インストール (小説)
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目次 |
[編集] 概要
2001年、河出書房新社より刊行され、発行部数50万部のベストセラーになる。第38回文芸賞を受賞した。 2003年3月にみづき水脈の手によりコミック化され、講談社から出版された。
また、同名の映画作品は、2004年12月25日よりシネリーブル池袋ほか全国にて上映(監督:片岡K、主演:上戸彩)された。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。 →[記述をスキップ]
[編集] あらすじ
受験戦争から脱落し、登校拒否児となった朝子。彼女はある日、マンションのごみ捨て場で小学生の男の子と出会う。その子は、朝子が捨てようとしていた壊れたコンピューターを欲しがり、朝子もそれをその子にあげることにした。ところが後日、いただいた試着品下着のお返しに図書カードを渡そうと、朝子が同じマンションに住む青木さんの家を訪ねると、中から現れたのはあの男の子だった。男の子は、あのコンピューターはなおすことができたと言い、朝子に、コンピューターを使った風俗チャットでのアルバイトを持ちかけてきた。そこで朝子は男の子―かずよしといっしょに、かずよしのメル友である売春婦の雅さんのかわりにそのアルバイトをすることにする。日中人のいない青木家に忍び込んで、押し入れの中のコンピューターで職業も年齢もバラバラな男たちとチャットをし、お金を儲ける日々。しかしある日、とある一人の客が、朝子が偽物であるということに気づいてしまう。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
| インストール | |
|---|---|
| Install | |
| 監督 | 片岡K |
| 脚本 | 大森美香 |
| 製作 | (「インストール」製作委員会) 角川映画 テレビ東京 日活 ハピネット |
| 出演者 | 上戸彩、神木隆之介 ほか |
| 音楽 | Rita-iota |
| 配給 | 角川映画、エンジェル・シネマ |
| 公開 | 2004年12月25日 |
| 上映時間 | 95分 |
| 製作国 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
[編集] 登場人物
主人公・野口朝子(17歳)
英文系クラスに通う、高校3年生。受験戦争から脱落し、登校拒否児となる。人生に具体的な夢や目標はないが、有名になるという野望を持っている。登校拒否になってから、自分の部屋の物をすべて捨ててしまおうとゴミ捨て場に運んでいたところ、かずよしに会い、日中人のいない青木家にしのびこんで、押し入れの中のコンピューターで風俗チャットのバイトをするようになる。最初は文章もまともに打てなかったが、そのうち、風俗チャットに夢中になっていく。
青木かずよし(12歳)
朝子と同じマンションに住む小学生。コンピューターに関する知識が豊富で、メル友であり、風俗嬢の雅さんにもちかけられた風俗チャットのアルバイトに朝子を誘う。実の母はすでに他界しており、今の母であるさよりさんの小さな癖を神経質に気にしてしまう。自分は心が病んでいるのか、という発言をしており、朝子に対して丁寧な言葉で話す。炭酸は飲めない。
雅(26歳)
かずよしのメル友の風俗嬢。人妻で子持ち。かずよしを、専業主婦の「かなこさん」だと思い、メールしている。多忙のため、昼間チャットの仕事をすることができず、かなこさんに、自分になりすましてかわりにやってくれないかと持ちかける。
光一
朝子のクラスメイト。高校3年生。英文系の唯一の男子であり、担任のナツコ先生の恋人でもある。予備校のかけもちで疲れている朝子に、休養をすすめる。早稲田を受験する予定。
青木さより
マンションに引っ越してきた、少し変わった不器用な女性。かずよしの母(血はつながっていない)。デパートの、「ソナチネ」という下着メーカーを販売するコーナーで仕事をしている。その下着の試着品であるド派手なパンツを、大量に朝子に「おすそわけ」する。ある癖をもっており、それがかずよしを苦しめる。
聖璽(せいじ)
