名度を持っている。

短編の代表作である1942年の『裏窓』は、アルフレッド・ヒッチコック監督により映画化された。

[編集] 主な作品

[編集] 長編小説

  • 1926年 Cover Charge
  • 1927年 Children of the Ritz
  • 1929年 Times Square
  • 1930年 A Young Man's Heart
  • 1931年 The Time of Her Life
  • 1932年 マンハッタン・ラブソング (Manhattan Love Song)

ここより前は普通小説と思われる。

  • 1940年 黒衣の花嫁 (The Bride Wore Black)
  • 1941年 黒いカーテン (The Black Curtain)
  • 1942年 黒いアリバイ (The Black Alibi)
  • 1942年 幻の女 (Phantom Lady)(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 1943年 黒い天使 (The Black Angel)
  • 1944年 恐怖の冥路 (The Black Path of Fear)
  • 1944年 暁の死線 (Deadline at Dawn)(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 1945年 夜は千の目をもつ (Night Has a Thousand Eyes)(ジョージ・ホプリー名義)
  • 1947年 暗闇へのワルツ (Waltz into Darkness)(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 1948年 死者との結婚 (I Married a Dead Man)(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 1948年 喪服のランデヴー (Rendezvous in Black)
  • 1950年 野性の花嫁 (Savage Bride)
  • 1950年 恐怖 (Fright)(ジョージ・ホプリー名義)
  • 1951年 死刑執行人のセレナーデ (Strangler's Serenade)(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 1958年 聖アンセルム923号室 (Hotel Room)
  • 1959年 死はわが踊り手 (Death is My Dancing Partner)
  • 1960年 運命の宝石 (The Doom Stone)
  • 1987年 夜の闇の中へ (Into the Night)(遺稿をローレンス・ブロックが補綴したもの)

[編集] 短編集

  • 1956年 悪夢 (Nightmare)
  • 1981年 今夜の私は危険よ (The Fantastic Stories of Cornel Woolrich)

[編集] 短編集(日本で編まれたもの)

  • ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブック
    • 1955年 妄執の影(ウィリアム・アイリッシュ名義)
    • 1956年 睡眠口座
    • 1961年 ぎろちん
    • 1963年 自殺室
    • 1965年 わたしが死んだ夜
    • 1971年 もう探偵はごめん
  • 創元推理文庫(アイリッシュ短編集1~6)
    • 1972年 晩餐後の物語(ウィリアム・アイリッシュ名義)
    • 1972年 死の第三ラウンド(ウィリアム・アイリッシュ名義)
    • 1973年 裏窓(ウィリアム・アイリッシュ名義)
    • 1974年 シルエット(ウィリアム・アイリッシュ名義)
    • 1975年 わたしが死んだ夜(ウィリアム・アイリッシュ名義)
    • 1977年 ニューヨーク・ブルース(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 集英社文庫
    • 1997年 ホテル探偵ストライカー
  • 晶文社
    • 1976年 さらばニューヨーク(ウィリアム・アイリッシュ名義)
  • 新樹社
    • 1999年 見えない死
  • 白亜書房(コーネル・ウールリッチ傑作短篇集1~5、別巻)
    • 2002年 砂糖とダイヤモンド
    • 2002年 踊り子探偵
    • 2003年 シンデレラとギャング
    • 2003年 マネキンさん今晩は
    • 2003年 耳飾り
    • 2003年 非常階段

[編集] 映画化

アイリッシュの作品は数多く映画化されている。以下に主なものを挙げる。

[編集] 外部リンク