ウィボー 280-T

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ウィボー 280のエールフランス仕様の塗装の模型

ウィボー 280-T(Wibaut 280-T)シリーズは、1930年代フランス旅客機である。10数機がエールフランス 、エールユニオンで運用された。

試作機のウィボー 280-Tは1930年11月に初飛行した。全金属製の方持ち単葉の三発旅客機であった。エンジンは300hpのイスパノ-ライト 9Qaエンジンが搭載されたが、すぐにノーム・ローヌ 7Kbエンジンに換装され、ウィボー 281-Tと改名された。ウィボー 281-Tの2号機はエンジンを350hpのノーム・ローヌ 7Kdエンジンに換装され、12座席となり、ウィボー 282-Tとされた。282-Tは7機が製造され、数機が1933年にエール・ユニオンのロンドン-パリ路線でVoile d'Or(英語でゴールデン・クリッパー)として運用された。燃料搭載量を増加させ、尾部を改造した283-Tが10機、製造され1934年に最初の1機が1934年にエールフランスに納入された。282-Tから283-Tに改造されたものもあった。後に軍に接収されて軍用輸送機として用いられたものもあった。

事故歴[編集]

  • 1934年5月9日、エールフランスの F-AMHPがドーバー海峡に墜落し、6人が死亡した。
  • 1934年5月19日、エールフランス機が燃料切れでクロイドン飛行場近くの、クリケット場に不時着し、10人の乗客、乗員のうち1人が負傷した。

派生型[編集]

  • 280-T - 原型機、Hispano-Wright 9Qa エンジン装備、1機生産、281-Tに改造される。
  • 281-T - ノーム・ローヌ 7Kbエンジン装備、2機目は282-Tに改造。
  • 282-T - ノーム・ローヌ 7Kdエンジン装備、生産型、7機生産。
  • 283-T - エール・フランス向け生産型。燃料タンク容量増加など。

要目 (283-T-12)[編集]

  • 乗員:2名
  • 乗客:12名
  • 全長:17.00 m
  • 全幅:22.61 m
  • 全高:5.57 m
  • 翼面積:64.40 m2
  • 空虚重量:4,097 kg
  • 全備重量:6,200 kg
  • エンジン: 3 × Gnome-Rhône 7Kd, 350 hp
  • 最高速度:198 km/h
  • 航続距離:1,048 km

参考文献[編集]

  • Taylor, Michael J. H. (1989). Jane's Encyclopedia of Aviation. London: Studio Editions.
  • The Illustrated Encyclopedia of Aircraft (Part Work 1982-1985). Orbis Publishing. pp. 3096–7.