浪人生。チャットの客だったが、かずよしが相手をしている時の雅を好いてしまい、朝子を偽物だと見破る。朝子について、ほかにも様々なことを見破り、自分のHPにアクセスさせて、ウイルスに感染させようとする。
ナツコ先生
朝子たちのクラスの担任。光一の恋人で、マゾ。光一いわく、「ハードスケジュールは自分の有能さと人気の証だと勘違いし、そんな自分に満足している幸せ者」。
朝子の母
名前は不明。夫とは離婚している。貴重な時間をつぶす世間話の類が一番嫌いで、意図的に沈黙をつくりあげ、それらを早く終わらせようとする。気に入らない人には、「生理的に受け付けないわ」というのが口癖。
[編集] その他
・タイトルの「インストール」は、ディスクなどを使い、コンピューターに新しい機能を取り入れることを意味する言葉で、作中でかずよしが、どうやってコンピューターをなおしたのかと尋ねられたとき、「インストールしなおした―つまり、リセットした」と答えている。その後、かずよしに仕事に誘われた朝子は、自分のこともインストールしてくれるつもりかと発言しており、これがタイトルの由来と考えられる。
・綿矢りさは受賞当初、この賞の受賞者の最年少記録を持っていた。(17歳。だがその後、15歳の三並夏が「平成マシンガンズ」でこの賞を受賞し、塗り替えられる)。
・この作品は綿矢りさにとって初めて書いた小説だった。
・文庫本では、後編に書き下ろしの「You can keep it.」が収録されている。
[編集] 映画
『インストール』は綿矢りさの同名小説を映画化したものである。監督はテレビの深夜番組などを手掛けてきた片岡Kで、この作品が劇場映画初監督作である。PG-12指定作品。第17回東京国際映画祭コンペティション部門出品。国内での興行成績は不振に終わり作品的評価も高くなかった。綿矢はこの作品の出来が良くなかったために、以降作品の映像化を断っている。
[編集] 登場人物
- 野田朝子(17歳)- 上戸彩、少女時代(9歳) - 橋本甜歌
- 主人公。登校拒否気味。10才の少年のかずよしに出会い、彼の家で雅という風俗嬢を装ってチャットを始めるが、チャット相手の一人に雅ではないことがばれたのをきっかけにやめ、学校生活に戻ることを決意する。過去、自分の片思いの相手に先立たれるという、苦い経験を持っている。
- 青木かずよし(10歳)- 神木隆之介
- 準主役。パソコンやチャットに関して、子供とは思えないほど詳しい知識を持っている。朝子を登校拒否から救うきっかけを作る人物。
- モモコ先生の恋人・朝子の片思いの人 コウイチ - 中村七之助
- 朝子の想い人であったが、不運にも交通事故で命を落とす。
- 朝子の英語教師 モモコ先生 - 菊川怜(友情出演)
- かずよしの母 青木かより - 小島聖
- かずよしの母。冷蔵庫のコーラの減り具合から、朝子が青木家に入り浸っていることを知る。
- かずよしの父 - 片岡K(カメオ出演)
- 朝子の母・かずよしの担任 野沢毬恵 - 田中好子
- 朝子の母、すべてなくなった娘の部屋が落ち着くという。
- 朝子の祖父 - 今福将雄
- 朝子の祖母 - 花原照子
- 小学校教頭 - 大河内浩
- 正装の紳士 - 宇梶剛士
- チャット相手1 サラリーマンあらし - 森下能幸
- チャット相手2 浪人生 - 村島リョウ
- チャット相手3 トラック運転手 - 田中要次
- チャット相手4 老人 - 神戸浩
- チャット相手5 明(神戸の男) - 矢作公一
- チャット相手6 聖爾 - 吉田朝
- 女子高生1 - 藤谷舞
- 浴衣の男 - 脇知弘
- 雅 - Kaoru=井出薫
- 風俗嬢。だが、終盤子供をそだてており、風俗の世界から足を洗っていた。
[編集] 豆知識
- 押入れ内で電灯を渡しあうシーンで神木隆之介が半笑いなのはアクシデントである。だが本編ではそのテイクが使用された。
- ラストシーンで隆之介が鼻を掻いたのは本当にかゆかったからである。(またもアクシデント)
- 上戸彩の胸を神木隆之介がさわったシーンにファンが騒然となる。
- 雅を演じたKaoruは監督片岡Kの妻である井出薫。また、片岡K自身もかずよしの父親役として出演している。
[編集] 書籍情報
- 『インストール』(単行本)河出書房新社、2001年11月、ISBN 4309014372
- 『インストール』(文庫本)河出書房新社、2005年10月、ISBN 4309407587
