インターネットイニシアティブ

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株式会社インターネットイニシアティブ
Internet Initiative Japan Inc.
Mituijinbotyo.JPG
本社:神保町三井ビル
種類 株式会社
市場情報
東証1部 3774 2005年12月2日上場
NASDAQ IIJI 1999年8月4日上場
略称 IIJ
本社所在地 日本の旗 日本
101-0051
東京都千代田区神田神保町一丁目105番
設立 1992年12月3日
業種 情報・通信業
事業内容 ISP
システムインテグレーション
ほか
代表者 代表取締役会長兼CEO 鈴木幸一
代表取締役社長兼COO 勝栄二郎
資本金 14,294百万円
(2012年3月期)
売上高 連結97,314百万円、単独65,371百万円
(2012年3月期)
総資産 連結73,493百万円、単独64,554百万円
(2012年3月期)
従業員数 連結1,923人、単独1,313人
(2012年3月現在)
決算期 3月31日
主要株主 日本電信電話 24.45%
鈴木幸一 6.31%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 5.56%
伊藤忠商事 5.05%
(2012年3月現在)
主要子会社 株式会社ハイホー 100%
外部リンク http://www.iij.ad.jp/
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株式会社インターネットイニシアティブInternet Initiative Japan Inc.、略称IIJ)は日本電気通信事業者である。東証1部、米NASDAQにおいて株式公開を行っている。

外資を除き、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダ(ISP)である。個人向けサービスとしてIIJ4U、IIJmioを提供しているが、法人及びISP事業者に対するエンタープライズ・サービスの提供が事業の主軸である。インターネット接続回線の提供、システム・インテグレーション、アウトソーシングの他、ISP事業自体のOEM供給・技術供与も行っている。

関連会社であったクロスウェイブコミュニケーションズ及び同社の子会社会社更生手続開始による経営の悪化に伴う第三者割当増資によって、NTTグループが合計約30%を出資する株主となっている[1]

概要[編集]

1990年代のインターネット創成期より、国内の主要都市間を接続するバックボーン・ネットワークを独自に構築するとともに、国内外の主要なインターネットエクスチェンジとのピアリングも積極的に推進した。電信電話系の通信事業者ではないIP通信専業のISP事業者としては国内最大規模の独自バックボーンを保有する。国内のインターネット接続環境のみならず、アジア太平洋地域の国際バックボーンであるA-Boneの構築にも関与するなど、インターネット接続環境の整備にインフラ面で大きな貢献を果たした(1995年に株式会社アジア・インターネット・ホールディングを設立。2005年に吸収合併)。

主要な顧客層は公官庁と法人で、6,500社以上を抱える。特に、高度・大規模なシステムインテグレーションを必要とする大企業に対するシェアは圧倒的で、各業界トップ10企業の半数から、セクターによっては大半の主要企業を顧客とする。2009年7月より、中小企業をターゲットとした新ブランドのサービス「LaIT(ライト)」の提供を開始している。

IIJ4U、IIJmioは、個人向けのプロバイダとしては料金体系がやや割高である他、現在は積極的な宣伝戦略もとっていないことから、プロバイダの草分けではあるが、一般ユーザー層での知名度は低い。会員数は数万人の規模とされる。2007年に子会社化したhi-hoは、かつては松下電器産業(現パナソニック)が運営していたコンシューマー向けプロバイダであったこともあり、一定の知名度と会員数を有する。会員数は約20万人とされる。

1998年、トヨタ自動車およびソニーと合弁で、クロスウェイブ コミュニケーションズ(CWC)を設立、当時としては画期的な広域イーサーネット・サービスを開始したが、折りからの競争激化とITバブル崩壊により行き詰まり、CWCは2003年8月に会社更生手続き開始を申し立てた(同社の事業は、2003年12月にNTTコミュニケーションズ営業譲渡)。この特別損失で大幅赤字となったが、以後は急速に業績が回復している。

