イヌサフラン

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イヌサフラン
Colchicum autumnale 01.JPG
イヌサフランの花
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: ユリ目 Liliales
: イヌサフラン科 Colchicaceae
: イヌサフラン属 Colchicum
: C. autumnale
学名
Colchicum autumnale L.

イヌサフラン Colchicum autumnaleイヌサフラン科の植物である。かつてはユリ科に分類されていた。ヨーロッパ中南部から北アフリカ原産。種名の通り、秋に花が咲く。なお、名前に「サフラン」と付き見た目も良く似ているが、アヤメ科サフランとは全く別の植物である。

医薬品[編集]

イヌサフランのりん茎(球根)や種子にはコルヒチン(colchicine)という物質が含まれている。この物質は痛風薬としても薬事法で認可、販売、処方されている。また植物の細胞分裂に影響を与えて倍数体にする作用があり、品種改良などに使われる。

医学・薬学方面ではイヌサフランをコルヒクム、種子をコルヒクム子、球根をコルヒクム根ということがある。

毒草[編集]

イヌサフランの葉は時に食用の山菜であるギョウジャニンニクと、りん茎はジャガイモタマネギと間違えられることがある。また、ミョウガに間違われた事例もあった。イヌサフランは上記のとおりコルヒチンを含んでおり、これを誤って摂取すると皮膚の知覚が麻痺したり重症になると呼吸困難で死亡する。またサフランと似ているため、花柱を乾燥させた物がスパイスや鎮静・鎮痛・通経薬として使用できると誤認しての中毒例もある。2007年4月には新潟県で50代の男性がギョウジャニンニクと一緒に誤ってイヌサフランを摂食し、その後死亡した[1]2014年9月には静岡県で70代の男性が、ギョウジャニンニクと間違えて栽培を続けていたイヌサフランを煮物にして食べ、その後死亡した[2][3]

園芸品種[編集]

イヌサフランを園芸用に品種改良したものはコルチカムコルヒカムコルキカムとも)ということが多い。

コルチカムは球根草であるが、球根を土に植えなくても秋になると花が咲くという変わった性質がある。葉は開花後に出てくる。日当たりのよい室内などに球根を置いて、花を鑑賞してから土に植えても全く問題はない。土に植えておくと自然分球して殖えていく。

球根を犬が食べて死亡した例が報告されている。土に植えない、または室内などに球根を置いて花を咲かせる場合は特に注意が必要である。

脚注[編集]

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  1. ^ 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:イヌサフラン
  2. ^ 毒草のイヌサフランを煮物に 70代の男性死亡
  3. ^ 有毒イヌサフラン食べ死亡…山菜と間違え煮物に 

参考文献[編集]

  • アリス・M・コーツ「花の西洋史事典」(八坂書房) ISBN 4896949056