2010年、クラウド・コンピューティング・サービスIIJ GIOの提供を開始。同時に、兼ねてよりクラウド・コンピューティングに近い概念のサービスIBPS[2]を提供していた、完全子会社の株式会社アイアイジェイテクノロジーを吸収合併。ネットワーク事業とシステム・インテグレーション事業の一体化を図る組織構成とした。

IIJ自体が村井純吉村伸を始めとするWIDEプロジェクトのメンバーが中心となって設立された企業である関係から、現在もWIDEプロジェクトやEPCglobalを始め、インターネットに関する研究・調査・実証実験・標準化等の活動に積極的に参画している。ISP事業者の中では、研究投資の比率は比較的高い方である。

特徴[編集]

  • 中小規模のISP事業者に対してインターネット接続環境の提供を行っていることから、IIJクラスのプロバイダを1次プロバイダ、そこから提供を受けるISP事業者を2次プロバイダと呼ぶことがある[3]
IIJが独自開発したルータSEILシリーズ
  • SMFサービス[4]は現在のところ他社の追随を許さぬものと言え、2007年10月31日に「SMF-LAN」に関して特許を取得した。
  • CWC破綻に伴う損失と資金繰り悪化のため、2003年9月にNTTグループなどを引き受け先とする第三者割当増資を行った[1]。現在、NTTグループは副社長を含む取締役2名を派遣している。
  • FreeBSDPPPソフトウエアは1993年に大野俊治によって書かれた「iij-ppp」がオリジナルとされる(man PPP(8))
  • IIJ本体はネットワーク、システム・インテグレーション、アウトソーシングをビジネスの中心に据えているが、グループ会社では、データセンター・オペレーション、ヘルプデスク等の領域もカバーしている。
  • 「働きがいのある会社ランキング」(2007年、Great Place to Work Institute調査)にて、11位にランキングされた。これは、外資系を除くIT企業では、国内トップである。評価の主要因は「公平性」であった。

沿革[編集]

  • 1992年12月3日 - 株式会社インターネットイニシアティブ企画設立。
  • 1993年5月 - 商号を株式会社インターネットイニシアティブに変更。
  • 1993年7月 - UUCPサービスを開始。
  • 1993年11月 - インターネット接続サービスを開始。
  • 1994年2月 - 旧電気通信事業法に基づく特別第二種電気通信事業者に登録。
  • 1994年6月 - ダイアルアップ接続サービスを開始。
  • 1998年2月1日 - 株式会社アイアイジェイ東海、株式会社アイアイジェイ北陸、株式会社アイアイジェイ中四国、株式会社アイアイジェイ九州及び株式会社アイアイジェイ東北を合併。
  • 1998年10月-株式会社クロスウェイブ コミュニケーションズを設立。
  • 1999年8月4日 - 米NASDAQにて株式公開。
  • 2003年8月 -株式会社クロスウェイブ コミュニケーションズ(当社の持分法適用関連会社)及びその連結子会社が会社更生手続開始を申立。
  • 2005年12月2日 -東証マザーズに株式公開。
  • 2006年2月1日 - コナミと共同でインターネットレボリューション設立。
  • 2006年12月14日 -東証1部指定替え。
  • 2007年6月1日 - 松下電器産業系のISP事業hi-hoを運営するハイホーを子会社化(直接の運営者であった松下子会社のパナソニック ネットワークサービシズ株式会社のISP関連事業を株式会社ハイホーに新設分割後、全株式をIIJへ譲渡)。
  • 2007年12月3日 - 新技術の開発および事業育成のための「IIJイノベーションインステュテュート」を開始。
  • 2008年1月21日 - NTTドコモの回線を利用してのMVNO サービス開始。
  • 2008年3月3日 - イー・モバイルの回線によるMVNOサービス開始。
  • 2008年4月1日 - オンデマンド印刷事業を行う新会社「オンデマンドソリューションズ」設立。
  • 2010年4月1日 - 完全子会社の株式会社アイアイジェイテクノロジー(同社が吸収合併する完全子会社の株式会社アイアイジェイフィナンシャルシステムズを含む)を吸収合併。
  • 2010年9月1日 - AT&Tジャパンのネットワークアウトソーシングサービス事業をIIJに売却、IIJグローバルソリューションズとして子会社化。
  • 2013年6月26日 - 長年社長を務めた鈴木幸一が会長に就任し、社長に勝 栄二郎(元財務事務次官天下り)が就任。
  • 2014年1月1日 - 連結子会社の株式会社IIJエクスレイヤを吸収合併。

IIJモバイル[編集]

IIJモバイルNTTドコモLTE(Xi)とFOMAハイスピードイー・アクセス網を利用したMVNOサービスである。

IIJモバイル
サービス名 MNO 値段(プロバイダ代込) 特徴
IIJmio 高速モバイル/Dサービス NTTドコモ LTE(Xi) 945円(ミニマムプラン)
1580円(ライトスタートプラン)
2688円(ファミリーシェアプラン)
1Gまで定額
2Gまで定額
3Gまで定額,3枚SIM提供
IIJモバイル/タイプD NTTドコモ パケットシェア:1,800円~
定額2年:5,700円
NTTドコモFOMAハイスピード網を使い、人口カバー率100%のエリアで7.2Mbpsの高速通信が定額で利用可能。
2009年12月よりHSUPA(5.2Mbps)にも対応する。[5]
IIJモバイル/タイプE イーモバイル 定額2年:4,600円 イーモバイルのエリアで7.2Mbpsの高速通信が定額で利用可能、エリアはタイプDより劣る

上記のサービスのほかに固定IPアドレスを割り当てる、IIJモバイルサービス/タイプDSとタイプESといったものがあり、モバイルルータを利用してVPNなどを構築することができる。

2013年3月3日現在、端末はモバイルWi-Fiルーター(タイプDのみ)、USB接続型、CFカード型(タイプEのみ)、PCカード型(タイプEのみ)の4種類が用意されている。[6]

その他のオプションとして、タイプDはNTTドコモの国際ローミングサービスである、WORLD WINGのエリアにおいて国際ローミングが利用できる。

2012年4月1日より、ドコモ網を利用したWILLCOM CORE 3Gサービス(新規受付は、2010年9月30日を以って終了済み)は、当社が継承してサービスを提供する。[7]ただし、サポート部門は、ウィルコムへ委託する形となる。

連結子会社[編集]

  • 株式会社ネットケア
  • ネットチャート株式会社
  • 株式会社ハイホー
  • 株式会社IIJイノベーションインスティテュート
  • 株式会社トラストネットワークス
  • 株式会社IIJグローバルソリューションズ
  • IIJ America Inc.

持分法適用関連会社[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b IIJ、第三者割当増資でNTTグループが筆頭株主に”. Internet Watch (2003年9月16日). 2013年9月24日閲覧。
  2. ^ Integration & Business Platform Service: データセンター(ハウジング)、ネットワーク(スイッチ、ロードバランサ、インターネット接続)、ストレージ、サーバ筐体、監視運用を、アセット・レスの月額課金で提供するサービス。
  3. ^ 近年はISP事業者同士がインターネットエクスチェンジを介して広帯域で相互接続することが多くなり、1次・2次という識別をされることは稀である。
  4. ^ IIJが独自開発したルータSEILによりネットワークの設定・運用管理・保守を簡便に一元管理するサービスでネットワークの管理コストの大幅削減を可能にした。
  5. ^ IIJ、「IIJモバイル」に高速データ通信端末を追加(2009/11/24報道発表資料)
  6. ^ IIJモバイル | サービス・料金
  7. ^ ドコモ3G MVNOサービスの承継完了について(2012/4/1報道発表資料)